おしらせ

平和と市民自治 NO.32  2024年7月23日 より
〔1面〕
自治体は国の下請けじゃない! 政府の指示権は廃止
待機児童解消 災害対策の充実
市民のくらしまもる
-憲法を生かし主体性ある自治体行政を-
 皆様。会ニュース32号をお届けします。
6月大津市議会は、7月3日に閉会しました。6月14日(金)には、過去最大となった大津市の待機児童問題、養護老人ホームへの市の支援策、自治体を政府の指揮下に置く地方自治法改悪に対する市の対応について質問しました。今回も多くの方に議会で傍聴、またネット視聴をしていただき大変力になりました。ありがとうございました。
 さて、6月19日、「地方自治法改悪案」が成立しました。改悪法により、個別の法律に規定がなくても政府が閣議決定だけで自治体を指揮下におき対応を指示できるとする「指示権」が創設されました。これは、憲法が保障する地方自治を壊し、自治体を国の下請け機関化するものです。今後とも、廃止を求めていきます。
 議会質問のうち、一番位置付けたのが待機児童解消です。大津市では今年、過去最大の待機児童が生じ市当局も最重要課題と位置付けています。184名の待機児童(うち0歳児6名、1~2歳児169名)、隠れ待機児童を含めると516名います。
 待機児童の95%が3歳未満児であることをみても、この問題が産休明け、育休明け保育の問題であることは間違いありません。その認識と、100名定員の公立保育園5.7園分が消滅したに等しい571名(うち0歳児108名、1~2歳児269名)もの大量の公立保育園の定員割れの改善で待機児童の解消ができること。そのための保育士の確保には、正規保育士の大量採用及び現状ではなくてはならない会計年任用職員の待遇改善(賃金改善と雇用期間制限の廃止)を求める質問でした。

6月議会での質問

公立保育園の大幅定員割れ解消で保育の充実と待機児童解消に資することについて
 市当局は、解消すべき課題と答弁したが、待機児童問題が産休・育休明け保育問題であることや公立保育園の大幅定員割れ解決が待機児童解消のポイントであることは、誰が見ても当然と思われるのに、頑として認めませんでした。
 来年度予定29名以上の正規職員採用は民間園への影響や育成面から困難と拒否し、会計年度職員の賃金改善や、3年・5年を経過すると継続雇用せず公募する制度をなくすことは、総務省マニュアルに沿ってやっていくため実施しないと明言。公募は法律上必須ではなく自治体の判断に委ねられており、全国で225の自治体が公募せず採用継続していることについては回答もありませんでした。主体性の発揮を拒否したのです。これでは自治を発揮すべき「自治体」とは言えません。

困難をかかえた高齢者が安心して暮らせる養護老人ホームに対する本市の支援について
 養護老人ホームの意義について、再質問でも「セーフティネット」という言葉を避け、独自の支援は制度上可能だが県内の均衡を維持するためしないと、またもや主体的努力を放棄する答弁に終始。ただ、第9期計画での特養等の改修の「等」に養護老人ホームが入ることを議会の場で明言させ、改修の必要性は認識していると答弁させたことは今後につながります。

自治体への指示権創設を柱とした地方自治法改正案に対する本市の対応について
 認識については国の説明を繰り返すのみで、再質問しても危機感は全くなく「閣議決定を経る手続きが必要であることから、地方自治法の本旨に反した行為がされることはない」との答弁に至っては、地方自治の本旨すら理解していないのではとの疑念がわきます。自ら国の下請け機関になるようなもので全く失望しました。
改悪法の廃止と、指示権を行使させない市民の運動が必要です。

※質疑の全文は当会ホームページに掲載しております。
 なお、公式記録ではありませんのでご了承ください。
質疑全文 PDF
6月14日 一般質問 中川てつや 録画配信


〔3面〕
シリーズ とことん憲法生かす市政を その31
まったなしの待機児童問題 
問題は公立保育園の大幅定員割れ
  ~解消へ待遇改善で保育士大幅増を

 前年の6人から184人(隠れ待機児童含めると516人)へと過去最多を記録した待機児童の解消は、待ったなしの課題です。子どもの保育を受ける権利と、保護者(親)が子育てと仕事を両立し安心して子育てをすることができるよう保障することで、憲法に規定された諸権利(次頁参照)を生かし、ひいては少子化対策につながるからです。そのためには、公立保育園の大幅定員割れの解消を最重点に取り組むべきです。

産休・育休明け保育の問題
 待機児童問題は、0歳~2歳児が大半で、産後休暇や育児休業明け保育の問題です。昨年4月の全国の待機児童は2680人ですが、そのうち0歳児は5.8%、1・2歳児は85.1%で3歳未満児(0~2歳児)は91%を占めており、大津市でも184人のうち95%を占めています。

公立園の大幅定員割れが主要因
 では、保育園不足でしょうか?市内の公立と民間保育園の3歳未満児の施設の定員は3849人で入所児童は3301人で、待機児童が加わっても十分対応可能です。
 民間園は、全体で定員を上回る7529人を受け入れているのに対して、公立園は、全体1530人定員に対して受け入れは959人にとどまり、定員割れ人数は571人に上ります。(表1参照)100名定員の保育園、5.7園分が失われたのと同様の大幅な定員割れが生じているのです。これは今回突然生じたわけではありません。2020年からわずか4年で定員割れの人数が2倍に膨れ上がっているのです。
 3歳未満児は、定員572人に対して受け入れが0歳11人、1、2歳児184人、計195人で377人の定員割れが生じています。0歳児は定員の1割にも届かない約9%の受け入れしかできていません。1、2歳児も、現在の入所児童は定員の4割程度です。(表2参照)
 一方、3歳児以上の入所率は約80%であり、これと比較しても、3歳未満児の受け入れ数は少なすぎると言わざるをえません。よって待機児童の95%を占める3歳未満児は、公立保育園の定員割れを改善すれば、解消または大きく改善することは明らかです。

4月待たずに地域的にも改善可能
 待機児童の地域内訳は、0歳児では坂本3、雄琴・唐崎・滋賀各1の6名で0歳児の全てを、1歳児は雄琴~滋賀の6学区で57名、長等から膳所の5学区で30名、富士見から南郷の4学区で15名計102名と、1歳児の83%を占めてい
ます。
 保育園へは車での送迎が多いことから、雄琴~滋賀6学区の0歳児は、天神山、唐崎、皇子が丘、逢坂の各保育園での対応が可能ですし、1歳児も多くの方は可能となります。
 また、長等学区から南郷学区までの9学区の待機児童の95%を占める1歳児45人の多くは、朝日が丘、膳所、晴嵐、大平の各保育園で対応が可能です。
 大津市は、待機児童緊急対策として、坂本から滋賀学区向けに19名定員の小規模保育施設の設置補助金計2施設分の予算を組みました。しかし、この2施設とも応募があり、来年4月以前に開設できたとしても、合計定員38名をこえる方には対応できません。
 一方、公立保育園は、保育室や園庭や遊戯室などしっかりと保育環境が整っており、あらたに施設整備をする必要はなく、公立保育園で年度途中で保育士を確保できれば、経験年数を勘案した保育士の配置換えで4月をまたずに3歳未満児の中途募集も可能となります。

原因は政策的保育士不足
 公立保育園の大幅定員割れの原因は、施設定員まで受け入れるだけの保育士が足りていないことにあります。なぜでしょうか。全国的な傾向に加え、大津市では、越・前市長が株式会社保育園を増設するとともに公立保育園の民営化方針を打ち出し、保育士の採用を極端に抑えてきた(2020年は1名のみ!)からです。現市
長の下では採用は増えましたが十分ではありません。保育士が足りないため、経験とスキルが必要な0歳児など3歳未満児のクラスは募集すら満足に出来なかったのです。

主体性発揮し待遇改善で保育士増を
 問題は保育士の確保です。正規保育士の採用予定を増やし、募集定員25名を大きく下回る応募者(平均5名程度)しかいない会計年度任用保育士の確保に向けて、給与面などの諸条件の大幅改善を行うべきです。フルタイムで働く公立保育園の保育士の2割を占める会計年度任用保育士は、正規職員とまったく同じ仕事をして、処遇改善加算、時差加算及び地域手当込みで、勤続5年で到達する月額249,480円が最高額でこれ以上の昇級はありません。しかも連続雇用は最長5年まで。これでは応募がないのはあたりまえです。
 待機児童問題が産休明け・育児休業明け保育の問題であり、公立保育園の定員割れの改善により大きく改善することを踏まえ、本市の正規職員やフルタイム等の会計年度任用保育士確保のために、大津市は自治体としての自主性を発揮して取り組むべきです。


関係する憲法の条項
憲法第11条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。
憲法第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
憲法第25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
憲法第27条 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。



【2024年6月議会】
中川てつやの一般質問 以下のとおり行いました



 大津市議会・6月議会での一般質問が終りました。
 私は、14日(金)のトップバッターで1時間の持ち時間をフルに使って以下の3点を質問しました。

 質問の内、一番位置付けたのが待機児童解消です。今年の大津市は、過去最大の待機児童を生みだし、最重要課題と位置付けています。184名の待機児童(内、0歳児6名、1~2歳児169名)、隠れ待機児童含めると516名います。
 この問題が、待機児童の95%が3歳未満児であることをみても、産休明け、育休明け保育の問題であることは間違いありません。その認識と、100名定員の公立保育園5.7園分が消滅したに等しい571名(うち0歳児108名、1~2歳児269名)もの大量の公立保育園の定員割れの改善で待機児童の解消ができること。そのための保育士の確保には、正規保育士の大量採用及び現状ではなくてはならない会計年任用職員の待遇改善(賃金改善と公募制の廃止)を求める質問でした。

 他の質問と合わせた概要は以下です。また、質疑の全文と質問の際に使用した資料を掲載します。なお、この質疑全文は公式記録ではありませんのでご了承ください。

① 公立保育園の大幅定員割れ解消で保育の充実と待機児童解消に資することについて
 市当局は、解消すべき課題と答弁したが、待機児童問題が産休明け・育休明け保育問題であることや公立保育園の大幅定員割れ解決が待機児童解消のポイントであることなどは、だれが見ても当然と思われるのに、頑として認めませんでした。来年度採用予定の29名以上の正規採用は民間園への影響や育成面から困難と拒否し、会計年度職員の賃金改善や3年、5年の公募をなくすことは、総務省マニュアルに沿ってやっていくため、実施しないと明言。
 公募は法律で定められておらず、自治体の判断に委ねられており、全国で225の自治体が公募せず採用継続していることについての問いへの回答もありませんでした。主体性を発揮することは拒否したのです。これでは「自治体」ではない。

② 困難をかかえた高齢者が安心して暮らせる養護老人ホームに対する本市の支援について
 養護老人ホームの意義について、再問でも「セーフティネット」という言葉を避け、独自の支援についても制度上可能だが、県内の均衡を維持するためしないと、またもや主体的努力を放棄する答弁に終始。ただ、第9期計画での特養等の改修の「等」に養護老人ホームが入ることを議会の場で明言させ、改修の必要性は認識していることの答弁させたことは意義がある。

③ 自治体への指示権創設を柱とした地方自治法改正案に対する本市の対応について
 認識については、国の説明を繰り返すのみで、再質問しても危機感は全くなく、「閣議決定を経る手続きが必要であることから、地方自治法の本旨に反した行為がされることはない」との答弁に至っては、地方自治の本旨すら理解していないことが明確に。これでは自ら国の下請け機関になるようなもので全く失望した。市民の運動が必要だ。

質疑全文 PDF

表1 大津市公立保育園の定員数と入所児童数 PDF
表2 大津市公立保育園の年齢別入所人数と入所率 PDF

大津市議会 議会中継システムで録画配信されています
6月14日 一般質問 中川てつや 録画配信

地方自治法改悪反対!
5/16 総務省要請を行いました

写真中央が中川てつや ↑

 5月16日(木)、関西から私を含む4名、東京から4名の8人の自治体議員と5名の市民計13名で、大椿ゆうこ参議院議員事務所のお力をお借りしながら、総務省に対して添付の共同アピール(議員70名、市民40名計110名)と昨日までの同趣旨のオンライン署名4018筆(第1次集約分)を提出し、約90分にわたり要請をしました。

 総務省からは、自治行政局理事官や市町村課、行政経営支援室、住民制度課の課長補佐5名が対応しました。
 新聞報道のように総務省側は「特定の事態を念頭においているものではない」として、個別法の改正までの隙間を埋めるのが指示権だと言い張りました。しかし、隙間を埋めようにも対応策は結局国と地方が連携して取らざるを得ず、指示権の有無のかかわらずやることは同じです。また参加者から地方自治や分権について追及されると「住民自治と団体自治が重要だという認識は皆さんと同じ」「地方分権の流れは変らずとめるものではない」「個別法でやっていく基本は変らない」とし、参加者から「欲しいのは指示ではなく権限だ」に対して「分権は引き続き進めていく」と答え、補充的指示権については「関与の基本原則にのっとって決められている」と答えました。ここまでくると、参加者から一斉に「じゃあ、現行法で問題ないじゃないか、なぜ指示権が必要なのか」と追及がありました。
 理事官は緊急性をはずした件についても、「緊急性は、特に必要と認められることの例示で現行法にあるまでで、改正法もこの要件にのっとったもの」と答弁。しかし、同じならなぜ改正法で緊急性の文言を外したのかが説明がつきません。その再度の質問にも同じ事を繰り返すのみでした。さらに、指示権を提言した地制調でも、地方6団体からの要請で議論が始まったものではないことも確認しました。
 いずれにしても、理事官の説明は苦しい言い訳にしか聞こえませんでした。
 今後、各地で廃止へ向けて議会でも意見書や市民からの請願など取り組みをしていけたらと思います。
 また、オンライン署名も5月末まで引き続き行なっていますので、拡散などのご協力をお願いします。

共同アピール →こちらから(PDF)
新聞報道   →こちらから(PDF)

オンライン署名 →こちらから(Change.org)


掲示用かべ新聞 →こちらから

事務所はこちら
平和と市民自治のまち大津をともにつくる会/
中川てつや 事務所
〒520-0046 大津市長等二丁目8番2号
連絡先 中川てつや 090-7090-6579
長等商店街 フレンドマートはす向かい3軒目 いわみ果物店右隣り
京阪 びわ湖浜大津駅 徒歩8分 JR大津駅 徒歩13分

駐車場はありません。ナカマチパーキングや日赤向いのコインパーキングなどをご利用ください。

子どもや子育て世代、高齢者に優しい大津市をつくる署名

大津市長 佐藤 健司 様

給料や年金は上がらない中で、物価高騰がコロナ禍で痛めつけられた生活苦に、追い打ちをかけています。自治体の本来の役割は市民生活の維持・改善をはかってゆくことです。今だからこそ、子どもや子育て世代の方、高齢者の生活を直接支援する大津市独自の施策の実施が必要です。
以下の点を要請します。

要請項目
1. 学校給食費を無料化すること
2. 中学卒業時までの医療費を無料化すること
3. 大津市独自の大学生向け給付型奨学金を創設すること
4. 高齢者医療費自己負担に対する補助制度を創設すること
5. 大津市内の交通機関の高齢者交通費補助制度を創設すること


大津市民病院を大津市直営に戻し、医療を充実させる署名

大津市長 佐藤 健司 様

新型コロナウィルス感染症の大流行は、大津市民のみならず、全国民の健康を直撃し、死に至る患者を多く生み出しました。大津市においても、多くの患者さんが入院できず、自宅療養や宿泊施設での療養を強いられました。
その中で、感染症拡大時などに公立病院の果たす役割の重要性が改めて認識されました。

しかし、大津市民病院では今、出産ができなくなるなど、医療体制は十分とは言えません。これは、公立病院の大津市民病院を2017年4月に、独立行政法人化(実質民営化)し、利益優先の病院に変えてしまったからです。それ以降、大津市直営の市民病院のときは起きなかった医療危機が2度も起きています。
今後、新たな感染症等が発生しても、大津市民が安心して医療を受けられるようにするには、大津市民病院を名前のとおり大津市直営の市民病院に戻すことが必要です。また、少子化の時代にあっては、安心してお産ができ、新生児医療もできる病院が必要です。

以下要請します。


1.大津市民病院を地方独立行政法人から大津市直営に戻すこと。

2.大津市民病院で、分娩の再開や外科部門の維持存続など、地域医療の中核として質量と もに高い医療を提供できるようにすること。


署名用紙のダウンロード(PDF)は↓からどうぞ

子どもや子育て世代、高齢者に優しい大津市をつくる署名

大津市民病院を大津市直営に戻し、医療を充実させる署名