会ニュース

平和と市民自治 NO.33  2024年10月29日〈主な記事〉  
〔1面〕
市立逢坂保育園休園は待機児童解消に逆行
公的保育の拡充を

〈8月議会での成果〉
「災害関連死審査会」設置へ
非正規公務員の雇止めに歯止め
 -憲法を生かし主体性ある自治体行政を-
 皆様、会ニュース33号をお届けします。
8月大津市議会は、決算審査もあり10月16日に閉会しました。今回も多くの方に議会で傍聴、またネット視聴をしていただき大変力になりました。ありがとうございました。
 9月6日(金)には、市立逢坂保育園の休園問題など4項目について市の対応を追及しました。そのなかでは、非正規雇用公務員である会計年度任用職員の雇止めにつながる「3年公募」を廃止に向けて検討すること、大津市で未設置の災害関連死審査会を設置に向けて検討していくこと、また保育園業務支援システムにおける個人情報の取り扱いについて改善をしていくとの答弁を得ました。災害対策など市民生活の一定の改善が図られる成果がえられました。(後段で詳報)
 議会質問の内、一番位置付けたのは逢坂保育園の休園問題です。大津市は、当該保育園の職員や保護者、地元自治連合会にも事前に一切知らせず、「決定事項」として7月末に「休園」を通知しました。(3面参照)
 大津市は、今年度待機児童全国最多の184人(隠れも含めれば516人)となりました。その95%が3歳未満児であり、来年度以降も保育ニーズが高まるとしながら、3歳未満児(乳児)専門の逢坂保育園を休園(事実上の廃園)とするという甚だしい論理矛盾の政策を打ち出したのです。これに対し、休園でなく定員まで受け入れられるよう求める質問と追及を行いました。

8月議会での質問・追及

逢坂保育園は休園でなく定員まで受け入れられるように拡充を追及
 市の突然の決定に合理性がないことを追及し、逢坂保育園を休園にせず、定員まで受け入れられる保育園にするべきと求めました。特に、乳幼児専門保育園として長く伝統をもち、一人一人の発達に合わせた保育をしていることを「非効率」としていることは間違いであることを追及。答弁では「非効率」とは現状の保育を批判的にとらえていないとの弁明はしたものの、この言葉は撤回しないと極めて頑なな姿勢でした。

個人情報保護へきちんとした保護者同意を追及 一部改善へ
 保育園で使われている保育業務支援システムでは、子どもの個人情報が企業のクラウドサーバに蓄積され利活用されますが、そのデータ収集の同意は、保護者がアプリをダウンロードすることをもって同意としています。個人情報保護の観点から、保護者同意がきちんとなされていない点、データ削除や消去の検証が実際上ない点について追及。この問題は議会では私がおそらく初めて。保護者への説明文の新たな配布や他都市事例の照会などの答弁がありました。

非正規公務員の継続採用回数上限の撤廃へ検討開始!
 非正規雇用の公務員である会計年度任用職員は今や市役所職員の4割以上を占めます。不安定な身分で、しかも継続して採用する期間が3年(専門職は5年)と制限され、雇止めにつながる制度です。これについて、雇用継続を可能とする継続採用回数上限の撤廃について、「検討」との答弁を引き出しました。これは、人事院規則の改訂や総務省の通知をテコにしたものですが、昨年来、計3回の私の質問での追及の成果であると考えます。もちろん、これで会計年度任用職員の年度ごとの採用や不安定性がなくなるわけではないので、今後も地位の安定と生活できる賃金にしていくことをめざして追及します。

「災害関連死審査会」の設置へ検討開始!
 災害関連死は避難生活の疲労やストレスなどが影響して亡くなり、災害が原因と認められた事例を指します。この審査会で認定されて初めて弔慰金等の支援が受けられます。国は2019年に自治体が条例で審査会の設置を定めることを努力義務としましたが、大津市では設置されていませんでした。その中で、大津市議会で取り上げるのは私が初めてであり、「(設置の方向で)検討」との答弁で大きな成果でした。

※質疑の全文は当会ホームページに掲載しております。
 なお、公式記録ではありませんのでご了承ください。



〔3面〕
シリーズ とことん憲法生かす市政を その32
ありえない!
待機児童全国最多なのに保育園を休園!? 
逢坂保育園休園は公的保育解体への道
 ~待遇改善による保育士大幅増で、
        定員まで受け入れを~
 大津市は、7月下旬に3歳未満(乳児)保育専門の逢坂保育園を来年度から休園にすることを、決定事項として園長会や保護者に通知しました。
 大津市の今年の待機児童は全国最多で、95%が3歳未満児です。3歳未満児の受け入れを増やすことが必要なのに、その3歳未満児専門の保育園を休園にする理解しがたい方針です。

まともな説明もできない提案
 逢坂保育園は、保育士が確保されておらず70名定員のうち17名しか受け入れができていません。市は、8名の保育士一人当たり児童の数が他園に比して少ないため、それを「非効率な配置」と断定し、他園への再配置で受け入れ児童を増やすと説明。40人が受け入れ可能になると示しましたが、その根拠は8人がすべて配置基準5:1である1、2歳児を担当すれば40人というのみで、逢坂保育園の在園児17名も含まれており、本当に増やせるかシミュレーションも何もしていない机上の空論でした。このように、担当事務方もまともに説明もできないまま提案された極めて拙速でずさんな政策なのです。
 また、市は休園と言いながら、「現時点で再開園の見通しはない」(8.5京都新聞)と事実上の廃園であることを示しています。本来なら、市議会に議案として同意を求めなければならない問題なのです

事前相談なし、子どもの利益も顧みず
 第一に、当該の逢坂保育園の保育士をはじめとする職員や保護者に対しての打診や相談もなく、決定事項としていきなり通知。地元の自治連合会にも説明なしでした。この保育園には、服薬が必要な子どもも手厚い保育を受けており、その保育を信頼して預けている保護者の納得も地元の理解も得られていません。
 第二に、最も影響を受ける当事者である子どもへの視点が欠けています。子どもにとっての転園は大人の引っ越しと同じくらいのストレスがかかります。乳児保育の時期は特別な配慮のもと丁寧な保育が必要で、児童福祉法や保育所保育指針の「子どもの最善の利益を図る」ことすら考えられていません。
 第三に、保育士一人当たりの児童が少ないことを「非効率」として、事実上、「配置基準」に基づく配置を否定していることです。人間を「数」としてしか見ない人権感覚のない施策です。
 逢坂保育園では、離乳食期から幼児食にかけて食の発達に応じて12種類のスプーンを用意し、子ども一人ひとりに合わせて保育をしています。これは乳児専門の逢坂保育園ならではの保育実践で、公立・民間問わず他の保育園が目指すべき乳児保育の基準ともいうべきものです。休園はこうした実践の継承を困難にします。
 総じて、越・前市長時代からの公立保育園つぶしと株式会社保育園に保育を丸投げしていく保育政策が底流にあると思います。これが進めば、公的保育の解体へと進む危険性があります。

定員まで受け入れる充実を
 私(中川)は、今議会の一般質問で休園問題をとりあげ、休園にせず、むしろ充実させることで待機児童解消に寄与すると追及しました。70名定員まで受け入れられるようにすれば、差し引き53名の純増となります。どちらが合理的か、一目瞭然ではないでしょうか。9月26日の市議会本会議では、「再考を求める決議」を共産党と共同提案・説明し、他の一人会派も賛成討論をしましたが、少数否決でした。
 子どもの最善の利益を最優先にすることが、自治体の保育実施責任なのです。休園でなく公立保育園を充実してこそ、子育て世代が望むまちづくりであるはずです。


関係する憲法の条項
憲法第11条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。
憲法第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
憲法第25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
憲法第27条 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。



平和と市民自治 NO.32  2024年7月23日〈主な記事〉  
〔1面〕
自治体は国の下請けじゃない! 政府の指示権は廃止
待機児童解消 災害対策の充実
市民のくらしまもる
-憲法を生かし主体性ある自治体行政を-
 皆様。会ニュース32号をお届けします。
6月大津市議会は、7月3日に閉会しました。6月14日(金)には、過去最大となった大津市の待機児童問題、養護老人ホームへの市の支援策、自治体を政府の指揮下に置く地方自治法改悪に対する市の対応について質問しました。今回も多くの方に議会で傍聴、またネット視聴をしていただき大変力になりました。ありがとうございました。
 さて、6月19日、「地方自治法改悪案」が成立しました。改悪法により、個別の法律に規定がなくても政府が閣議決定だけで自治体を指揮下におき対応を指示できるとする「指示権」が創設されました。これは、憲法が保障する地方自治を壊し、自治体を国の下請け機関化するものです。今後とも、廃止を求めていきます。
 議会質問のうち、一番位置付けたのが待機児童解消です。大津市では今年、過去最大の待機児童が生じ市当局も最重要課題と位置付けています。184名の待機児童(うち0歳児6名、1~2歳児169名)、隠れ待機児童を含めると516名います。
 待機児童の95%が3歳未満児であることをみても、この問題が産休明け、育休明け保育の問題であることは間違いありません。その認識と、100名定員の公立保育園5.7園分が消滅したに等しい571名(うち0歳児108名、1~2歳児269名)もの大量の公立保育園の定員割れの改善で待機児童の解消ができること。そのための保育士の確保には、正規保育士の大量採用及び現状ではなくてはならない会計年任用職員の待遇改善(賃金改善と雇用期間制限の廃止)を求める質問でした。

6月議会での質問

公立保育園の大幅定員割れ解消で保育の充実と待機児童解消に資することについて
 市当局は、解消すべき課題と答弁したが、待機児童問題が産休・育休明け保育問題であることや公立保育園の大幅定員割れ解決が待機児童解消のポイントであることは、誰が見ても当然と思われるのに、頑として認めませんでした。
 来年度予定29名以上の正規職員採用は民間園への影響や育成面から困難と拒否し、会計年度職員の賃金改善や、3年・5年を経過すると継続雇用せず公募する制度をなくすことは、総務省マニュアルに沿ってやっていくため実施しないと明言。公募は法律上必須ではなく自治体の判断に委ねられており、全国で225の自治体が公募せず採用継続していることについては回答もありませんでした。主体性の発揮を拒否したのです。これでは自治を発揮すべき「自治体」とは言えません。

困難をかかえた高齢者が安心して暮らせる養護老人ホームに対する本市の支援について
 養護老人ホームの意義について、再質問でも「セーフティネット」という言葉を避け、独自の支援は制度上可能だが県内の均衡を維持するためしないと、またもや主体的努力を放棄する答弁に終始。ただ、第9期計画での特養等の改修の「等」に養護老人ホームが入ることを議会の場で明言させ、改修の必要性は認識していると答弁させたことは今後につながります。

自治体への指示権創設を柱とした地方自治法改正案に対する本市の対応について
 認識については国の説明を繰り返すのみで、再質問しても危機感は全くなく「閣議決定を経る手続きが必要であることから、地方自治法の本旨に反した行為がされることはない」との答弁に至っては、地方自治の本旨すら理解していないのではとの疑念がわきます。自ら国の下請け機関になるようなもので全く失望しました。
改悪法の廃止と、指示権を行使させない市民の運動が必要です。

※質疑の全文は当会ホームページに掲載しております。
 なお、公式記録ではありませんのでご了承ください。


〔2面〕声
母の日のプレゼントは…

 息子が幼稚園の時の参観に行ったとき、「母の日」にお母さんに贈る絵に皆はお母さんを描いていたのに、息子は、ねずみを一匹描いていたのです。私は、お母さんの日だよ、ねずみの日じゃないよ、と息子を見下ろして叱りました。息子は何も言わずに涙をためて私を見上げているだけでした。
 数日後、先生から聞きました。「絵を描く前に、『番ねずみのヤカちゃん』の絵本を読んだのです。ヤカちゃんねずみは泥棒を追っ払って、住んでいた家の大切な物を守ったお話です。こんな『ねずみ』が居てくれたらお母さん安心や、と『ねずみ』をプレゼントしたの、と話してくれたのです」と。
 私は息子に「なんでねずみ描いたの」と聴きませんでした。 一方的に叱りました。 息子はどんなに悔しかったか、今も心が痛みます。息子は先生に読んでもらった一冊の絵本を聞くのでなく、聴いていたのです。そしてその感動を絵で表現したのです。
 素晴らしい絵本との出会いがあることによって豊かな想像力や感性が育まれ、その出会いが人と人とのぬくもりと触れ合いの中であったなら、その感動を言葉や絵で表現でき豊かな世界がさらに大きく広がっていく、そんな思いが私を子ども達への絵本の読み語りへと駆り立てたのです。

 戦後79年、沖縄の声は政府に届きません。聴こうとする人がいません。

 今年も母の日、息子のプレゼントの「一匹のねずみ」と、いつも寄り添ってくださった「熊澤孝久先生」の「聴くが効く」の言葉をしっかりと心において、「番ねずみのヤカちゃん」を子ども達と楽しみました。    (会員 I・N)


〔3面〕
シリーズ とことん憲法生かす市政を その31
まったなしの待機児童問題 
問題は公立保育園の大幅定員割れ
  ~解消へ待遇改善で保育士大幅増を

 前年の6人から184人(隠れ待機児童含めると516人)へと過去最多を記録した待機児童の解消は、待ったなしの課題です。子どもの保育を受ける権利と、保護者(親)が子育てと仕事を両立し安心して子育てをすることができるよう保障することで、憲法に規定された諸権利(次頁参照)を生かし、ひいては少子化対策につながるからです。そのためには、公立保育園の大幅定員割れの解消を最重点に取り組むべきです。

産休・育休明け保育の問題
 待機児童問題は、0歳~2歳児が大半で、産後休暇や育児休業明け保育の問題です。昨年4月の全国の待機児童は2680人ですが、そのうち0歳児は5.8%、1・2歳児は85.1%で3歳未満児(0~2歳児)は91%を占めており、大津市でも184人のうち95%を占めています。

公立園の大幅定員割れが主要因
 では、保育園不足でしょうか?市内の公立と民間保育園の3歳未満児の施設の定員は3849人で入所児童は3301人で、待機児童が加わっても十分対応可能です。
 民間園は、全体で定員を上回る7529人を受け入れているのに対して、公立園は、全体1530人定員に対して受け入れは959人にとどまり、定員割れ人数は571人に上ります。(表1参照)100名定員の保育園、5.7園分が失われたのと同様の大幅な定員割れが生じているのです。これは今回突然生じたわけではありません。2020年からわずか4年で定員割れの人数が2倍に膨れ上がっているのです。
 3歳未満児は、定員572人に対して受け入れが0歳11人、1、2歳児184人、計195人で377人の定員割れが生じています。0歳児は定員の1割にも届かない約9%の受け入れしかできていません。1、2歳児も、現在の入所児童は定員の4割程度です。(表2参照)
 一方、3歳児以上の入所率は約80%であり、これと比較しても、3歳未満児の受け入れ数は少なすぎると言わざるをえません。よって待機児童の95%を占める3歳未満児は、公立保育園の定員割れを改善すれば、解消または大きく改善することは明らかです。

4月待たずに地域的にも改善可能
 待機児童の地域内訳は、0歳児では坂本3、雄琴・唐崎・滋賀各1の6名で0歳児の全てを、1歳児は雄琴~滋賀の6学区で57名、長等から膳所の5学区で30名、富士見から南郷の4学区で15名計102名と、1歳児の83%を占めてい
ます。
 保育園へは車での送迎が多いことから、雄琴~滋賀6学区の0歳児は、天神山、唐崎、皇子が丘、逢坂の各保育園での対応が可能ですし、1歳児も多くの方は可能となります。
 また、長等学区から南郷学区までの9学区の待機児童の95%を占める1歳児45人の多くは、朝日が丘、膳所、晴嵐、大平の各保育園で対応が可能です。
 大津市は、待機児童緊急対策として、坂本から滋賀学区向けに19名定員の小規模保育施設の設置補助金計2施設分の予算を組みました。しかし、この2施設とも応募があり、来年4月以前に開設できたとしても、合計定員38名をこえる方には対応できません。
 一方、公立保育園は、保育室や園庭や遊戯室などしっかりと保育環境が整っており、あらたに施設整備をする必要はなく、公立保育園で年度途中で保育士を確保できれば、経験年数を勘案した保育士の配置換えで4月をまたずに3歳未満児の中途募集も可能となります。

原因は政策的保育士不足
 公立保育園の大幅定員割れの原因は、施設定員まで受け入れるだけの保育士が足りていないことにあります。なぜでしょうか。全国的な傾向に加え、大津市では、越・前市長が株式会社保育園を増設するとともに公立保育園の民営化方針を打ち出し、保育士の採用を極端に抑えてきた(2020年は1名のみ!)からです。現市
長の下では採用は増えましたが十分ではありません。保育士が足りないため、経験とスキルが必要な0歳児など3歳未満児のクラスは募集すら満足に出来なかったのです。

主体性発揮し待遇改善で保育士増を
 問題は保育士の確保です。正規保育士の採用予定を増やし、募集定員25名を大きく下回る応募者(平均5名程度)しかいない会計年度任用保育士の確保に向けて、給与面などの諸条件の大幅改善を行うべきです。フルタイムで働く公立保育園の保育士の2割を占める会計年度任用保育士は、正規職員とまったく同じ仕事をして、処遇改善加算、時差加算及び地域手当込みで、勤続5年で到達する月額249,480円が最高額でこれ以上の昇級はありません。しかも連続雇用は最長5年まで。これでは応募がないのはあたりまえです。
 待機児童問題が産休明け・育児休業明け保育の問題であり、公立保育園の定員割れの改善により大きく改善することを踏まえ、本市の正規職員やフルタイム等の会計年度任用保育士確保のために、大津市は自治体としての自主性を発揮して取り組むべきです。


関係する憲法の条項
憲法第11条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。
憲法第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
憲法第25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
憲法第27条 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。



平和と市民自治 NO.31 2024年4月16日〈主な記事〉  
〔1面〕
◆介護保険料10%引き下げ実現◆
市民の運動と議会での追及が
市政を動かす
 -市民の暮らしと命を守る市政を-
 皆様。会ニュース31号をお届けします。
 3月25日に閉会した2月大津市議会で介護保険料が4月から10%引き下げられました。介護保険制度が始まって以来大津市では初めて。全国的にもあまり例を見ません。市民の運動と議会での追及を結んだ取組みが市政を動かしたのです。
 また、3月5日(火)には、大津市の避難所運営など災害対策、介護タクシー等の利用支援及び訪問介護報酬引き下げに対応する支援策について質問しました。今回も多くの方に議会で傍聴、またネット視聴をしていただき大変力になりました。ありがとうございました。


市民の運動と議会での追及の成果
 当会では、「これ以上の値上げは耐えられない」との皆さまの声をうけ、昨年10月に介護保険学習会を行い、大津市長あての「介護保険料の値上げをせず、介護利用者の生活を守る要請署名」を開始。並行して11月市議会において、私は介護保険料を引き下げよとの一般質問を行い追及しました。昨年末の市のパプリックコメントでは、当会の呼びかけに応え、多くの市民が介護保険料値下げの意見を提出。年明けには当会から739筆の署名を提出し要望。
 こうした広範な市民の声と運動に支えられた要求が市政を動かしたのです。

 
2月議会での質問

避難生活で命と尊厳が守られるより良い災害対策等について
 避難所の国際的最低基準である「スフィア基準」、内閣府の避難所運営など各種ガイドライン及び大津市の「地域防災計画」「避難所運営マニュアル」を比較検討し質問。
 浮かび上がったのは、大津市の現状の避難所運営では人間らしい生活を送ることはできないということです。
一例は、トイレ。トイレは発災当初250人に1基、その後100人に1基で「確保に努める」と努力目標で、スフィア基準の20人に1基はもとより内閣府の50人に1基にも及びません。さらに「可能な限り男女に区分」するが、女性専用トイレの割合は「未定」です。極め付きは、トイレ不足の際の「地面に素掘り設置」。到底考えられない内容です。これでは個数も安全面や衛生面でもきわめて不十分です。男女の割合の確定も含め、全面的に見直し努力目標でなく達成すべき目標を明記せよと迫りました。
 しかし、市の答弁は「必要があれば見直しを検討する」で必要性の認識もありません。実際、備蓄しているトイレも8割以上が薬剤で便を固形化する簡易トイレで、仮設トイレもしっかり施錠できず性暴力を防ぐものではないにもかかわらず、想定避難者に対する備蓄トイレ総数の割合で55人に1基あると強弁するのみ。ほかに、トイレカーの導入、居住空間や避難所冷暖房、個別避難計画など全般にわたって質問しましたが、市の答弁は、ダンボールベッドのプッシュ搬送検討を除いてゼロ回答に終始。

② 介護タクシー等の利用に対する支援について
 支援のための独自措置は拒否しましたが、私の指摘のケースもあるとして「実態把握する」という答弁を引き出しました。

③ 訪問介護報酬引き下げに対応する本市独自の支援策について
 市の独自の給付金について人材確保に効果のあることを認めながら給付金を増額しない、訪問介護報酬引き下げは国の検証を待ち、独自支援はしない、というものでした。
 しかし、これでは国の実態の検証をまっている間に事業者が立ち行かなくなり、訪問介護難民が生まれてしまい大問題です。

 以上3点の追及は問題提起です。継続的に追及し、市民・避難者の人権と尊厳をまもる災害対策をはじめ、市政を変えていきます。


〔2面〕声
「沖縄・南西諸島の今 写真展」を開催

 奄美大島から与那国島までの島々に自衛隊基地、ミサイル基地が作られ、平和でのどかな観光地が軍事の島に変えられ戦争が見えてきています。マスコミで知らされていない「沖縄・南西諸島」の現状を知ってもらえればと思い「沖縄・南西諸島の今 写真展」を3月16~17日に「平和と市民自治の会」事務所を借りて行いました。
 10時の開場とともに来場者があり、熱心に見ていただいた方々から「沖縄で軍事化が進んでいることが残念。綺麗な沖縄に基地はいらない」「石垣島など地元住民の反対を無視した基地建設は許せない。またしても沖縄を犠牲にしようとしている」などの感想が寄せられました。
 南西諸島の住民の基地反対運動の様子を描いたDVDを上映し、沖縄限定物産の販売も行い、気軽に来られた方に沖縄の基地問題を伝えることができました。遠い国の出来事ではなく、イスラエルによるガザ虐殺NO、即時停戦など、平和を求める運動を近隣の皆さんに知っていただき、ともに考えていく一歩になったと思います。(会員 保育士)


〔3面〕
シリーズ とことん憲法生かす市政を その30
地方自治法「改正」案
閣議決定ひとつで自治体を指揮下に!?
指示権 職員動員権 対面窓口廃止促進
地方自治を壊す法案は廃案!

 政府は3月1日、地方自治法「改正」案(以下、法案)を国会に提出しました。法案は第33次地方制度調査会答申(以下、答申)を受け、政府が個別法の根拠がなくても閣議決定だけでの自治体へ指示を出し指揮下における規定を創設するもので、憲法の規定する地方自治(注)を侵害するものです。また、自治体での対面窓口廃止促進につながる規定の創設もあり、とても認められません。

災害 コロナを口実に
 法案は、「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態における特例」として、政府の自治体に対する「補充的な指示」を閣議決定を経て出す「指示権」や自治体相互間の「応援の要求・指示、職員派遣のあっせん」を政府が行う「職員動員権」などの制度を創設する内容です。
 これについて、答申では、大規模な災害や感染症などで十分な対応が取れなかったことを事例に挙げています。
 しかし、答申が指摘するコロナによる死者の増大や自治体間調整ができず保健所の対応が遅れたという事態は、政府がPCR検査を抑制し臨時病院など医療の拡充をせず、自己責任の棄民政策を行なったためです。保健所の対応力不足は、1992年の852か所から2020年469か所へと保健所を半減するなど施設も職員も大幅に減らしてきたことが原因。命令直下、人員を融通していたら解決できたというたぐいの事態ではありませんでした。
 東日本大震災や熊本地震での救助や復旧が遅れたのは、90年代半ばから政府の地方行革の名の下で20年間で55万人もの自治体正規職員が削減されたことによる自治体の防災対応力の低下が原因です。今回の能登半島地震でも繰り返されている「人手が足りない」「物資を届けられない」はその表れ。政府の「強力な指示」があったとしても、それに応えられないのが自治体の現状です。

自治体版緊急事態条項
 新たに創設しようとしている「国の指示権」は、国と自治体が対等・協力の関係にあるとして機関委任事務(国の事務を自治体に委任する制度で自治体の意見は反映されない)を廃止し国の関与を制限した地方分権改革の理念に逆行するものです。
 答申では「大規模な災害や感染症」を例示していますが、法案は「指示権」「職員動員権」ともに「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態が発生し、又は発生するおそれがある場合」「地域の状況その他の当該事態に関する状況を勘案して」など曖昧な要件で指示権を認め、「緊急性」の要件を外しています。これでは、災害や感染症に限らず、基地建設・強化や原発再稼働、有事の際の動員など戦争国家と大企業の利益のために恣意的に濫用されるであろうことは想像に難くありません。
 さらに、岸田政権が今年から条文の議論に踏み込むとしている「緊急事態条項」(注)創設改憲の露払いになるもので認められません。
対面窓口廃止を推進 法案は廃案に
 また、答申では自治体のDX(デジタルトランスフォーメーション)による業務改革の最重点に「対面による紙の申請から非対面のオンラインにシフト」を挙げています。これを受けて法案では、「情報システム利用の原則」に「国と協力しその利用の最適化を図る」旨の義務が明記されました。自治体の基幹20業務の国基準化とマイナンバーカードの徹底活用で対面窓口廃止を推進するもので、対応できない市民は置き去りになり「市民生活を守る窓口業務」は縮小され、一層の職員リストラが進む危険性があります。
 この答申に対しては、昨年末に「極めて限定的かつ厳格な制度にすべき」(全国市長会長)「(非常事態対応は)個別法またはその改正等で行われるべき」(全国町村会長)との懸念や要望が発せられています。
 沖縄・辺野古新基地建設での史上初の代執行強行に続き自治体の「国の下請け機関化」につながる地方自治法の改悪法案は廃案しかありません。

(注)地方自治…明治憲法の下で戦争に突入した反省から、日本国憲法では中央集権の弊害を抑制して人権侵害を防ぐための重要なシステムとして「地方自治」を独自の章を設け、制度として手厚く保障している。憲法第8章第92条「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。」

(注)緊急事態条項…自民党の提案する改憲案のひとつ。内閣が行う緊急事態宣言中は▽国会審議なしで法律の変更、制定ができ▽予算の裏付け無しに財政支出が可能▽地方自治体の長に指示でき▽基本的人権が制限される内閣独裁体制ができあがる。

崩れる「対話」関係

元鳥取県知事・片山善博氏

 なぜ地方自治法で新たな「指示」を可能にする規定を盛り込む必要があるのか分からない。指示がなくても、自治体はコロナ対応に協力したし、東日本大震災の時も積極的に動いた。・・・国と地方の「対等な関係」が根本から崩れる懸念もある。2000年の地方分権改革で、国が指示を出すには、原則として個別法上の根拠が必要になった。しかし、改正案では政府が必要性を認めれば指示できる。国が通達で自治体を動かせた「上下関係」の時代に逆戻りしてしまう。地方自治は国から独立した団体によって運営されるべきだという憲法の趣旨にもかかわる問題だ。(3月28日付朝日新聞)



主な議案等の採決結果 議長除く37人【2月議会】

「大津市一般会計予算案」            
    …… 反対5(平和と市民自治・中川ほか)可決
「大津市国民健康保険事業特別会計予算案」    
    …… 反対5(平和と市民自治・中川ほか)可決
「大津市水道事業会計予算案」          
    …… 反対1(平和と市民自治・中川)  可決
「大津市国民健康保険料の値上げ中止を求める請願」
    …… 賛成6(平和と市民自治・中川ほか)否決
「帯状疱疹ワクチン接種の助成制度創設請願」   
     …… 賛成6(平和と市民自治・中川ほか)否決



平和と市民自治 号外30  2024年2月14日
大津市ではじめて
介護保険料、1割引き下げへ!
実現させたのは市民の力
 2月13日、大津市は介護給付費準備基金の55億円のうち37億円を投入して、今年4月から向こう3年間の介護保険料を10%引き下げる条例案を公表しました。標準保険料(第5段階)が6350円から5715円、年額7620円の引き下げです。第1段階で14.5%(年額3315円)、13段階の最高額で7.5%(年額13069円)の引き下げです。

 この介護保険料の引き下げは、平和と市民自治の会で昨年秋から市長あての介護保険料の引き下げを求める署名を集め、11月議会においては、私(中川)の一般質問で基金を活用して介護保険料を引き下げるよう求めました(詳細は「平和と市民自治」30号参照)。また、私が紹介議員となった「介護保険料理引き下げを求める請願」が賛成多数で可決されました。これは、物価高騰の中で生活に苦しむ市民の要望が大きな力になりました。
 大津市長選での佐藤市長の介護保険料1割引き下げを公約は、この力によるものだと考えています。
 さらに、今年1月22日には、私たちの集めた署名739筆を市に提出しました。この場で、大津市は介護保険料引き下げについて、「いくらかは言えないが、市長から指示があるだろう」と実質の引き下げを言明しました。

 介護保険料の引き下げは、2000年の介護保険制度開始以来、大津市では初めてです。今回の改定でも引き下げをした自治体はあまりないのではないでしょうか。他の自治体に及ぼす影響も大きいと思います。市民の声と議会活動を結んで市政を動かした実例です。

介護保険料引き下げ案
赤枠内が改定後の額です(2024~2026年度)



平和と市民自治 NO.30  2024年1月22日〈主な記事〉  
〔1面〕
介護保険料値下げへ11月議会で請願採択
介護保険料大幅値下げ実現を
  -憲法を生かす市政に-
 皆様。会ニュース30号をお届けします。
元日に能登半島地震が発生し、多くの方が犠牲になりました。ご冥福をお祈りするとともに、被災された方々へは、今後長期かつ手厚い支援が必要になってきます(3面参照)。また、自民党の裏金問題では、自民党国会議員が逮捕(1.7)されるなど金権腐敗政治が露わになっています。これを断ち切ることが必要です。
 2024年は、市政でも国政でもまさに“憲法を生かす政治”が強く求められます。

基金1億円で月額30円値下げ可能
 私は、昨年の11月大津市議会で、介護保険料の引き下げ、伊香立児童館廃止条例反対などについて一般質問を行ない、介護保険料の引き下げ請願の紹介議員として賛成討論を、議案では伊香立児童館廃止等に反対しました。
 介護保険料の値下げを求める一般質問では、3年間で1億円を投入すれば標準保険料を月額30円下げられる旨の答弁を引き出しました。現在、大津市は介護給付費準備基金を55億円もため込んでおり、過去にこの基金は、4年間9億1千万円使ったのが最大です。ならば単純計算でも、倍の余裕をみて20億円を残し、35億円を3期9年間に振り分けても、今後9年間にわたって介護保険料を月額348円、年額で4176円引き下げることが可能です。再質問の答弁でも「基金を活用することは少なくとも上昇を抑制していくこと」と答弁しており、市民の力が合わされば、必ず引き下げは可能だということが明らかになりました。

請願可決から市民の力で大幅値下げを
 市民から提出され、私が紹介議員となっていた「介護保険料を引き下げることについての請願」は、市議会で賛成多数(29対8)で可決されました。この原動力は介護保険料引き下げの市民の極めて大きい要望です。そこへ介護給付費準備基金の活用で引き下げか可能なことを私の質問等で明らかにしたことだと考えます。
 ぜひとも、大幅な介護保険料値下げを市民の力で実現しましょう。2月議会でも奮闘します。

11月議会での質問
介護保険料以外の要旨を以下掲載します
①大津市立伊香立児童館の廃止問題について
②要支援者の生活を守る福祉行政をよりよいものにすることについて
③イオン大津京店の一時休業に伴う地域住民への影響に対する対応について

大津市立伊香立児童館の廃止問題
 「児童館廃止の地元合意はあるのか」の問いに「保育園転用の理解を得ている」、利用者の説明は「議会の審査を経てから」と答弁。今議会へは、地元からは有権者の7割近くを占める署名とともに「児童館存続を求める請願」の提出を見ても児童館廃止の地元合意はないのは明らかです。まさに「ご飯論法」そのもの。また、年間4000人の利用者への説明は一切行われていません。議会で廃止条例が可決されてからでは、廃止の告知に過ぎず、説明ではありません。まさに説明責任の放棄で、市民・利用者置き去りの乱暴な行政と言わざるを得ません。

イオンスタイル大津京店の一時休業に伴う
 買い物難民等の地域住民への影響
 8月以降も、市から事業者に定期的に状況を確認し、市民の意見等を伝えているとのこと。住民説明会は行われる予定であり、仮店舗については事業者が対応することであるが要望は伝えていく、との答弁でした。私からは、事業者へ要望を伝達する立場では極めて不十分で地域社会への影響を最小限にとどめるために行政として動くことを強く求めました。

要支援者の生活を守る福祉行政をさらに
 よりよいものにすることについて
 「精神障害者の障害者加算」の取り扱いについて質問。精神障害者保健福祉手帳と年金の等級の関係で、年金の裁定の間、支給漏れがあるのではとの指摘については、取り扱い変更をした2年前から調査し対応すると回答。また、加算についての現行制度の不備の指摘については厚生労働省に照会をするとの回答で、一定前向きと感じました。また、生活保護ケースワーカーの増員については、配置基準数(1人あたり80ケース)を満たすためにはあと9人増員が必要で、全市的な人員配置計画の中で対応するというこれまでと同じ回答でした。さらに、社会福祉士などとの対応や協議の場の設置を求めました。


〔2面〕
ガザ攻撃、即時中止すべき!

 1990年に初めてパレスチナを訪れた。難民キャンプや村々で、私が日本から来たと分かると、子どもたちが、はにかみながら「ヒロシマ、ナガサキ!」と声を掛けてくれ、びっくりした。イスラエルの占領下、パレスチナの小さな旗をかざすだけでイスラエル兵に銃殺される厳しい状況下だ。その後、何度か訪問している。パレスチナ自治政府になって、エレツの軍事検問所を通ってガザに入った途端、パレスチナの旗が翻っていることに大変感動した。そして、初めて自分たちの教科書を創るんだと検討していて、「日本の憲法第9条、非武装で平和を守っていることをのせるんだ」と熱く語ってくれた。ガザに聴覚言語障害児の学校がある。攻撃されて、「逃げろ!」と声を掛けられても聴こえない。爆弾が着弾して、その揺れで初めて攻撃されたことを知る。先生方は生徒一人一人を訪ねて手話で安否を確認していく。ある村を訪問していた時、イスラエル軍の軍用ヘリコプターが頭上を旋回し始めた。長老がヘリコプターが来たのは今晩イスラエル軍がこの村を攻撃する前兆なので、外国人は村から出て、この状況を国際社会に伝えて欲しい。そして、あなた方とあなた方の家族の平安を祈ると。私は恐怖と申し訳なさで涙を流しながら村を後にした。
 あの人懐こい子どもたち、熱く語ってくれた青年たち、手話で物語を語ってくれた子どもたち、そして、あの長老と村はどうなっているのかと思う度、胸が張り裂ける痛みが走る。イスラエル軍の激しい空爆下、知っているパレスチナ人に『生き延びて』とメ―ルをしたが、返事はまだない。
 私は、パレスチナはパレスチナ人の土地であり、シオニズム・イスラエルの土地ではない。ハマスの10・7は「パレスチナ抵抗運動の10・7蜂起」でレジスタンスだと考えている。         (会員K・K)


〔3面〕
シリーズ とことん憲法生かす市政を その29
能登半島地震 自治体まかせでなく国の責任で
「スフィア基準」に基づく
  避難所整備・被災者支援を
大津市でも避難所整備などの充実を

 元日の能登半島地震は、死者が220人(1/13現在)を超える大災害となりました。亡くなられた方のご冥福をお祈りし、現地で救援活動にあたられている消防や水道、医療をはじめとした皆さまに敬意を表します。

国中心の災害支援への転換が必要
 今後、被災者の方々への支援が長期にわたって必要となってきます。その際、中越地震、東日本大震災や熊本地震で繰返し指摘されてきた「物資が行き届かない」「人手が足りない」「劣悪な避難所環境」が、繰り返されないようにしなければなりません。
 しかし、これは県や市町村という自治体の力だけでは到底不可能です。欧米のように国中心の災害支援への転換が必要です。
 よく知られている事実としては、2009年に発生し約63000人が家を失ったイタリアのラクイラ地震では仮設トイレが発災当日に届き、暖かい夕食が当日夜に供与されました。簡易ベッド、シーツ、枕と毛布が、冷暖房付きのテントと一緒に翌日までに準備されました。これは、イタリアが自治体中心の災害対策から市民保護の国家機関を設立し、国が直接関与する体制に移行させ、スフィア基準(「人道憲章と人道対応に関する最低基準」)に基づく避難所の市民保護が行なわれているからです。市民保護省が設立されてからは災害関連死が直接死を上回ることは無くなっています。

避難所で人権守る最低基準
 国際赤十字などで定められたスフィア基準とは、発展途上国を含めた全世界の災害被災者および難民の人権を守るための避難所の最低基準です。これは単なる避難所のガイドラインではなく、正式名称にあるように「最低基準」なのです。最低基準とは、経済的に困窮している発展途上国においても守らなければならない基準であり、先進国では当たり前のものであるはずです。
 しかし、残念ながら日本はそうなってはいません。内閣府の「避難所運営ガイドライン」(2016/4月)では、スフィア基準は、「『避難所の質の向上』を考えるとき参考にすべき国際基準」と紹介しているだけです。2019年の国会で、イタリアのような防災体制の必要性を問われた安倍首相(当時)は、「最近の大規模災害に際しても十分な機能を果たしたものと認識しており、新たに統一的な組織を設置する必要性は低い」と否定。避難生活も生活再建も自治体と市民の「自己責任」が原則という姿勢は今日も同じです。
 この基準からすると、日本の体育館などの避難所が、国連が定めている難民キャンプ開設の際の水準を大幅に下回っていることになります。自治体任せにせず、避難者を含めたすべての個人が豊かな生活を送れるよう保障することこそ国家の責務でありそこに存在意義があると思います。

スフィア基準の一例 -------------
世帯ごとに十分に覆いのある生活空間を確保する/1人あたり3.5平方メートルの広さで、覆いのある空間を確保する/最適な快適温度、換気と保護を提供する/トイレは20人に1つ以上。男女別で使えること(トイレの数は男女の数が1対1なら1対3にしなければならない)など。

軍事費倍増より被災者支援を
 東日本大震災の復興予算として2011~2016年度に支出された31兆円のうち、直接被災者の手に届いた生活支援予算はわずか約1兆円のみでした。この状況の下で、防衛費(軍事費)に年間5兆円も増額するなどもってのほかで、この税金を市民生活や災害対策に回せば、イタリアのような枠組みは可能と思います。「避難所だから仕方ない」ではなく、「避難所だから生活と人権が保障される」ようにしなければと思います。

体育館冷暖房整備など急げ
 大津市は、小中学校体育館の冷暖房整備を来年度から各1校ずつ行なうとしていますが、大規模災害を想定し加速させなければなりません。自治体の大きな課題として避難所をはじめとした整備を進めると同時に、国に対して避難所整備や被災者支援に大幅な財政出動を求めることが必要です。



主な議案等の採決結果 議長除く37人【11月議会】

「大津市児童福祉施設条例一部改正(伊香立児童館廃止)条例の制定」
反対1(平和と市民自治 中川) 可決

「市長など特別職及び市議会議員の期末手当引き上げの条例改正」
反対31(平和と市民自治・中川ほか反対多数/市民ネットのみ賛成)否決

「介護保険給付準備基金55億円を活用し介護保険料の引き下げを求める請願」
賛成29(平和と市民自治・中川ほか賛成多数/市民ネット、協生会、参政会は反対)可決

「ガザ地区への攻撃の早期収束と人道状況の改善に向けた外交努力を求める決議」
全会派一致で可決



平和と市民自治 NO.29  2023年10月24日〈主な記事〉  
〔1面〕
介護保険改悪と保険料値上げ
やめさせよう
介護利用者の生活まもり、行き届いた支援を
 皆様。会ニュース29号をお届けします。
 8月大津市議会が10月11日(水)に終りました。9月8日(金)には伊香立児童館廃止問題や市民病院問題などについて一般質問、採決では2議案(入札情報漏えい疑惑のある北部クリーンセンターの工事請負契約及びお産再開を事実上断念する市民病院の中期計画変更)に反対しました。今回も多くの方に議会で傍聴、またネット視聴をしていただき大変力になりました。ありがとうございました。詳しくは2面・3面をご覧下さい。

来年の介護保険料の値上げはストップを
 現在、全国の自治体で来年4月の介護保険料改訂へ向けての検討作業が行われています。高齢化が進む中で介護を必要とする方は増加し介護給付費は増え、政府や自治体の財源を増やさない限り介護保険料は値上げされてしまいます。すでに、介護保険発足時の2000年から全国平均で2倍以上になっています。
 現在、大津市の介護保険料の基準額は月6350円ですが、このままでは保険料がさらに上がることになります。市民税が課税されている方で所得が100万円未満の方でも、年間86106円と実に所得の約1割が保険料なのです。年金は上がらず物価は次々と上がる中で、多くの方にとって介護保険料の負担は限界に来ています。来年度の次回改定では保険料は引き下げ、少なくとも据え置きが必要です。

介護保険改悪は生活破綻を招く
 政府は介護利用料を利用世帯の9割をしめる「負担割合1割」を「2割」に増やそうと検討しています。今でも「自己負担が高くて利用を控えている」という声が多いのが実態です。「介護保険料の値上げ」「自己負担が2倍」になれば介護サービスを利用できなくなり状態悪化・重度化をもたらし、生活破綻につながります。
 市民に行き届いた介護支援を保障し、人としての尊厳を守るためにも、国に対してこれ以上の改悪をしないように大津市から政府に要請することが必要です。

署名にご協力を
 会では、新たに大津市長あての「介護保険料の値上げをせず、介護利用者の生活を守る要請署名」を始めました。ぜひ、ご協力をお願いします。

 「要介護2」で年間24万円の負担増(47万円へ) ↓

※署名用紙はこちら ➡介護保険料の値上げをせず介護利用者の生活を守る署名


〔2面〕
市民は認めないクリーンセンターの解体契約 
                    【中川てつや後援会長 下村 勉】

 14億円を越える「北部クリーンセンター解体工事の請負契約」が大きな疑惑をはらんだまま、9月28日の大津市議会で可決承認された。これに反対したのは、中川哲也議員だけだった。
 疑惑の中心は、この工事の入札に際して大津市当局が予定していた最低制限価格14億4756万5000円に対してA社が14億4756万6000円で応札したことだった。その差はわずか1000円。このような近似差で落札者が決まることは不自然である。多くの人が「市の極秘情報が漏洩していたのではないか」と考える。この入札には、A社などゼネコン6社が参加し、14億440万円から14億5000万円までさまざまな金額を提示した。その中でA社は最低制限価格にあたかも1000円の上積みをした形になっている。極秘のはずの最低制限価格にこれほど接近することは神業に近い。
 入札直後に「漏洩」を告発する文書が市議会議員の多くに送付され、一人のジャーナリストが警察に告発の情報提供を行った。しかし、市当局もA社も「漏洩の事実はなかった」として、この入札結果に基づく請負契約を結ぶことになり、市議会に承認を求めた。
 警察や検察と違って市当局や市議会には強制的な捜査権はない。入札に関わった当事者たちが「漏洩はない」と表明すれば、これを突き崩す証拠を挙げることは困難だ。「証拠がないから不法な入札ではない」となるのかもしれない。だが、このような疑惑に満ちた契約を市民感覚で受け入れることはできない。14億円もの工事が市民の血税で行われるのだ。市当局も市議会ももっと慎重でなければならない。議員は市民の立場に立って自由に賛否を表明する権限を持っている。もし、中川議員のように「賛成するに至らない」と考える議員が多数を占めたら、契約は成立しなかった、と考えるともどかしい。


〔3面〕
シリーズ とことん憲法生かす市政を その28
8月市議会報告
憲法生かす立場で質問、討論
伊香立児童館廃止問題、市民サービス、市民病院問題など

9月8日(金)、大津市議会で以下の4点について質問しました。4点目は、残念ながら時間切れとなり、中途で打ち切られました。質問と答弁の全文は、会のホームページで読めます。

① 大津市立伊香立児童館の廃止問題について
② 自治体情報システムの標準化にあたって市民サービスの低下を招かないようにすることについて
③ 大津市民病院中期計画の変更について
④ 健康保険証廃止にかかる大津市の姿勢について


大津市立伊香立児童館の廃止問題
 児童館の所在する地元の方や利用者からの相談を受け、6月から調査していた問題です。この中で、大津市の市民・利用者不在の事業の進め方が明らかになりました。答弁に納得がいかず、35分以上再々質問を含めて時間を取りました。
 この中で、「地元の合意を得た」というのは自治会役員の合意であったということが明確になりました。4000人の利用者がいる児童館を廃止するのに、利用者に説明もせずアンケートも取らない手法は異常です。決めたら何が何でも押し通す市民無視の姿勢だと思います。市として、児童館活動を縮小する予定はないどころか、昨年度は厚生労働省の補助金を活用して活動を充実したと実績を報告しています。その中で、伊香立児童館の果してきた役割と意義も語らず、市の都合だけで進め地元からの反対の声も聞かない市政は容認できません。11月議会に廃止条例が提案される予定ですが反対の立場で追及を続けます。

自治体情報システムの標準化で市民サービス低下を招かないこと
 2025(令和7)年度末までに、戸籍関係、市税、生活保護等福祉関係、教育子育てなど自治体の20の基幹業務を、ガバメントクラウドを活用した国が示す標準システムに移行することが法律で義務付けられました。国の用意するシステムは標準であり、このままでは、国の定めるサービスを上回るものは切り捨てられる危険性があります。市の各課に聴取したところ「サービスは後退させたくない」と言っているのに、執行部答弁では「慎重に検討」としか言いません。また、国の政策なのに、市の持ち出し額がなんと約24億円!市民の負担になります。これは必ず全額国庫負担が必要です。

市民病院中期計画の変更~事実上、お産を再開しないことを表明
 大津市は市民病院中期計画に「分べんについては機能分担の推進や分べん取り扱い施設の集約化の観点があることを踏まえ、地域の専門医療機関と協議を進めながら機能分化を進める」を加える議案が提出されました。これは、事実上分べん再開をしないことを表明したことになります。また、「政府のガイドラインが策定されなければ、中期計画の変更の認可申請はなかった」と答弁。地域医療構想を進める政府の医療削減政策が元凶であることも明らかになりました。今後、「中期計画」の指針となる「中期目標」で明確に打ち出させないよう取り組みを強めます。

討論
 9月28日(木)の一般議案採決では、下記の2議案(関連記事2面)に反対し討論を行いました。また、インボイス制度反対、保険証廃止反対、汚染水海洋放出の中止などの請願や意見書案に賛成しましたが、いずれも賛成少数で否決でした。
 10月11日(水)の昨年度決算議案の採決では、市民に寄り添った市政でなかったため、一般会計や水道民営化に道を開く株式会社によるPFI事業を進める水道事業会計等の決算に反対討論を行いました。

◆採決結果 議長除く37人

「工事請負契約の締結について(北部クリーンセンター解体撤去工事)」
反対1(平和と市民自治 中川) 可決

「大津市民病院中期計画の変更を認可することについて」
反対5(平和と市民自治 中川、共産党) 可決


平和と市民自治 NO.28  2023年7月23日
〔1面〕
国民皆保険制度に穴をあける
来年秋の健康保険証廃止やめさせよう
マイナンバーカードの強制反対!
 皆様。会ニュース28号をお届けします。
6月大津市議会が7月6日(木)に終りました。6月20日(火)には持ち時間(1時間)をフルに使って初質問、最終日には請願や意見書の賛成討論を行ないました。多くの方に直接議会で傍聴、またネット視聴をしていただき、大変力になりました。ありがとうございました。詳しくは3面をご覧下さい。

 さて、来年秋の健康保険証の廃止を柱としたマイナンバー「改正法」の成立後、大混乱が堰を切ったようにあふれ出しています。
 証明書コンビニ交付での誤発行、マイナポイントの他人への誤交付、 公金口座の誤登録、マイナ保険証使用で無効と表示され医療費「10割負担」の事例が約1300件、他人の情報のひも付け事例は7300件超と、きりがなく、しかもそれは氷山の一角です。

場当たり的な政府の対応
6.29 厚生労働省 「無保険扱い」を防ぐため、医療機関に従来の保険証も一緒に持参するよう呼びかけ
6.30 厚生労働省第165回社会保障審議会医療保険部会
「カードで閲覧した薬剤情報等を活用する際も、丁寧な問診やお薬手帳による確認等により、本人であることや実際の薬剤の服用状況等確認すること」を求める。
7.5 厚生労働省 マイナ保険証を持っていない方へ「資格確認書」申請なくても交付へ検討開始

 一連の対応は、厚生労働省自体がマイナ保険証のシステムを信用していないことを示しています。また、「資格確認書」(健康保険加入資格証明書)の交付は、マイナ保険証利用登録者が6400万人であるため、少なくとも数千万人に発行する必要があります。まさに税金の無駄遣いであり、これなら保険証継続でこと足ります。
 また、各地で問題になっているのが、高齢者施設での申請や管理。12桁のマイナンバーと4桁の暗証番号がわかれば、ひもづけされた29項目の個人情報がいとも簡単にマイナポータルで見れてしまいます。情報漏えいや犯罪につながりかねない問題であり、カードやマイナンバー、暗証番号の管理と責任の所在は今のままではすべて施設の責任に帰されてしまいます。
 これに対し政府は、
7.4 総務省 暗証番号の設定なしでカード交付を可能とする方針発表。
 このカードは、保険証として利用するだけで「マイナポータル」や、住民票など証明書のコンビニ交付など、暗証番号が必要なサービスは利用できないそうです。使えないのならカードを持つ意味はありません。これなら現行の保険証の継続で良いはずです。

カードを持たせることが狙い
 現場からは「認知症の方にまでカードを持たせる必要がどこにあるのか」と怒りの声が出ています。改正法提出以前から指摘されていたこうした問題を放置したまま、施設や自治体などの現場に責任を丸投げして済ますような対応は許されません。「よりよい医療」のかけ声はウソで、カードを持たせることが政府の目的になっているのは本末転倒です。こんなむちゃくちゃなデジタル化が、豊かな社会の実現につながるわけはありません。
 この間の政府方針はいずれも場当たり的な対応です。マイナカードの大混乱は極めて重大な事故や個人情報の漏洩です。カードの強制と来年秋の健康保険証廃止をやめさせましょう!


〔2面〕
違法行為追及に返答に窮す防衛省 【事務局 峯本】

 6月23日、ZENKO主催の防衛省交渉に参加しました。交渉は要請団8人で行いました。対する防衛省側は若い官僚ら14人がずらりと並びました。
 事前に提出していた請願項目7項目と質問事項12点について担当者が口早に回答文書を読み上げることから始まりましたが、答えになっておらず、「沖縄の基地の負担軽減に取り組む」「遺骨の問題は大変重要」などの言葉は挟むものの、結論は「安全保障環境は複雑で戦後最も厳しい。抑止力を強化する必要がある」というものでした。米国を経由した日本企業のウクライナへの火薬調達問題では「民間企業のこと。報道は知っている」と、まるで関係ないと言わんばかりです。
 5月末、地元自治体への連絡なしにオスプレイが飛来した横浜ノースドックの件で「なぜ連絡がないのか?」と問いただすと、日米地位協定を盾に「適切に行っている。米側から事前連絡があった時は情報提供している」と繰り返すのみ。横浜在住の参加者は「オスプレイは、高度200mを切る低空飛行やローターの垂直モードへの切り替えが基地外の上空で行われるなど数々の違反行為が地元の監視活動で明らかにされている。市長もきちんと手続きを取ってほしいと言っている。どう対応するのか?」と厳しく質しましたが、防衛省は何も答えられませんでした。
 琉球弧軍事化でも、石垣島のPAC3展開の際、銃を持った自衛隊員が警戒し住民に恐怖を与えたことについて「どう対応したのか?」と問うと答弁不能に。沖縄「慰霊の日」に交渉した意味は大きいと感じました。


〔3面〕
シリーズ とことん憲法生かす市政を その27
6月市議会報告
憲法生かす立場で初質問&討論
お産の再開・高齢者の外出支援・会計年度任用職員の待遇改善

6月20日(火)、大津市議会で以下の3点について、初質問に臨みました。持ち時間の1時間をフルに使っての質問となりました。

① 地方独立行政法人市立大津市民病院において市民が必要とする「お産」を再開すること及び新生児医療を継続することについて
② 高齢者の外出支援施策について
③ 児童館や保育園などの有資格者の会計年度任用職員の待遇改善について

以上の3点を質問しました。答弁は予想通りの全くのゼロ回答でしたが、再質問と再々質問も行ない、その中で問題点も浮かび上がってきました。

「お産」を再開することについて
 ①市はお産の再開の可否は正式には決定されていないとしつつ、「県における機能分担の推進や分娩取扱い施設の集約化の観点からは、市民病院における出産にかかる医療提供体制の確保は難しい状況にあり、さらに、来年4月から医師の働き方改革が始まる中で、再開を目指すことは現実的ではないと認識」との答弁でした。 答弁全体について、市の姿勢として「まず別法人の市民病院が判断すること」としており、市民病院の判断を隠れ蓑にしていると感じました。地方独立行政法人法によれば、設立団体(大津市)が目標を決定して独法(市民病院)に示すことになっています。まず市の方針があるはずなのに、それを明らかにしません。市のガバナンス(統制)の観点が極めて不明瞭かつ曖昧で、いわゆる無責任体制になっていると感じます。独法になれば、このように議会の関与が極めてしにくい構造となってしまいます。
 今後も、お産の再開と新生児医療の継続へ取り組みを続け、市の直営化への道をひらいていきたいと思います。

高齢者の外出支援について
 ②高齢者の外出支援の個別施策はしないという答弁でしたが、再質問の中で「高齢者の移動者の確保というのは当然ながら課題としては認識」としながら、大事なのは「フレイル(加齢による心身機能の虚弱化)予防をして、身体機能の維持向上を図って、駅まで歩けるようにする」ことだと言うのです。
 これは、高齢化社会の重要な課題を自己責任論にすりかえるとんでもない論法です。仮にこれが本当に市の執行部の認識だとしたら大問題と感じています。今後とも追及していきます。

会計年度任用職員の待遇改善
 ③児童館の会計年度職員の待遇は問題ないと答弁。質問趣旨で、生活できない給料水準を問題にしているのに、給料や雇用安定などの面には絶対言及しないという執行部の確認の下で、かみ合わないのを承知でひどい答弁をしたのだと思います。時給1100円や1300円の不安定雇用で、大津市が貧困を再生産している現実を変えなければなりません。今後とも追及していきます。

討論
 7月6日(木)の最終日には、「給食費の保護者負担の無償化を求める請願」、マイナ保険証に反対する「改正マイナンバー法の廃止を求める意見書」及び「出入国管理及び難民認定改正法の廃止を求める意見書」への賛成討論を行ないました。残念ながら、いずれも賛成少数で否決となりました。

◆採決結果 議長除く37人

給食費の保護者負担の無償化を求める請願
賛成7(平和と市民自治、共産党、清正会、参政会) 不採択

改正マイナンバー法の廃止を求める意見書
賛成6(平和と市民自治、共産党、参政会) 否決

出入国管理及び難民認定改正法の廃止を求める意見書
賛成5(平和と市民自治、共産党) 否決


市議会で発言する中川てつや ↓

平和と市民自治 NO.27  2023年5月23日

大津市議選で初当選 たくさんのご支持をいただきました
とことん憲法をいかす
市政をつくるため
4年間全力を尽くします
 皆様。会ニュース27号をお届けします。
 先の大津市議選(4月23日投開票)では、多くの皆さまにご支持いただき2002票をいただいて2度目の挑戦で初当選(定数38人中31番目 立候補47人)することができました。
 選挙に際しては、市内全域で多くの方から期待や要望の声をいただきました。

▶「市民病院を良くするために議会で頑張って欲しい」
▶「先日転倒し、通院の医療費とタクシー代で思わぬ出費。生活の不安感で一杯。高齢者医療や交通機関利用の補助が1日も早く実施されることを望んでいます」
▶「不登校生徒への県外進学助成の拡大と経費の入学前手渡しなど、生活者のことを考えた制度を」
▶「返さなくて良い奨学金があると、これからの学生は希望がもてる」
▶「医療費や給食費の無料化は、どの親も望んでいる。なんとか実現して欲しい」
▶「災害が起これば結局、地域の助け合いが必要。その地域の防災体制を地域でできるよう行政の柔軟な援助を」

 本当に、どれもこれも切実な声です。これらの皆さまの声を胸に刻んで、実現するようこれから4年間「市民派議員」として頑張ってまいります。

議会は市民のためにある
 5月1日(月)から大津市議として向こう4年間の任期が始まりました。初日に新人議員の「ひと言抱負」の動画撮りがありました。私は「議会は議員のためにあるのではなく市民のためにあります。これを肝に銘じて頑張ります!」と述べました。
 これは、これまで私が大津市や滋賀県をはじめ県内各地の議会に要請や請願してきて「本来、自治体議会は市民の命と生活をまもるためにあるはずなのに、市民にほど遠い存在になっている。言外に『市民は口を出さず議員に任せておけ』という態度を感じさせる方もおり、議員のための議会になっているのではないか」と感じてきました。
 私は、議員は選挙で選ばれるのだから、議員とは、言わば市民の声が市議会に投影された姿であると思っています。それを肝に銘じ憲法をいかす市政をつくる立場でしっかりと取り組んでいきたいと考えています。




シリーズ とことん憲法生かす市政を その26

何にでも使える政務活動費廃止で
約1億3千万円 (年84万円×38人×4年間)

議員の第二給与というべき
政務活動費を廃止し
浮いた財源を市民生活に使うべきです


政務活動費って何?
 皆さん。私的流用など、ずさんさがたびたび指摘される政務活動費って知っていますか?
 地方自治法によれば「その議会の議員の調査研究その他の活動に資するため必要な経費」として議員報酬とは別に支給できる費用で、「政党活動、選挙活動、後援会活動及び私人の活動以外」(衆議院総務委員会2012.8.7答弁)とあり、ほぼ全ての費目において支出可能です。しかも、この政務活動費は税法上非課税扱いとなっています。
 議員一人当たりの政務活動費は関西圏では702万円の大阪府がトップで、2020年度の民間平均給与433万円(国税庁「民間給与実態統計調査」)の1.6倍で常識を超える額です。47都道府県と全ての政令市および中核市は政務活動費を支出しており、その合計は176億4千万円にのぼります。その中には、夫婦の思い出旅行を「視察」と称して支出したり、妻の車の費用に充てたりと市民を馬鹿にした私用も多く報道されています。


政務活動費は二重支出
 そもそも、議員の職務からして報酬とは別の政務活動費は必要ないと考えます。
 議員報酬は、議員の職務に対する対価で、その職務は住民の直接選挙によって選出される住民の代表者として議会の権能を遂行することで、具体的には自治体の政策形成にかかわる調査・企画・立案、議会での審議決定と言えます。ならば、調査活動等は議員本来の職務であって、その対価である議員報酬のほかに支給する政務活動費は議員に対する不要な二重支出なのです。


泉南市議会では廃止
 議員報酬のように政務活動費が本来必要なら、すべての自治体で支給されねばなりませんが、全国市議会議長会と全国町村議会議長会によると、市では2割、町村では8割が支給していません。2015年には大阪府泉南市議会は政務活動費を全会一致で廃止しました。
 また、支給のない自治体議員でも、政務活動費を返上している議員でも、精力的に調査活動を行っている市民派議員は少なくありません。


この財源でできる施策がある
 大津市は、月額7万円で年額84万円。大阪に比べると少ないというものの、滋賀県内では滋賀県をのぞく自治体中、最高額で、1年の費用は議員38人分で3192万円にも上ります。これを廃止もしくは議員が請求しなければその財源を市民生活にまわせます。
 例えば、この財源だけで以下ことが実現できます。


平和と市民自治  2022年冬期特別号(12/15)



平和と市民自治 NO.26  2022年11月1日

市民の命と健康にかかわることは公営、市直営で
市民病院を市直営に
 ➡お産も手術も救急も高度医療もできる
将来もずっと水道は公営で
  ※浄水場維持管理が民営へ

大津市民病院の医療危機とは
 2017年4月に、大津市民病院を赤字を理由に独立行政法人とし実質民営化したことに起因します。市直営の時は一度も問題が起きていなかったにもかかわらず、その後の5年間で産婦人科や救急部門の医師の大量退職でお産ができなくなり、一時救急医療も危機に瀕し(2019年6月)、今年の外科・泌尿器科、脳神経外科などの医師の大量退職など2度の医療危機をひきおこしています。
 この医療危機の根本原因は、病院を独立採算の実質民営化の独立行政法人にして医療の現場に「生産性」概念を持ちこみ効率化と経営を優先する路線の弊害です。これらは不採算となる診療科目の縮小や撤退を招きます。

根本原因は経営優先の独法化(民営化)
 2017年4月に、直営の大津市民病院を、赤字を理由に独立行政法人とし実質民営化。
 今回の医療危機の根本原因は、実質民営化の独立行政法人にして医療の現場に「生産性」概念を持ちこみ、市民の健康をまもる自治体病院の責務より、効率化と経営を優先する路線の弊害です。
 本来、市民の命をまもる医療は経済的な効率性とは相容れません。特に、民間で担うことは困難と言われ自治体病院が担ってきた「救急、周産期医療、小児医療、災害医療、高度医療」は不採算部門と言われており、独立採算の独立行政法人にしたからと言って黒字に転換することは困難です。
 そのため独立行政法人病院は、「かせぐ医療」の追求をせざるを得なくなります。その弊害の典型例が、政府の医療費削減政策に忠実に従った大津市民病院の医療危機なのです。

滋賀県立3病院も独法化を検討
 滋賀県も、経営効率化を理由に、滋賀県立総合病院、滋賀県立小児保健医療センター、滋賀県立精神医療センターの3病院について地方独立行政法人化を検討しています。独法化されれば、市民病院と同じ医療危機をもたらす可能性があります。

かせぐノルマより、医療水準の向上を
 大津市民病院の運営方針は、「かせぐ医療」の方向が明確です。「黒字化」「経営改善」のオンパレードで、経営の効率化の項目は「労働生産性の向上」を挙げ、医師1人1日当たりの診療収入目標というノルマを設定(2024年度目標は医師一人当たり28.14万円以上)。
 一方、多くの市民の願いであるお産の取り扱い再開は予定されていません。これでは、大津市が掲げる「子育て支援 安心して子育てできる支援の充実」は、看板倒れと言わざるを得ません。

診療が再開できたら、それで良いのか
 現在は、各診療科とも外部の非常勤医師を招いて診療を再開していますが、それで良いはずはありません。これは構造的な問題であり、放置しておけば何度でも繰り返す可能性があります。
 解決は、市の直営に戻すことです。また、当面は公共性のガバナンス(統制)を強めることです。市民の命と健康をまもるため、病院設置者として儲け主義に走らせないことです。また、そのために運営負担金(大津市からの補助金)の増額や分べんの再開をはじめとした市民の要望に応える措置が必要です。

浄水場運転維持管理が民営の方向へ!?
 大津市は、真野、新瀬田浄水場の施設更新とすべての浄水場と屋外施設の運転維持管理を民間事業者に委ねる計画を発表。これは、ただちに水道の民営化になるわけではありませんが、近い将来の“命の水”水道民営化への一里塚になります。詳しくは3面をご覧下さい。



シリーズ とことん憲法生かす市政を その25

"命の水" 水道民営化への一里塚

市浄水場など
水道施設運転管理が民営に

 大津市は、真野、新瀬田浄水場の施設更新とすべての浄水場と屋外施設の運転維持管理を民間事業者に委ねることを決定。8月議会では、条例改正(PFI事業のための運営事業審査会設置)と補正予算で企業会計に債務負担行為(複数年にわたる契約での予算支出を保証すること)を追加提案し、議会で賛成多数で可決されました。

事業の概要は以下(22.10.14付公告)
▶ 真野・新瀬田浄水場更新改良及び水道施設運転維持管理事業
▶ 2022年~2038年度まで(応募、新会社設立、事業開始2024.4から15年間)予定事業費326億1748万円
▶ 公募型プロポーザル方式による選定 22.12.16参加表明書等締切 2023.6.2提案書締切り 同年7月決定
▶ 事業方式 PFI法による特定事業。選定された民間事業者が株式会社を設立し実施する。


質が高く経費も安い? そんなうまい話があるわけない
 大津市の採用するPFI(Private-Finance-Initiativeプライベート・ファイナンス・イニシアチブ)は、民間の資金と技術力を活用して安く公共事業を行なうとされているもので、近年、特に政府が上下水道事業に導入を推進しているものです。これは、公共の民営化を強力に推進したサッチャー政権下のイギリスで1992年に導入された手法で、国際的には民営化の一手法とみなされています。
 大津市の事業目的でも、「民間事業者が有する技術力やノウハウを最大限活用することに加え、本市水道事業会計の財政負担を抑制し」とあります。「自治体が行なうより安くて質も維持できる」というのが「売り」ですが、そんなうまい話があるのでしょうか。


人件費削減で「安かろう悪かろう」の危険
 下表を見てください。自治体で行なうときは、人件費と物的経費だけです。物的経費は民間事業者でも同じだけかかります。そのうえで、自治体事業より安くした上で利益をだす必要があります。そうなるとターゲットは主に人件費の圧縮です。
 大津市PFIでも、運営する株式会社を設立して事業を行ないます。当然利益がないとやっていけません。非正規雇用労働者が主になり、もしかすると物的経費も削減するのかも知れません。配置基準以下の保育士で子どもの事故を起した株式会社保育園などの例が頭をよぎります。
 公共サービスで、質も高くて経費も安いなどはありません。経費を削減すれば質が落ち、質を維持しようとすれば経費は容易に減りません。


市の運転ノウハウはなくなり民営化へ
 ~市営ガス民営化と同じ道
 市の水道すべての屋外施設の運転管理を民間会社が15年も行なうと、市の技術者はいらなくなり運転管理のノウハウもなくなります。会社による運転管理が適正かどうかを監視することもできなくなります。そして、民営化するしかないという結論が容易に想定されます。そうであれば、市が自ら技術者を減らしておいて管理する技術者がいなくなったことを口実に、西日本一安い大津市営ガスを大阪ガスに身売りして民営化したときと同じで極めてこそくな手法です。


“命の水” 水道民営化にストップを!
 自治体がやっても企業がやっても水道事業は一緒ちがうの?ちがうんです。なぜ、水道法はその事業を市町村等しかできないとしてきたのでしょうか。それは、水は人間の生存に不可欠であり、採算性を後回しにしても設備を整備し水質を確保した安価で豊富な水の供給を保障しなければならないからです。「料金」や「水質」など大きな問題を世界各国で起してきた水道民営化につながる動きを監視し、反対しましょう。

 

平和と市民自治  2022年秋期特別号



平和と市民自治 号外29  2022年8月29日

とことん憲法を生かす市政を
 弔意の強制・内心の自由侵す
 憲法違反、35億円税金支出
安倍元首相の国葬の中止を
安倍元首相の国葬は、安倍氏の「森友」「加計」「桜を見る会」など数々の疑惑にフタをし、改憲を進めた政治を礼賛するともに国民に「弔意」を強制するもので、内心の自由を保障する憲法に違反します。これに、2億5千万円、外国要人などの警備を入れると35億円以上の税金を使うとのこと。もってのほかです。

コロナ第7波 感染と死者 過去最大に拡大
症状ある方の
大規模検査場設置と臨時病床の増設を
コロナ第7波でも、症状があっても検査を受けられない、入院が必要な方が入院できず必要な医療を受けられない事態を繰り返しています。その結果、死者が増大。8月はたった23日間だけで5000人を超える死者。 過去最大です。 このままでは、 第7波で2万人を超える死者を生み出す危険性があります。
症状ある方の大規模検査場設置と臨時病床の増設が今すぐ必要です。

お産ができ手術も救急も十分できる市民病院を市直営で
中学卒業までの医療費無料化を今こそ
大津市民病院の医療危機 根本原因は経営優先の民営化
大津市民病院の外科 などの医師の大量退職からおきた医療危機はまだ解決していません。
医師が確保されて診療が再開されても、医師に1日当たりの収入のノルマ2024年度28万円目標を課す「かせぐ医療」では、 また繰り返すのではないでしょうか。ノルマ強化、医師の退職と医療水準の低下、評判の下落、患者がこなくなる、収益悪化、の悪循環 。市直営で公的医療の充実を行なうことが必要です。
また、子育て世代への支援としての中卒までの医療費無料化も必要です。
中学までの医療費無料
県内12市町で実施
長浜市10月より、近江八幡市、甲賀市、湖南市、高島市、米原市、日野町、竜王町、
愛荘町、豊郷町(高卒まで)、甲良町(高卒まで)、多賀町。
大津市なら7000万円で可能



平和と市民自治 NO.25  2022年7月12日

コロナ禍だからこそ…
医療危機を起こさず お産も手術も救急も
高度医療も十分できる
市民病院を市直営で

まだ続く大津市民病院の医療危機
 2月に新聞報道で発覚した、外科・泌尿器科、脳神経外科などの医師の大量退職によって引き起こされた大津市民病院の医療危機。一時は、外科手術が中止され、大津市域の救急搬送の25%を受け入れている救急医療やコロナ対応にも支障がでました。現在は通常の診療に戻りつつあると公表されていますが、外科、脳神経外科、泌尿器科は完全に後任が決まってはおらず、脳神経内科も未定です。残念ながら医療危機は終ってはいません。

根本原因は経営優先の独法化(民営化)
 2017年4月に、直営の大津市民病院を、赤字を理由に独立行政法人とし実質民営化。
 今回の医療危機の根本原因は、実質民営化の独立行政法人にして医療の現場に「生産性」概念を持ちこみ、市民の健康をまもる自治体病院の責務より、効率化と経営を優先する路線の弊害です。
 本来、市民の命をまもる医療は経済的な効率性とは相容れません。特に、民間で担うことは困難と言われ自治体病院が担ってきた「救急、周産期医療、小児医療、災害医療、高度医療」は不採算部門と言われており、独立採算の独立行政法人にしたからと言って黒字に転換することは困難です。
 そのため独立行政法人病院は、「かせぐ医療」の追求をせざるを得なくなります。その弊害の典型例が、政府の医療費削減政策に忠実に従った大津市民病院の医療危機なのです。

かせぐノルマより、医療水準の向上を
 大津市民病院の運営方針である「中期計画」では、「かせぐ医療」の方向が明確です。前文は「黒字化」「経営改善」のオンパレードで、経営の効率化の項目は「診療科別や部門別の原価計算を行い」、「診療科目の適正化」、「労働生産性の向上」を挙げ、医師1人1日当たりの診療収入目標というノルマを設定。一方、市民の願いである分娩取り扱い再開には触れていません。


直営に戻すため、当面、公共性のガバナンスを
 これでは、病院はいっそう目先の収益増に走り、医療の質の低下、患者の減少、財政悪化という悪循環に陥るのではないでしょうか。市民病院の医療危機は後任の穴埋めができたらよし、ではありません。
病院の大津市直営の時代には起こらなかった危機が、独法化されてから19年、22年と立て続けに起こっています。これは、構造的な問題であり放置しておけば何度でも繰り返すでしょう。
 解決は、直営に戻すことです。また、当面は公共性のガバナンス(統制)を強めることです。
 市民の命と健康をまもるために、「地域の中核病院」という位置づけを明確にした公的責任を果たすため、病院設置者として大津市のガバナンスをしっかり効かせ、儲け主義に走らさないことが必要です。その実効性を担保するために運営負担金(大津市からの補助金)の増額や分べんの再開をはじめとした市民の要望に応える中期目標や中期計画の修正が必要であり、大津市議会もそれに応えて議会で議論を起すべきです。



とことん憲法生かす市政を その24

コロナで傷ついた市民の生活改善を

中学卒業までの医療費無料化
高齢者移動費補助はただちに!

子どもや子育て世代、高齢者に優しい
大津市の施策を要望しています
学校給食費や中学卒業時までの医療費無料化
大学生向け給付型奨学金  高齢者医療費や交通費の補助


生活必需品4.7%値上げ これじゃ、やっていけない
 コロナ禍の2年半で、私たちの生活は大きく傷つきました。給料は上がらず、年金は下がり、4月からはすべてのものが値上げされています。5月の消費者物価指数(総務省発表)をみると、生活必需品は4.7%値上がりしています。これは、消費税がさらに5%増税されたのと同じです。これでは、私たちの生活はやっていけません。

今こそ必要! 市民の生活を支える大津市の独自施策
 自治体が、市民の給料や年金を直接上げることはできませんが、市民の生活の下支えをすることはできます。
例えば・・・

① 中学卒業までの医療費無料化
 大津市は、乳幼児の医療費は無料ですが、小学生は助成で一部自己負担(入院1日1000円、通院1回500円)が必要で、中学以上は何もありません。しかし、全国では1000以上の自治体で中学卒業時までの医療費の無料化や助成(2018年厚生労働省調べ)が行なわれており、滋賀県内でも19市町のうち12市町が実施しています。大津市は、県内では彦根市に次いで県内2番目の最低水準です。
② 高齢者医療費自己負担分や交通費補助
 今年秋から75歳以上の一部の方の医療費自己負担が1割から2割に増えます。また、高齢者の移動費補助は、通院などやワクチン接種の際にも必要との声がたくさん届いています。

財政的にも問題なし いまこそ実現を
 財政的な面でも問題ありません。大津市の2020年度決算では、歳入の一般会計は1,664億2,606万円で、歳出は一般会計1,629億5,145万円で34億7千万円あまりの黒字です。
 単純計算では、私たちが要望する4つの事項を実施しても余りある財政状況なのです。
憲法の要請する生存権(憲法25条)を、地方において実現する役割を担う自治体として公的サービスを強めることを今ほど求められているときはありません。




市議会の全会派議員に要請
「市民は困っている」(市民病院問題)

 私は市民病院で産まれました。私も家族も、なにかあれば市民病院で診てもらっていて、介護が必要な父親はこれまで何度も市民病院へ救急搬送されお世話になってきました。市民のみなさまや市民病院の近隣住民のほとんどの方は同様だろうと思います。
 6月6日、市議会の開会日に、議員さんあてのお手紙を携えて議会の8つの会派すべてを有志3人で訪問しました。市民病院問題を心配する市民有志8人が連名で作成し、市民病院の医療危機を議会で取り上げてほしいと要望するお手紙です。
 こちらからは、「5年前に市の直営ではなくなりその2年後にはお産ができない病院となってしまって、そのまま。総合病院のはずが大問題。産院で出産時になにかあっても総合病院に緊急搬送するまで時間がかかったりすると赤ちゃんや母体が大変なことになる」「独立行政法人になったとはいえ、市の職員も事務局として病院で勤務しているなら今回の外科医などの大量退職は新聞報道より前にわかっていたはず。市としての管理をしっかりしてほしい。議会として取り上げて市民の声を代弁してほしい」「とにかく市民は困っている」など訴えました。
 私たちの要望に対する議員さんたちの反応は濃淡さまざまでしたが、「市議会で議決して市民病院のことを決めてきたので、議会としては説明責任があり重大問題だ」と話される議員さんもおられました。
 これからも会の提起する署名をたくさん集め、出来ることを考えて実行していきたいです。
平和と市民自治 号外28  2022年6月8日

とことん憲法を生かす市政を
 お産ができ、手術も救急も
 十分できる市民病院を市直営で
 中学卒業までの
  医療費無料化を今こそ
    ↑県内12市町ですでに実施
大津市民病院の医療危機 根本原因は経営優先の民営化
 大津市民病院の外科などの医師の大量退職からおきた医療危機はまだ解決していません。
 2017年4月に、直営の大津市民病院を独立行政法人とし実質民営化。理由は「赤字が続いていること」。多くの人材を輩出してきた看護専門学校も20年3月に閉校しました。
 2019年には医師の大量退職で産科が運営不能になり分べん中止に。34万都市の中核病院で赤ちゃんが産めないうえでの医療危機は重大な問題です。
 根本原因は実質民営化の独立行政法人にして医療の現場に「生産性」概念を持ちこみ、市民の健康をまもる自治体病院の責務より、効率化と経営を優先する路線の弊害です。
 コロナで、自治体病院の役割が高まっています。もうけ主義でなく、不採算の診療科でもしっかりと維持し、市民に自治体病院ならではの高度な医療を提供しなければなりません。そのために、市直営の病院に戻すことが必要なのです。

すぐできる中学卒業時までの医療費無料化
 すでに県内19市町中、12市町で実施。大津市は、残念ながら子どもの医療費助成は県内最低レベル。ただちに実施すべきです。




平和と市民自治 2022年春季特別号 4月15日発行

 

チラシのダウンロード(PDF) →こちらから

平和と市民自治 号外27  2022年3月15日

とことん憲法を生かす市政を
分娩再開、外科の存続、質の高い医療を
実質民営の独立行政法人から
市民病院を市直営に
大津市民病院の外科 閉鎖危機
 2月に新聞報道で、大津市民病院の外科・消化器外科・乳腺外科の医師10人のうち9人、脳神経外科の医師5名全員が3月末退職すると報道されました。そうなれば、大津市域の救急搬送の25%を受け入れている救急医療も立ちゆかなくなる大変な事態です。

理由は「業績」!? 根本原因は経営優先の民営化
 報道によると外科の「業績」を理由に医師の入換えを図ったことが原因とされています。 また、大津市議会の部長答弁でも「病院内での経営改善を進めて行くに当っての事象」 (3/3) と答えており、 経営の効率化優先の政策が原因であったようです。
 根本原因は、実質民営化である独立行政法人化によって医療の現場に「生産性」概念を持ちこみ、市民の健康をまもる自治体病院の責務より効率化と経営を優先する路線の弊害です。

カネより市民の命と健康が大事。病院を市直営にもどそう
  2017年 4月に、直営の大津市民病院を独立行政法人とし実質民営化。理由は「赤字が続いていること」。 多くの人材を輩出してきた看護専門学校も20年3月に閉校しました。
 2019年には医師の大量退職で産科が運営不能になり分べん中止に。34万都市の中核病院で赤ちゃんが産めず、このうえ外科がなくなり手術もできなくなると、救急搬送もできない病院に。
 コロナで、自治体病院の役割が高まっています。不採算の診療科でもしっかりと税金を投入して維持すべきです。市直営の病院にもどし、もうけ主義でなく税金でしっかりと地域医療を支える病院にしなくては、わたしたち市民の命と健康をまもれません。



コロナ禍で傷ついた生活改善へ、みんなで声を上げよう

自治体の本来の役割は市民生活の維持・改善をはかってゆくことです。今だからこそ、子ど もや子育て世代の方、高齢者の生活を直接支援する大津市独自の施策の実施が必要です。
会では、市民病院問題とともに、以下の署名にも取り組んでいます。

・学校給食と中学卒業時までの医療費の無料化
・市独自の大学生の給付型奨学金を
・高齢者への医療費自己負担と交通費補助制度を

多くの市民の皆さんの声を集めることが必要です。ぜひ、署名にご協力ください。
※会のホームページからネット署名できます。


平和と市民自治 NO.24  2022年2月9日

感染爆発 政府「検査・受診・入院なし」で自宅放置の無責任対応
自己責任でなく、検査と医療・公衆衛生の抜本的拡大こそ必要コロナで傷ついた生活改善を
給食費・医療費・移動費など署名を開始
新型コロナウイルス感染症は、全国で今まで経験したことのないほど爆発的に拡大しています。滋賀県と大津市においても過去最大の感染者数を記録し、自宅療養者も全国では第5波の4倍の60万人(2/2)、滋賀県でも7千人超(2/5)と第5波をはるかに超えています。
一方、「重症化率が低い」といわれていることから、「インフルエンザと同じ」「オミクロン株はたいしたことない」との論調もありますが、全国的には、この1ヶ月間で重症者は20倍、死者もこの1週間で578人(2/5現在)となり、致死率はインフルエンザ(0.02~0.03%)よりはるかに高いのです。しかも、自宅療養する「軽症」とは、酸素投与しないだけで、「苦しい」患者さんが相当数おられます。また、味覚や嗅覚の障害などの後遺症が残る場合が少なからずあり、「インフルエンザと同じ」とはとても言えません。

自己責任だけの「3無い政策」
この状況の中で、政府は「重症化率が低い」として、専門家有志の提言(1/21)を受けて「検査なし受診なし入院なし」の「3無い政策」を打ち出しました。1月24日の自治体に宛てた厚生労働省通知は、「自分で検査して、行政に連絡し、医療機関に受診せず自宅療養」という内容です。検査キットも手に入らないというのに、すべて自分でやりなさいという医療や公衆衛生を放棄したビックリ仰天の自己責任対策です。今までやってきた対応を次々に縮小し、何もしないことを「新しい対応」と発表し、自宅放置する無責任政策なのです。
PCR検査や抗原検査が受検できない、陽性になっても医療や療養施設に入れずに自宅に放置。必死に頑張る保健所の職員さんも対応できない状態に・・・。この原因は、コロナ禍でも病床削減を推進し、保健所などの公衆衛生の削減をすすめ、検査体制の整備もしてこなかった政府の医療費削減の政策にあります。2年前から、検査拡大・医療拡充の市民の要求を無視してきた政治の責任なのです。

今こそ市民をまもる自治体の真価を
 この政府の方針を受けて、大阪府や東京都、神奈川県では、保健所から自宅療養者への健康観察をせず、体調悪化したら患者本人から連絡してもらうことや、「自己判断で自宅待機」を打ち出しました。これは、無責任対応のそしりを免れません。
滋賀県でも「軽症・無症状なら高齢者でも自宅や施設療養」(1/17)と入院基準を厳しくし、濃厚接触者の連絡も感染者が行なう(1/27)ことにしました。医療や保健所がひっ迫しているからとのことですが、それの原因は、抜本的拡充を怠ってきた政府・自治体にあります。
 今こそ政府と自治体は、いつでも誰でも無料のPCR検査拡大、病床・療養施設・保健所体制などの抜本的拡大とそのための公費投入が必要です。


コロナで傷ついた生活の改善を
 新型コロナの2年間にわたる大流行は大津市民のみならず全国民の経済生活を直撃しています。失業したり収入が激減した世帯を多く生み出しました。また、多くの患者さんが入院できず、自宅や宿泊施設での療養を強いられています。感染の不安から、重症化リスクのある高齢者世帯は、買い物等にも支障を来す事例も出て来ています。自治体の本来の役割は市民生活の維持・改善をはかってゆくことです。今だからこそ、子どもや子育て世代の方、高齢者の生活を直接支援する大津市独自の施策の実施が必要です。当会は、この1月から生活改善署名を開始しました。ぜひ、ご協力下さい。






とことん憲法生かす市政を その23

コロナで傷ついた生活の改善を
市独自の対策で
① 子どもや子育て世代、高齢者に優しい大津市を
・学校給食費や中学卒業時までの医療費 無料化
・大学生向け給付型奨学金 ・高齢者医療費や交通費の補助
② 大津市民病院を大津市直営に戻し、
赤ちゃんの産める病院に 医療の充実を

当会は、2年間コロナで傷つけられた生活を改善するために、大津市として公的サービスを手厚くする実現可能な施策として、表題の事項を提案します。


医療費、給食費、奨学金は切実な課題

「大津市子どもの健康・生活実態調査」(2018年3月)によると、収入300万円未満の世帯で補助が必要とされる支援は、上位から「1.教育費 2.無償の学習支援 3.医療費 4.食費等生活費 5.居住費」です。ひとり親の方の関心事は「子どもの教育費」が44%とトップです。
さらに、すべての世帯要望では、上位5位に「医療費補助の対象年齢を中学生までに」「義務教育の学習費(学級費、給食費、修学旅行費など)負担軽減」「大学学費無償化」が入っています。そのうち、医療費の補助、教育費の補助は、他の所得層(700万~900万、900万以上)でも医療費は2~3割、教育費は5割程度と階層にかかわらず要望は高くなっています。医療費、給食費、奨学金は切実な課題であると言えます。

医療費 大津市は、乳幼児の医療費は無料ですが、小学生は助成で一部自己負担(入院1日1000円、通院1回500円)が必要で、中学以上は何もありません。しかし、全国では1000以上の自治体で中学卒業時までの医療費の無料化や助成(2018年厚生労働省調べ)が行なわれています。

給食費 大津市の給食費の平均月額は一人当たり、小学校4058円、中学校4904円です。小中2人の子どもがいれば、年間約10万8千円とバカにならない額です。すでに、県内でも長浜市は小学校、同じ中核市の兵庫県明石市は中学校の給食無料化に踏み切りました。文科省の2017年度調査では、小中学校の両方で無料化しているのは76自治体あります。

奨学金 コロナ禍で大学を中途退学する学生も増えました。一人でも救うために市独自の奨学金制度が必要です。神奈川県藤沢市では年間6名程度ですが、入学準備金15万円、学費40万円の給付型奨学金制度をつくっています。

高齢者医療費自己負担分や交通費補助も切実
 今年秋から75歳以上の一部の方の医療費自己負担が1割から2割に増えます。また、コロナ禍で外出もままならない、ワクチン3回目の接種が始まったのに一人で会場まで行けないなどの声がたくさん届いています。

市民病院を市直営で赤ちゃんの産める病院に医療の充実を
 2017年4月に当時の越市長は、「赤字」を理由に直営の大津市民病院を独立行政法人とし、実質民営化。しかし、自治体病院は、「救急医療」「小児医療」「周産期医療」「災害時医療」等の採算が取りにくい「公共性の高い医療」を実施しコロナなどの感染症対策でも最前線に立ちます。「もうからない」のは当然なのです。市民病院は実質民営化後、一時救急医療が危機に陥り、赤ちゃんの産めない病院になってしまいました。医療に「生産性」という指標を持ち込んだためです。コスト論でなく、市直営に戻し、命と健康を守る地域医療の充実こそ必要です。



1月27日大津市にコロナ対策を緊急要請
ホームページはただちに改善!

1月27日、当会は大津市に対して署名321筆と要請書を手渡しコロナ対策の要請を行ないました。
 政府が専門家有志の提言を受け1月24日、厚生労働省通知で「検査をしなくても医師の判断で診断」「症状が軽く重症化リスクが低い方は、自分で検査し、医療機関の受診なしで自宅療養」を打ち出し、「検査なし、受診なし、入院なし」の医療と公衆衛生放棄の【3無い政策】に踏み切ったからこそ、自治体として打てる対策をただちにすべきと要請しました。秘書課長補佐は「要請を受け止め検討」するとのこと。
 県内で長浜市が独自の検査を開始していることに触れ、検査を誰でも受検できるようにすることや医療機関一覧の掲示、高齢者へのタクシーチケット補助などは直ちにできるはずだ、と強く要請しました。
要望のうち「(発熱等で)受診できる市内の医療機関が一目でわかるよう広報し、ホームページ上などで明示すること。」との項目が、2月1日、さっそく手配されました。市内医療機関一覧が、大津市ホームページ保健予防課の「発熱等の症状があるときの相談・受診の窓口」に掲載されました。「かかりつけ医がないので、どこに受診したら良いかわからん」という市民の声を受け、実現できる要望として盛り込んだものでした。
 ごくごく小さなことですが、これを契機に自己責任を押し付ける「検査無し、受診無し、入院無し」の国の「3無い政策」を自治体から変えていくよう、さらに市民の声を集め要求し続けたいと思います。

発熱等の症状があるときの相談・受診の窓口(大津市HP)
https://www.city.otsu.lg.jp/d_news/41728.html

要請書を手渡す会代表 中川 (右)

平和と市民自治 号外26  2022年1月4日

とことん憲法を生かす市政を
医療と検査の拡大で
 自宅放置をなくし命をまもる
子どもや子育て世代、高齢者に
 優しい大津市を
・学校給食と中学卒業時までの医療費の無料化
・市独自の大学生の給付型奨学金を
・高齢者への医療費自己負担と交通費補助制度
2022年を迎えました。
 コロナ感染は、年末からオミクロン株の市中感染が各地で発生し、第6波が懸念されています。
しかし、昨年11月に発表された岸田政権の「コロナ対策」は、入院制限を撤回せず、第5波の1.3倍の最大23万人の自宅療養を見込んでおり、自宅(宿泊)放置を減らすことは考えていません。

滋賀県も、政府の入院制限を受けて決定した「40歳以下で軽症は原則自宅療養」の方針は変えていません。
コロナ感染が判明したら、自宅療養で放置することなく全員入院して、医療保護をうけることで、医療にたどり着くことなく死亡したり重症化する自宅放置をなくさねばなりません。国と県の入院制限は撤廃し、自宅放置せず患者全員入院の医療体制をつくることが今こそ求められています。

コロナ禍で傷ついた生活改善へ、みんなで声を上げよう
 新型コロナウィルス感染症の二年間にわたる流行は、全国民そして大津市民の暮らしを直撃し、失業や収入が激減した世帯を多く生み出しました。
自治体の本来の役割は市民生活の維持・改善をはかってゆくことです。今だからこそ、子どもや子育て世代の方、高齢者の生活を直接支援する大津市独自の施策の実施が必要です。そこで、当会では、1月からコロナ対策に加え「子どもや子育て世代、高齢者に優しい大津市をつくる」「大津市民病院を大津市直営に戻し、分娩再開など医療を充実させる」取り組みを開始しました。多くの市民の皆さんの声を集めることが大事です。ぜひ、ご協力下さい。

滋賀県で実施の無症状の方へのコロナ無料検査は無条件で!

▶滋賀県が、昨年12月29日から、無症状の方限定のPCR検査・抗原定性検査を県内17ヶ所で開始。(1月末まで)
大津市内は、ユタカ薬局西大津店とウエルシア4店舗の計5ヶ所。

▶この施策は、歓迎です。しかし、無料はワクチン未接種の方限定で、ワクチン・検査パッケージを利用するためだと、自己都合でのワクチン未接種は有料となります。

▶ワクチン接種してもブレイクスルーする可能性大のオミクロン対策なのに、なぜ無条件での検査とならないのでしょうか?また、PCR検査もできるとされていますが、現状では結果として精度の低い抗原定性検査が主です。

検査は、PCR検査を主として対象は無条件とすべきです。




平和と市民自治 特別号 発行しました
11月20日


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平和と市民自治 号外24  2021年10月4日

いまだ多数の自宅療養者◆◆◆
第6波にそなえ
 滋賀県は入院制限撤回し、
 臨時病院設置を
大津市は市民の不安に応える
検査と医療拡大を
臨時病院と検査拡大で
命をまもれ!
 コロナ感染第5波も収束局面となり、10月1日から19都道府県の緊急事態宣言が解除されました。このまま感染がおさまればいいのですが、第6波は確実視されていますし、いまだに自宅療養者は全国で約1万7千人、重症者も1142人(9/29厚労省発表)で、滋賀県内の自宅療養者も50人を超えています。
 滋賀県では8月以降の自宅療養者の4割が中等症以上になりたいへん苦しい思いをされました。政府の入院制限を受けて決定した「40歳以下で軽症は原則自宅療養」という滋賀県の入院制限は、県民を苦しめるものでしかありません。

臨時病院設置検討せず(県、市9月議会)
 しかし、9月議会では、滋賀県は臨時病院設置について検討もしようとせず、大津市は県に提言しないと拒否しています。一体、市民の命と健康をまもるつもりはあるのでしょうか。
 滋賀県は、この制限をただちに撤回し臨時病院を設置してすべてのコロナ患者を入院できるようにすべきです。大津市は、臨時病院をつくるよう県に提言し場所や財源など協力すべきです。

全国で唯一全員入院で命まもる~和歌山県
 仁坂和歌山県知事は、8月17日にメッセージを公表し、政府に入院制限を批判し、全員入院を訴えています。
 「・・・和歌山県は全国で唯一全員入院を死守しています。・・・国の入院基準の見直し(注:入院制限のこと)について、私は、この改変には反対です。・・・・・・自宅療養は、命を守るということからすると、かなりリスクの伴う方法です。だから命を守るため和歌山県は全員入院にこだわっているのです。行政が対応不能だからといって原則を変えるのは間違っています。」
 滋賀県・大津市も同じ立場に立つべきです。



各地自治体の創意ある実例

●大阪府四條畷(しじょうなわて)市
▶市民向けワンコインPCR検査
 500円(市民等以外は4000円)で、市民等(在住者、在勤者、在学者、NPO等団 体所属者)で無症状の方のための検査。8月~来年3月末まで。

●大阪府寝屋川市
▶無症状の方へのPCR検査補助
 市民の不安解消と感染防止を図るため、市内在住、在職の方への検査補助
 1回1万円上限で月2回まで。 
▶自宅療養者緊急相談
 自宅療養者が不安に感じた場合、医師の往診や電話相談などの市独自の医 療提供。

大津市だったらすぐできる!市民の不安に応える施策を今すぐ!!




平和と市民自治 NO.23  2021年8月31日

コロナ感染 重大局面
求められるのは
検査・仮設病院はじめとした
医療拡大
県知事には臨時の医療施設をつくる
 法的義務がある
 家庭内感染と自宅死を推進する入院制限やめて

感染爆発と「自宅死」増加は人災
 新型コロナウイルス感染症は、全国で今まで経験したことのないほど感染が急拡大しています。滋賀県も緊急事態宣言対象地域(8/27~9/12)とされ、直近 1週間の人口10 万人当たりの感染者数は、滋賀県で102人、大津市で114人(8/25)と政府の定めるステージ4基準(25人)の4倍超です。病床使用率も90%を超え、「自宅療養者」は過去最多となり、極めて危険な状況となっています。
 オリパラ開催やコロナ無策とその極みである政府の「入院制限」政策は、家庭内感染と自宅死を推進するものです。災害級の感染爆発を誘発し、医療にたどり着くことなく死亡したり重症化する医療崩壊をもたらし、人々の暮らしを破壊しているのは政府とそれに追随する自治体の政治の失敗であり、まさに「人災」です。


滋賀県も2600人自宅放置決定
 全国の「自宅療養」と呼ばれる医療から見放された方は15万人、滋賀県でも2千人超えの前代未聞の数です。連日、東京での「自宅死」が報道されています。
 滋賀県は、コロナ対策協議会(8/19)で「40 歳未満でほぼ無症状の場合は自宅療養で2,600人想定」を決めました。これは、2,600人まで自宅放置する方を増やすということです。対策でも何でもなく、観戦増大の追認と放置です。滋賀県も菅政権と同じコロナ無策です。

★全国の「自宅療養」者 150,391人 (調整中32,162人含む 8/25 厚労省)

★滋賀の「自宅療養」者 2,110人 (調整中 491人含む 8/27 滋賀県


福井県 臨時医療施設設置で自宅療養ゼロ
 福井県は「自宅療養では容体が急変しても直ちに対応できない。感染判明後、すぐに医師の診療を受ける体制も必要なため、臨時施設を稼働させた。陽性者を速やかに隔離すれば、感染拡大の防止にもつながる。」と体育館に100床の臨時病床を全国で初めて設置。福井県は自宅療養ゼロを実現し


滋賀県知事に臨時医療施設設置義務あり!
 今や、全国・滋賀県での医療ひっ迫は明らかです。これは「病院その他の医療機関が不足し、医療の提供に支障が生ずると認める場合」(新型インフルエンザ等対策特別措置法第32 条の1)に該当し、都道府県知事には「臨時の医療施設」をつくる法的義務が生じるのです。(下記資料参照)
  現在の日本の状況は、福井県だけでなく全国で「臨時医療施設」を設置し、感染者を医療管理の下で保護隔離し自宅療養者をなくす必要がある状態。これをしないのは、市民を死に追いやる重大な法律違反です。滋賀県知事はただちにコロナ特措法と滋賀県行動計画に基づき臨時病床を設置しなければなりません。

全国知事会も大規模PCR検査を提言
8月1日全国知事会は「感染拡大の未然防止を図る観点から有効」として「無症状者に焦点を当てた幅広いPCR検査」「都道府県が独自に実施する大規模なPCR検査を行政検査に」という提言を行ないました。市中感染がまん延するときは、「無症状でも誰でも何度でも」及び大規模なPCR検査で感染の連鎖を断ち切ることが必要です。滋賀県や大津市も実施を!

滋賀県知事と大津市長に緊急要請
当会は、臨時医療施設を法に基づき設置すること、無症状者や高齢・福祉施設等への定期的PCR検査など6項目の緊急要請を、8月26日(木)滋賀県知事と大津市長あてに行ないました。皆さんの声をお寄せください。ぜひ実現させたいと思います。

新型インフルエンザ等対策特別措置法

(臨時の医療施設等)第三十一条の二 都道府県知事は、当該都道府県の区域内において病院その他の医療機関が不足し、医療の提供に支障が生ずると認める場合には、その都道府県行動計画で定めるところにより、・・・医療を提供しなければならない。


滋賀県新型インフルエンザ等対策行動計画 44ページ

(5)-6 緊急事態宣言がされている場合の措置 「県は、国と連携し、・・・入院診療を受ける必要のある患者等に対する医療の提供を行うため、臨時の医療施設を設置し、医療を提供する。」





自分の身は自分で守る?
コロナ感染爆発 一人暮らしの恐怖

▶先日、あるお宅を訪問したときの話です。そのお宅では玄関で非接触型体温計で私の体温を測り、消毒液で手指消毒を求められました。そのお宅は自腹を切って高価な体温計や消毒液を購入されていたのです。個人のお宅でさえ、それだけの感染対策をせざるを得ないのは、国や自治体が市民の命を守ろうとせず、「自分の命は自分で守れ!」という態度をとっているからです。市民ひとりひとりに外出の自粛を求め、飲食店にはずっと休業や時短要請を出しっぱなし、医療体制も強化せず、コロナにかかれば、自宅療養を強制される。全く納得いきません。このような状態での一人暮らし、自宅療養中に症状が悪化しても救急通報してくれる同居家族もいないのですから、まさに座して死を待つ状態になってしまいます。この恐怖を県民、市民に味わわせている滋賀県政や大津市政はただちに変えなければならないと思います。他府県では検査拡大や臨時病院の開設など、市民の命を守る取り組みがされているところが出てきました。やろうと思えばできるのです。いまさらながら憲法第 25 条「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」の大切さを実感しています。
私は滋賀県や大津市が一日も早く「ともにつくる会」の署名や要請にこたえて、検査や医療を拡大し一人暮らしでも安心して生活できるようになることを望みます。 (会員 松本 國利)



とことん憲法生かす市政を その22

デジタル庁発足 はやくも起きた腐敗、行政の私物化
個人情報を企業の金もうけに
勝手に使うな
個人情報保護条例が危ない

 コロナが猛威を振るう中、9月1日に菅首相肝いりのデジタル庁が発足します。このデジタル庁については、情報産業の大企業(日立、富士通、NTT、NECなど)が行政の意思決定に関与し、利益相反の事態や企業による行政の私物化の懸念が指摘されていましたが、発足前に早くもその懸念が現実のものになりました。

定企業への便宜・入札見積り漏えい

デジタル庁の母体である内閣府情報通信技術(IT)総合戦略室(通称 IT 室)で、五輪アプリのシステム発注をめぐって、不正が行なわれていました。特定企業への便宜、入札見積り額の漏洩、そして公正を装うために押印のない見積り書を企業に依頼。アプリには、発注を担った民間出身のIT室幹部(ナンバー2の「副政府CIO」)が関わったシステムも一部採用され、この幹部は国の発注事業で自ら利益を得られる予定だったとのことです。まさに行政の私物化であり、デジタル庁発足前からすでに腐敗が始まっていることを示しています。
こんなデジタル庁に、国民情報が集中され、デジタル庁→総務省→都道府県→市町村のデジタル推進部門と系列化されるのです。

人情報を保護しない条例押しつける

デジタル改革関連6法(デジタル監視法)の審議過程で、平井デジタル大臣は「自治体の個人情報保護条例はリセット」して国のゆるい基準にあわせると答弁しました。
それは2023年4月に実施されますが、この秋から来春にかけて政府のガイドラインや政令・規則が決定され、それを基準として自治体での作業が行なわれる予定です。
マスコミはあまり取り上げませんが、私たちの個人情報が勝手に使われるか否かの問題になってくるのです。

大きくは以下4点

① 外部オンライン結合制限の廃止
(自治体条例では「電子計算機等の結合による提供の制限」)

国や他公共団体、民間など外部と個人情報をネットでつながないという現在の規定をなくし、外部とつなげるようにすることです。この規定は 1978 年に東京都杉並区で、「個人情報の民主的運用と国家による国民管理である総背番号制に利用されないため」打ち出され全国で制定されたのです。
自治体には私たちの生まれてから死ぬまでの情報(住民情報、所得、固定資産税、保健介護等福祉、子ども、教育など)があります。これを国や民間等外部とつないで「活用」するというのです。監視社会の危険を感じざるを得ません。

② 企業への匿名加工情報の提供 都道府県・政令市は義務化

匿名とは言え、本人同意なく個人情報を企業等に提供する提案募集制度を都道府県・政令市に義務化することです。匿名情報といっても複数合わせれば個人の特定は可能。現代において「ささいな情報」は存在しません。個人情報をビッグデータとして活用したい大企業の金もうけの求めに100%応えるものです。中核市以下は当面任意とされていますが、すぐ義務化されるでしょう。

③ 要配慮個人情報の規定を自治体独自でさせない

要配慮個人情報とは、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴などで、本人が差別や不利益を被らないよう特に配慮する情報のことです。自治体では支持政党、民族などを規制しているところもありますが、その独自規定が削除され、追加しようとしてもできなくなります。

④ 審議会(審査会)への諮問を制限

多くの自治体では「本人以外からの情報の取得、条例で規定された以外の目的外利用、要配慮個人情報の取得、外部オンライン結合による情報提供」は審議会で許可を得ることが条件となっています。個人情報を保護するための当然の規定ですが、これを廃止しようとしています。

大津市は個人情報保護を後退させるな

これらは、市民の生活をまもる自治体にとっても市民にとっても、極めて重大な問題です。データ主体である市民の自己情報に対する権利が十分に保障されないままデジタル化が進めば、国家や企業が一方的に市民を管理・監視し、操る社会になります。私たちは、そんな社会を望みません。大津市は、地方自治をまもり、国の出先機関化を拒否し、市民の個人情報と市民サービスをまもる立場に立つ必要があります。



ガマを掘る人■■

 「ガマフヤー」という言葉を聞いたことがありますか?沖縄の言葉で「ガマ」とは自然にできた洞窟のことで、「ガマフヤー」とは「ガマを掘る人」という意味だそうです。

 太平洋戦争末期、沖縄戦では県民の4人に1人が亡くなったとされています。手榴弾での自決や、米軍からの砲撃や火炎放射器で焼かれるなどして、多くの人が命を落としたのです。南部・糸満市摩文仁の平和祈念公園には慰霊塔「近江の塔」があります。滋賀県民も沖縄戦の犠牲になりました。

 沖縄県在住で自らを「ガマフヤー」と呼ぶ具志堅隆松さんは、沖縄戦で亡くなった人の遺骨収集をし、遺族のもとに返す活動を続けています。激戦地だった南部の土を掘ると必ず遺骨が出てくるそうです。

 ところが、名護市辺野古の新基地建設埋立に使われる土砂の採取地として沖縄島南部が示されていることがわかりました。

 戦没者の遺骨収集を完了するには程遠く、遺骨は今も眠っています。具志堅さんは戦没者の血と涙が染み、遺骨を含む土砂を、戦争のための基地建設に使われることは人道上許されないこととして、ハンガーストライキなどで訴えています。「遺骨を海に捨てるのは人間のすることではありません」と。

 故郷に帰りたいと思いながらもまだ拾ってもらえずに眠り、助けを待ち続けている戦没者の遺骨が、一人でも多く遺族のもとに戻ってほしいと願っています。
(事務局 峯本 敦子)






平和と市民自治 号外23  2021年8月10日

入院制限は医療放棄、
  自宅死推進の棄民政策
8/1知事会は無症状・大規模PCR検査を提言!
 コロナ感染爆発から
    命まもる政治を
 コロナ感染第5波は、経験したことのない爆発的拡大となっています。その中で、菅首相は8月2日「重症・重症化リスク以外は入院させない」との方針を発表。自公与党からの異例の撤回要求にも応えず、「酸素投与がなくても医師の判断で入院」との微修正をしただけで強行しました。

 東京では自宅療養18,444人、入院待機12,160 人と3万人以上が十分な医療ケアを受けられてません(8/7現在)。その中での入院制限は、医療放棄、自宅死を容認する患者見殺しの棄民政策です。また家庭内感染の促進になります。滋賀県でも病床使用率は2週間で3倍増の76%(8/8)。入院できている方は37%のみ。「対岸の火事」ではありません。

 8月1日全国知事会は「感染拡大の未然防止を図る観点から有効」として「無症状者に焦点を当てた幅広いPCR検査」「都道府県が独自に実施する大規模なPCR検査を行政検査に」という提言を行ないました。市中感染がまん延するときは、「無症状でも誰でも何度でも」及び大規模なPCR検査で感染の連鎖を断ち切ることが必要です。

 なのに、大津市は「実効性がない」と政府の言い訳をオウム返しのように言い続けまったくやる気がありません。医療の拡大もしないと断言しています。市民の命と生活をまもる気はないと言わざるを得ません。これは市議会も同様です。

 検査も医療も拡大しない中での入院制限は、自治体や医療現場に「病床ひっ迫の中では仕方ない」という最悪の選択を迫ります。パラリンピック中止で、医療と財源をただちに仮設病床ふくめた医療体制と検査拡大に振り向けるべきです。




【大津市 議会でも検査拡大 求める 43人の請願を否決~6月議会 】
「 医師の判断を必要とせず誰でも何度でもPCR検査を受検でき、陽性者がひとしく医療保護を受けられる体制の確保などの大津市独自の施策の実現を求める請願 」
→共産党以外の全会派が必要無しと否決


ないないづくしのゼロ回答!

4月23 日に要請した緊急要望に対し 、大津市は、対面での要請を拒否して約3ヶ月後(7/13)にないないづくしの文書回答をしてきました。まったくのやる気無し。なぜ、これで3ヶ月もかかるのでしょうか?

●無症状者でも PCR 検査ができる検査センターの設置 をすること。
【回答】設置する考えはありません。

●高齢者、医療施設等の利用者、従事者への一斉 PCR 検査 を行うこと。
【回答】行なう考えはありません。

●医療施設の拡充及び医療機関、の減収補填等 を独自に行なえ。
【回答】医療施設の大幅な拡充は考えておりません。 医療機関への減収補填等については本市として 独自の措置を講じる考えはありません。




平和と市民自治 号外22  2021年7月24日

コロナ感染最大の第5波到来! なのに…
大津市は検査も医療拡大もやる気なし

国民・選手の命を危険にさらす五輪強行開催
感染に拍車かける五輪は今すぐ中止
 コロナ第4波が収まりきらぬうちに、急速に全国に拡大しているコロナ感染第5波。今回のコロナは従来株の2倍の感染力をもち、入院リスクも高く50代や若者が重症化しているデルタ株。過去最大だった第3波を上回る勢いで、8月第1週に東京で2600人の感染者が予測されています。
 政府の代理人でもあった尾身コロナ政府分科会会長ですら、「人々の行動制限だけに頼るのは限界」としてPCR検査拡大を提言しました(7/15 )。 市中感染がまん延するときは、「無症状でも誰でも何度でも」と「面的に大規模な」PCR検査で感染の連鎖を断ち切ることが必要です。
 なのに、大津市は「実効性がない」と政府の言い訳をオウム返しのように言い続けまったくやる気がありません。 医療の拡大もしないと断言しています。 市民の命と生活をまもる気はないのでしょうか 。これは、請願を否決した市議会も同様と言わざるを得ません 。

 この状況の中で、政府は五輪開催を強行しています。入国した選手・関係者への感染対策「バブル」方式の欠陥もあらわになり、入国して感染し出場できない選手が続出しています。この状況で「安全・安心の大会」などできないのは誰にでもわかることです。感染爆発に拍車をかけ、医療ひっ迫を引き起こす東京五輪の強行開催は、国民と選手の命を危険にさらすものです。
 いまからでも遅くはありません。ただちに東京五輪・パラリンピックは中止すべきです。

【大津市 議会でも検査拡大 求める 43人の請願を否決~6月議会 】
「 医師の判断を必要とせず誰でも何度でもPCR検査を受検でき、陽性者がひとしく医療保護を受けられる体制の確保などの大津市独自の施策の実現を求める請願 」
→共産党以外の全会派が必要無しと否決


ないないづくしのゼロ回答!

4月23 日に要請した緊急要望に対し 、大津市は、対面での要請を拒否して約3ヶ月後(7/13)にないないづくしの文書回答をしてきました。まったくのやる気無し。なぜ、これで3ヶ月もかかるのでしょうか?

●無症状者でも PCR 検査ができる検査センターの設置 をすること。
【回答】設置する考えはありません。

●高齢者、医療施設等の利用者、従事者への一斉 PCR 検査 を行うこと。
【回答】行なう考えはありません。

●医療施設の拡充及び医療機関、の減収補填等 を独自に行なえ。
【回答】医療施設の大幅な拡充は考えておりません。 医療機関への減収補填等については本市として 独自の措置を講じる考えはありません。





平和と市民自治 NO.22  2021年6月16日

〔1~2面〕

早期発見 早期入院 早期治療
鳥取県、広島県の検査体制等に学び
 検査と医療の拡大を今こそ
 6月市議会に43名で請願 市議会で採択を

 コロナ第4波は関西での新規感染者数は減少傾向にあります。このまま収束すれば良いのですが、高齢者施設や医療機関、学校等のクラスターが続いており、変異したデルタ株(いわゆるインド株)も今後拡大すると言われ、今こそしっかりとしたコロナ対策が必要です。

感染力強く、収束おそい第4波
 第4波の特徴は、感染力が強く、拡大速度が速く収束速度は遅く長期化していることです。これは大阪府資料(5/25)からも明らかです。その中で、病床が政府の地域医療削減でひっ迫し入院できず、ほとんど自宅療養を余儀なくされ、大阪では容体急変に対応できず自宅死が激増しました。助かる命も助からなかったのが第4波です。
 また、20歳未満の感染者が増え学校や保育施設のクラスターが増えたのも特徴です。そこでは無症状が半数で健康チェックも役に立たなかったのです。医師の判断を必要とする検査体制では対応できなかったのです。
 今後、従来株にとってかわったアルファ株(英国株)から置き換わると言われるデルタ株(インド株)は、従来株の2倍の感染力です。これまでと同じ対策をしていたのでは第4波よりも厳しい状況になるのは避けられません。


〔専門家の警告〕
◎上昌広・医療ガバナンス研究所理事長
「英国株より感染力が強いインド株へと置き換わっていき、7~8月ごろに流行の主流になる可能性」(5/28)
◎脇田隆字・国立感染研所長
「オリンピックやパラリンピックがあればさらに(感染)増加に向ける要素になる」(6/9)


ワクチン万能論でなく検査と医療の拡大こそ
 メディアは政府のワクチン政策とセットで、接種が進む欧米諸国やイスラエルの街角の様子を映し出します。ハグをし、バカンスや飲食を楽しむ映像は「自粛生活」を強いられてきた市民に、あたかも「ワクチンだけで自由になれる」かのような錯覚を与えます。
 しかし、ニューヨークやイスラエルなどは、医師の判断なしで誰でもいつでも何度でもPCR検査ができ、医療体制はセントラルパーク(NY)に大規模な仮設病棟を設置して対応したのです。ワクチンに感染抑止効果があり副反応も少ないと仮定しても、効果があがるのは、報道されないこうした体制があってのことなのです。

広島県・鳥取県に学ぶ
 「なすべき検査をしなかった場合、感染は拡大する。早期に積極的に検査する戦略の方が結果的に陽性者の数を抑制しベッドも少なくてすむ。感染者が感染させる危険性は低くなるし、結果的に患者の数を減らせる。無症状の陽性者を入院させることは、一時的にベッドが多く必要になるとしても、感染拡大は抑え込める。」(平井鳥取県知事)
 「積極的疫学調査は、あくまで、感染者の周辺しか探知できません。感染がある程度広がってしまった段階では、地域や対象を絞って、面的にPCR検査の集中実施を行い、市中に広がっている感染者を探知することで、感染の拡大を抑えるという方法が効果的である」(湯崎広島県知事)
 これこそが、滋賀県・大津市のとるべき対策ではないでしょうか。

6月議会に請願 検査と医療拡大を
 6月議会に、43人で「新型コロナ感染症から大津市民の命と健康をまもるため、医師の判断を必要とせず誰でも何度でもPCR検査を受検でき、陽性者がひとしく医療保護を受けられる体制の確保などの大津市独自施策を求める」請願を行ないました。7月2日(金)に採決です。
 ぜひお知り合いの議員さんにお声かけをお願いします。

よくあるQ&A 広島県広報紙「ひろしま県民だより」2月臨時号

Q:検査時点で陰性でも、翌日感染したら意味がないのでは?
A:検査は陽性が判明した方のその後の感染連鎖を遮断するために重要です。結果が陰性でも、決して油断することなく、感染しない・させない行動を。

Q:集中検査は陽性者が多く出て、医療体制をひっ迫させるのでは?
A:検査は感染者が「増える」のではなく、見つかるもの。また対象は無症状者で、医療体制への影響は限定的です。むしろ、後の医療体制のひっ迫を防ぎます。




原発事故時に甲状腺への健康被害を抑える
安定ヨウ素剤を配ってよ
大津市議会請願へ

 「安定ヨウ素剤を配ってよ!滋賀」連絡会が2年を迎える。参加団体は県内29グル-プ。
 東京電力福島原発事故の時、福島県は安定ヨウ素剤を140万錠備蓄していた。原災本部長が福島県知事に対して避難者へ安定ヨウ素剤を服用させるよう指示したが、福島県は指示に従わず、県民には配布されなかった。県立医大など一部の人のみが服用した。
 若狭の原発で事故が起きた時、私たち滋賀県民はどうすれば良いのか?何とか安定ヨウ素剤を私たちの街に、学校に、我が家に置きたい。そんな思いの人たちはあちこちの地域で学習会を開いたり意見を伝え合ったりしてきた。そして昨年9月甲良町、多賀町、豊郷町が「安定ヨウ素剤の事前配布を求める請願」を採択し、今春から全ての保,幼、小、中、養護学校で、いざという時には安定ヨウ素剤を服用できるようになった。また今年3月には米原市の「原子力防災を考える市民委員会」が「事前配布できる取り組みを進める」ことを平尾市長に提言し、秋には自治会役員や消防団員、市民らを対象に原子力防災の研修会を開き、来年3月に医師による住民説明会を行い、希望者に配布する予定という。彦根ももうすぐという。
 大津市では2年前に市長に要望書を提出した。今年度は、「子供の命を守る」に重点を置き請願を出すことにした。しかし請願文を提出しても成立するには半数以上の議員の賛同が必要である。請願文を作成し会派周りをしたが、日頃から議員と交流がなく突然請願に行ってもダメだということになり、議員さんたちとの距離をもう少し縮めようということで、再度9月議会に向けてチャレンジすることにした。



〔3面〕とことん憲法生かす市政を その21

個人情報を企業の金もうけに
勝手に使うな
自治体を国の出先機関化させず
 市民サービスを低下させない取り組みを

 5月12日、わずか50数時間の拙速な審議で可決されたデジタル改革関連6法案(デジタル監視法案)は、市民が理解不能な膨大な法案を束ねて、問題点の解明も不十分なまま、衆参合計57項目の附帯決議がつく異常な法案でした。新型コロナ対応の失敗があたかもデジタル化の遅れによるかのようにすり替え、デジタル監視国家をつくろうとするものです。その内容は以下で、自治体の個人情報保護や市民生活のすべてと言ってもよい業務が政府に管理されてしまいます。

管理される個人情報 自治体条例はリセット

 国に先んじて個人情報を保護してきた自治体の個人情報保護条例は、個人情報保護を勝手に使われないために「外部オンライン結合制限規定」を設けています。しかし、この法律で自治体の個人情報保護措置を骨抜きにし、レベルの低い国の基準に合わせようとしています。平井デジタル大臣は、「自治体条例はいったんリセット」(3/19内閣委)と答弁。個人情報保護のために設けられてき たいくつもの壁を取り払い、さらに、自治体には一定の条件のもとに企業に個人の匿名情報を提供する義務が生じます。(中核市以下は当面任意)それには個人の同意は必要ありません。匿名情報といっても複数合わせれば特定は可能。現代においてささいな情報は存在しません。個人情報をビッグデータとして活用したい大企業の金もうけの求めに100%応えるものです。

管理される自治体業務

 2025年までに密接に市民生活に関わる自治体業務システムの統一・標準化が義務化。政府の作成する業務システムは、法律に明記された必要最低限の住民サービスのみシステム化され、カスタマイズ(独自の仕様変更)は禁止されます。現在行われている地域の実情に応じて住民要求に沿った施策は切り捨てられます。例えば、富山県上市町では、すでに「3人目の子どもの国保料免除、65歳以上の重度障害者の医療費窓口負担免除」提案に「(複数自治体で)自治体クラウドを採用しており町独自のシステムのカスタマイズはできない」(町長答弁)とシステムを理由に拒否。まさに本末転倒の事態が全国で起きることになります

デジタル庁が私たちの生活情報を管理

 さらに、このシステムは政府が管理するガバメント・クラウド(Gov-Cloud)に搭載され、自治体が利用するのですから、政府のクラウドにすべての自治体の個人情報(17業務は出生から死亡までの生活の履歴と情報です!)が搭載されます。その上、国・自治体・民間で個人情報を簡単に共有できる情報連携基盤(公共サービスメッシュ)を政府がつくり市民に利用させるというのです。事実としてすべての個人情報がデジタル庁の管理下に置かれるのはまちがいないのです。

大津市は個人情報保護と市民サービスを後退させるな

 市民の生活をまもる自治体にとっても市民にとっても、極めて重大な問題です。データ主体である市民の自己情報に対する権利が十分に保障されないままデジタル化が進めば、国家や企業が一方的に市民を管理・監視し、操る社会になります。私たちは、そんな社会を望みません。
 私たちは、4月7日に大津市に対していち早くこうした問題点について申し入れをしました。しかし、大津市は、5月上旬に「(当時)法案の審議中であり回答できない」という返答案の審議中であり回答できない」という返答でした。すでに、法律は成立し、問題点も明らかになっています。大津市は、地方自治をまもり、国の出先機関化を拒否し、市民の個人情報と市民サービスをまもる立場に立つ必要があります。


〔4面〕

反基地・反原発運動が取締りの対象に
 重要土地規制法ゆるさないぞ

 今、この文章を書いている時点で参議院において「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律案」の審議が始まっています。「重要土地規制法案」と呼ばれていますが、少しずつ内容が報道されるようになり、今国会での成立か、廃案か、注目されています。もっとも、これをみなさんがお読みになるころには結果が出ているでしょうが、先日の「入管法」同様、一人でも多くの人が反対の意思を示し、阻止して廃案にしてほしいと願っています。
 この法案は、自衛隊基地や原発など「安全保障上重要」だとする施設の周辺で土地の利用を規制するというものです。重要施設の周辺およそ1キロメートルを「注視区域」などに指定し、監視を強めることを目指しているのです。その中で、米軍基地や原発への反対運動などが「機能阻害行為」として取り締まりの対象となる可能性があり、日弁連は法案に対する反対声明を出しています。
 私は時々、原発再稼働反対の意思表示をするために、大津から福井県の原発施設前に出向き平和的なデモや抗議行動に参加することがありますが、こうした表現の自由さえも奪われかねないのが心配です。沖縄の米軍基地前で粘り強く繰り広げられてきた基地撤去や辺野古建設反対を訴える沖縄のおじい・おばあの活動の行方もとても心配です。
 国会で審議すべきはこのような法案ではなく、国民の命と健康を守ることに予算をまわし実行することではないでしょうか。


平和と市民自治 号外21  2021年5月12日

コロナ第4波から命と健康・生活をまもれ
怒ろう!このままでは無策の政治に殺される!

4/23大津市へ緊急要請 市は誠実に応えよ今やらずにいつやる!?
検査と医療拡大を今こそ
 日本全国に拡大するコロナ第4波。やっかいなのは、現在のコロナは変異株に置き換わっており(4/27厚生労働省)、感染力や重症化率も従来より2倍程度高いことです。その上、病床が政府の地域医療削減計画でひっ迫し、入院できるのは大阪では10人に一人で、ほとんど自宅療養を余儀なくされ、容体急変に対応できないことです。全国的にも、厚労省資料では入院はわずか25%ほど。自宅療養は4割を超えています。これでは助かる命も助かりません。実際、大阪では自宅死亡が17人と急増。
 滋賀県や大津市でも状況は同様です。
 今必要なのは、無症状の方でも、体調に異変を感じたら医師の判断によらずにただちに誰でも検査をして、医療保護の下に置くことです。検査と医療の待ったなしの拡大が必要です。
 「感染がある程度広がってしまった段階では、地域や対象を絞って、面的にPCR検査の集中実施を行い、市中に広がっている感染者を探知することで、感染の拡大を抑えるという方法が効果的である」(広島県)として、広島県ではPCR検査の拡大を昨年から進め、第3波では劇的に感染を抑え込みました。現在、第4波を迎え、感染者急増に対して、市内40万人対象のPCR検査を開始しています。
 「実効性に課題がある」として、何もしない滋賀県や大津市とは大違いです。大津市は市民の不安に応える施策を行なうことこそ問われています。政府と自治体の無作為は許されません。


【大津市への要請事項 4/23】
▽無症状者も受検可能な検査センターを複数設置▽医師の判断によらず不安を感じたらPCR検査ができる体制▽医療・介護・保育・教育従事者などへの定期的検査▽医療体制拡充等


大津市も感染者数はステージ4

【5月4日~10日までの1週間の人口10万人当たりの感染者数】
◆大津市 30.12人
◆滋賀県 24.54人
(政府分科会指標) 「25人以上」→最も深刻な「ステージ4」に相当。

◆大阪府寝屋川市の検査体制
 同じ中核市の大阪府寝屋川市(人口22万8千人)では、新たにPCR検査の拡大を議会で可決し準備しています。
(内容)小中学校の教職員、保育所・幼稚園等の業務従事者に2週間に一度のPCR検査を行なう。
(時期)6月から9月

なぜ大津市は何もしないのでしょう?





平和と市民自治 NO.21  2021年4月4日

〔1~2面〕

デジタル監視(デジタル改革関連)法案はとっても危険
個人情報を勝手に使われ
 監視されるのはゴメンです
~コロナ禍を逆手に超監視社会の企み
 自治体も国の端末に!

マイナンバーカードを搭載したスマホが身分証?
 超監視社会へまっしぐら
 クレジットカードを使う。ポイントをためる。ICカードで電車やバスに乗る。友人と会話し「いいね!」を押す。私たちは日々、足跡をネットに残します。その情報を企業が集め、広告と商品開発に使っています。
 この法案は、マイナンバーカードを2023年3月までに全国民に持たせ、さらにそのアプリをスマホに搭載させ身分証がわりにし、マイナンバーに口座情報から健康保険証、運転など各種免許証・国家資格等のマイナンバーカードとの紐付けを進めます。さらに医療、教育、雇用、消費など個人情報を結び付け一生涯管理し、消費や日常の行動を誘導し、大企業のために新たな市場を創出するのが狙いです。当然、その過程で個人情報は国が一元管理し、大企業も簡単に使えるようにするのです。あな恐ろしや・・・。

自治体の個人情報保護条例が骨抜きに 企業に情報提供も
 そのためには、個人情報保護法制を今よりもっと規制(保護)を緩くしないといけません。その際に邪魔になるのが国に先んじて個人情報を保護してきた自治体の個人情報保護条例です。9割以上の自治体は「外部オンライン結合制限規定」を設けています。そこで、個人情報保護法制の一本化と全国的なシステム共通化によって、自治体の個人情報保護措置を骨抜きにし、レベルの低い国の基準に合わせようとしています。個人情報保護のために設けられてきたいくつもの壁を取り払おうとするのです。
 さらに、自治体は一定の条件のもとに企業に個人情報を提供する義務が生じます。デジタル監視法案は、個人情報をビッグデータとして活用したい大企業の求めに100%応えるものです。

あなたは見られている-映画の世界が現実に
 その政策の司令塔としてデジタル庁に置かれる「デジタル監」には大手IT企業出身者の就任が有力視されています。デジタル庁500人の人員のうち、ITゼネコンから企業に在籍したまま100名が入庁。国と癒着したITゼネコンがビッグデータを利用して莫大な利益を上げようとしています。利益相反そのもの。これが、都道府県と市町村にも拡大されます。「公共」は吹っ飛ぶでしょう。
 「監視社会」と言えば中国がよく引き合いに出されます。しかし、菅政権も個人情報を手に入れ監視する、そうした社会をめざしていると言えます。映画の世界が現実に・・・こんな社会はゴメンです。

同意なく個人情報を使う法案は廃案しかない
 菅政権はデジタル改革関連法案の審議を急ピッチで進め、4月には成立しそうな勢いです。デジタル庁発足予定は9月にもかかわらずこれだけ審議を急ぐのは、45ヶ所も間違いが発覚したほどのズサンな法案の欠陥と危険性が国民に知られるのを恐れているからです。
 この法案は、雇用調整助成金のシステム不具合や定額給付金支給の遅れなど自身の失態を「デジタル化の遅れ」にすり替え、市民の個人情報一元管理を進めるもので、「改革」どころか「デジタル監視法案」です。
 この法案は、「公益性」を名目に同意がなくても個人情報を利用できるという「データ共同利用権」という考え方を基礎にしており、個人情報の権利保護に欠けます。個人情報は丸裸にされ、国家が管理する「超監視社会」を作り出す危険なものです。
 個人情報管理が人権侵害をもたらした例は、ナチスのユダヤ人虐殺やハンセン病患者の強制隔離などたくさんあります。最近では内定辞退率予測を企業に提供したリクナビ事件です。基本的人権を侵害するこの法案は断じて認められません。




〔3面〕とことん憲法生かす市政を その20

3月8日付け大津市 検査拡大ゼロ回答
第4波?▶▶広島方式に見る
     検査の拡大こそ有効

検査拡大しない無策では感染を抑制できない

 1都3県への緊急事態宣言が解除(3/21)されたばかりで、コロナ感染が再拡大しています。大阪府知事は「第4波に入った」と、国に蔓延防止措置を要請すると発表(3/29)。
 明白になったことは、何もしない無策のまま緊急事態宣言を発令・延長することは、市民の外出や飲食、事業の営業に責任を転嫁し、国民に自粛を求めるだけのもので、何ら科学的根拠も感染抑制効果もないということです。科学的根拠に基づく検査・医療・補償拡大こそ必要なのです。


感染爆発を収束させた大規模検査と医療保護~広島県の実例

 昨年のクリスマスに141人の感染者を記録し、一時緊急事態宣言の対象としてあげられた広島県では、1月中旬以降、劇的に感染者を減らしています。だらだらと感染が続き、劇的に減らない大阪や首都圏、そして滋賀県と比べて、何が違うのでしょうか。
 最も大きな違いは、広島県は、無症状の感染者を早期発見し医療保護する体制を整え、戦略的な大規模PCR検査に取り組んでいることです。
 昨年11月から感染者が増え始めたときから、広島県は「クラスターになる前に感染の芽を摘むため」(県健康福祉局総括官)にPCR検査体制の強化をはかりました。市内2ヶ所目のドライブスルーPCR検査施設し12月10日から運用を開始。だ液検査で所要時間は1台10分で対象は、市内の高齢者施設、障害者施設、医療機関、飲食店の従業員や関係者で無症状者も大々的に検査。1月8日の3ケタ(119人)を最後に劇的に減少します。
 その後、広島市の繁華街含む旧市域の住民約60万人とこの地域で働くおよそ20万人の最大80万人を対象の無料PCR検査を打ち出し10億円の予算を臨時議会で可決。感染者の減少に伴い、規模を縮小してして実施していますが、それでも広島市内で2月22日から、1日500人を限度に市在住・在勤の方を対象に誰でも何度でも検査が受けられるのです。
 また、県内の高齢者や障がい者の入所施設で職員への定期的なPCR検査を行なっています(県内475施設のうち、410施設延べ1054施設で実施済み。3/15現在)。医療機関の従事者にもすでに43施設で月1回の検査を実施しています。


最大の感染対策は早期発見と治療~全国初の誰でも検査実施へ

 湯崎広島県知事は「大規模PCR検査は、感染者を早く発見して感染経路を断つ」と意義を語り、県健康福祉局総括官は「民間の力も活用しながら大規模検査を行なった結果、感染爆発が収束に向かった」と振り返り、「コロナ対策は陽性者の早期発見・早期保護・早期治療が最大の感染対策だ」と強調しています。
 今後、感染が再拡大すると80万人検査を行なう体制を整えており、さらに県は「4月から業種を限定せず県内の居住者と従業者なら誰でもどこのPCRセンターでも受検できる。感染再拡大の予兆を広く面的にキャッチする」(湯崎知事)と、広島県内5カ所に開設しているPCR検査センターで対象を県内に住む人や働く人全員に拡大すると発表しました。県全域に会場があり対象者を限定しないPCR検査の実施は「全国初」です。

 学ぶべきは、大規模検査と医療保護が感染爆発を収束させたという実例です。実効性は確実にあるのです。そして、この小康状態のときに次の感染拡大に備えて大規模検査を準備し、さらに全国初の「誰でも検査」を導入している積極的な感染対策を行い、そこに税金を投入する施策をこそ滋賀県や大津市はとるべきです。



〔4面〕

考えよう 性被害者の人権 県議会決議に抗議

いくつかの新聞で報道されたのでご存じの方もおられると思います。
滋賀県議会の2月定例会で、ある「決議」が採択されました。
それは、元日本軍の慰安婦とされた女性たちが原告となり、人としての尊厳をかけて必死に声を上げ、ようやく勝ち取った、韓国のソウル地裁判決に対する「非難決議」です。とても重い人権問題ですし、国際問題にまで発展しかねないことなのに、審議時間は提案から採決までわずか14分。審議は尽くされておらずまったく不十分です。
決議の中身は女性の人権について一言も触れられておらず、この内容で賛成した議員さんたちはこれまでどの程度、慰安婦問題について勉強されてきたのか、女性の性被害・性暴力について問題意識をお持ちなのか、すごく心配です。
このころは、森喜朗・東京オリ・パラ組織委員会会長(当時)が女性差別発言をし、「#わきまえない」などがSNS上でトレンド入り。世界中が女性差別について考え直し発言するなど、社会の変化の兆しを感じられた時期と重なります。
被害女性は高齢で、中にはすでに他界された方もおられます。
でも、みなさん!性被害にあった時は、この方たちも「娘さん」だったことを想像してみて!一緒に考えましょう。




平和と市民自治 号外20  2021年3月2日

2/10厚生労働省にコロナ対策徹底迫る

「一斉検査の対象は、小規模、障がい、通所、訪問施設も含まれる」
「ワクチン接種の有無で不利益なし」
今こそ検査と医療拡大・生活補償
2月10日、ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)が呼びかけた新型コロナウイルス対策の徹底を求める中央要請行動に、中川代表が検査医療関係の担当者として参加、厚生労働省に要請し追及しました。

厚労省の回答は、「検査基準は『診療の手引き』に基づき医師が必要と認めた方」「(一斉検査は)地域の感染状況で自治体が判断」「(社会的検査は)無症状者への検査後、陽性になるなど不透明で感染症対策としては不十分」「地域医療構想は枠組みは維持」。従来の立場の繰り返しと自治体丸投げばかりでした。

しかし、厚労省の一斉検査対象の「高齢者施設等」が、自治体現場では入所施設ばかりとなっていることに対して「小規模事業所、障がい、通所、訪問などの事業所も含まれるべき」と追及。厚労省は「どこを行政検査の対象にするのかというのは自治体の判断。施設については限定していない」として実質的に障がい者施設、通所、訪問の小規模施設も対象になることを認めさせました。また、「2年間で感染症対応の保健師900人、現状の1・5倍の増員を行うなどこれを機に体制整備に務める」とも表明させました。


【厚労省への検査・医療関係要請事項】
▽PCR検査は医師の判断を必要としない基準とする▽医療・介護従事者などへの定期的検査、高齢者施設等への一斉検査、社会的検査を国の責任で実施する▽検査や医療体制整備に必要な財源は全額国庫負担とする▽ワクチン接種を義務化せず社会的な強制圧力を生じさせない等

多くの自治体が広くPCR検査

多くの自治体が広くPCR検査を行なっています。
「感染しているが無症状の陽性者を早期に発見し地域の感染拡大を防止する」ためです。
 大津市も当会の要望に基づき、第四波がこないうちに検査と医療の拡大をすべきです。

【各地の検査拡大例】
◆65歳以上の無症状者への検査
 ・・・千葉県市川市、大阪府豊中市など全国で多数
◆希望する全市民へのPCR検査(1回1家族5人まで 千円必要)
 ・・・栃木県那須塩原市
◆広島市中心の4区住民及び通勤者80万人・・・広島県





平和と市民自治 NO.20  2021年1月21日

〔1面〕

入院できないのに罰則? 病床足りないのに削減奨励?

生活と人権破壊の緊急事態宣言・罰則ではなく
PCR検査拡大・医療体制拡充・
徹底した生活補償を

 菅政権は、新型コロナウイルス感染拡大に対処する緊急事態宣言を1月8日から4都県に発令し、14日から大阪、京都、兵庫など7府県を対象に追加しました。
 さらに休業要請に罰則を付与するコロナ対策特別措置法改悪、入院指示に従わない者や保健所の調査に応じない者への懲役含む刑事罰付与の感染症法改悪を予定。PCR検査拡大、医療体制の整備拡充及び固定費にも足りない協力金だけで、休業補償もない緊急事態宣言や罰則強化は、明らかに生存権をはじめとした基本的人権と民主主義の破壊です。


生活補償せず病院減らす政府

 菅政権は、PCR検査拡大や介護・医療体制整備、医師や看護師、保健師、介護職などの待遇改善や増員育成の抜本的対策になんら手を打つことなく、「持続化給付金」と「家賃支援給付金」は2月申請で打ち切り。昨年の緊急事態宣言を悪用した労働者の大量解雇に政府は何ら手を打たず、その後コロナによる解雇者は8万人にふくれあがりました。また昨年の飲食業の倒産(負債額1千万円以上)は842件と過去最高という事態を招きました。
 病床が足りないと言いながら、コロナ患者治療の最前線である53施設を含む440の公的病院の統廃合を進め、そのための病床削減支援金を2021年度予算で195億円も計上。こうした政策の下での緊急事態宣言は労働者・市民の生活と命をあやうくするばかりです。


命と生活を守る施策こそ

 今必要なのは、異変を感じたらただちに検査が受けられ、自宅やホテルでなく適切な医療保護や治療が受けられる医療体制をつくり、休業時短だけでなくコロナ禍により困窮する世帯の生活に対して徹底した補償を行うことでこそ、「納得と合意」により安心して三密回避や営業時短などの市民の自覚的な感染防止対策、自己防衛ができるようになります。そうしてこそ、感染対策の実効性を高めることができます。
 自治体の首長は「緊急事態宣言」発令の要請などより、そのことを強く政府に要求し、検査拡大(特に医療・福祉施設への一斉検査など)や医療体制拡充、生活保障など自らの自治体でできることをただちに実践すべきです。


▶▶▶犯罪者扱いの罰則案(特措法、感染症法)
◎時短・休業要請に応じないもの 「50万円以下の罰金」
 宣言の前段階「予防的措置」の期間 「30万円以下の罰金」
◎入院を拒否した感染者 「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」
◎保健所の調査拒否 「50万円以下の罰金」

▶▶▶政府の医療削減計画「地域医療構想」
◎2025年までに全国で15万6千の病床削減
◎公立・公的病院の削減統合対象 約440病院
※コロナ対応している感染症対応病院が53病院含まれている


〔2面〕
   命をうばう基地をなくしたい
          ~ZENKOユース平和参加団の一員として~
                                     〔N.I 学生 〕

 私は1月9日から11日の3日間沖縄に行き、多くのことを学びました。その中で沖縄の基地についてのお話が特に印象に残りました。
 まず、辺野古の基地です。2年前にも辺野古の基地を訪れました。2年前の基地の現場の様子は平らな地盤があるのみでしたが今回行くと周りにはテトラポットが敷き詰められていて完成の高さになっていました。ものすごいスピードで基地建設が進められていることが分かりました。また、奥間さんにお話していただいたのですが、辺野古の弾薬庫の下に活断層が通っているということを知りました。断層は基地の近くの岩で活断層があるということを学者が見つけ、もし活断層が動くと爆発し広島の原爆よりもはるかに大きな被害になるということを知りました。
 現在、辺野古の基地建設が進められてる中、工事を中止することは難しいと思っていました。しかし、名護市東海岸入会漁業組合の新名善治さんのお話で考えが変わりました。新名さんは4年前から漁業組合として認めてもらうために何回も認可をお願いしているが許可されないとおっしゃっていました。県は維持継続できるかが不安で認可できないと言うので新名さんは去年の10月からイカラーという加工品を作りその売上で毎月30万円以上を目標に取り組んでおられました。現在は毎月30万以上の目標を維持できており、イカラーの売上で維持し組合として認可されれば辺野古の埋め立てを止めることが出来るということを知りました。
 積み上げてきた努力が基地建設を止められるという希望が新名さんのお話で見えました。
 2つ目は嘉手納の基地についてです。嘉手納基地は沖縄の街の真ん中にあり、唯一実弾で訓練をすることができる場所であるということお聞きしました。実弾の時は黄色のテープが、そうでない時は青色のテープが爆弾に巻かれており、その爆弾を訓練ができるところまで運ぶそうなのですが、途中で事故が起こってしまうと大惨事になる事に加え、住民が住んでいる場所の上を飛行すること自体が間違っていると思いました。
 嘉手納基地の原告訴訟の方のお話を聞き、住民に多くの影響を与えている基地であるということも知りました。飛行の爆音が24時間続き睡眠時間をまともにとる事ができず、病気になり一命は取り留めたが障害者になった人がいること。自閉症の子どもが爆音が聞こえると髪をむしったり自分の腕を噛むなどの自傷行為をするという事実を聞き、人間らしい生活をすることができない状況であるということを知りました。そして嘉手納基地があることでの被害者が31人、全基地の暴行殺人、レイプ、交通事故、弾薬輸送船の爆発などを合わせると700人以上であることを知りました。こんなにも人が亡くなっているにもかかわらず基地が存在するのはおかしいと思います。
 基地があるといつ戦争がおこるか分からない、この先も罪のない人が亡くなっていく。そんな基地が日本から、世界から無くなるように声を上げていきたいと思います。



〔3面〕とことん憲法生かす市政を その19

今必要なのは 生存権の保障
徹底した検査 医療の拡大
 ➡その根拠を考える

 滋賀県でも新型コロナ感染拡大が止まりません。今回の感染拡大は、①中高年の感染拡大、医療・福祉施設でのクラスターの増大、②発熱だけでは検査を受けられずコロナ死する事例の増大、③無症状・軽症の自宅・ホテル療養者死亡の増大という3つの特徴があります。 
 これらを見てみると、発熱など異変を感じたら、医師の判断によらず、ただちにPCR検査を受ける、医療・福祉施設での一斉検査によるクラスター等の防止、自宅やホテルでない医者による医療管理のもとでの治療のため、財政出動して仮設・新設の病床確保が、いますぐ必要なことがわかります。
 私たちの会では、12月22日にこれらの内容を記した要請及び質問書を提出しました。保健所を持つ大津市として今こそ、この要望を実施し、市民の生存権を確保することが必要です。

① 医療・福祉施設での一斉検査 大津市は否定

 大津市では、12月1日からの感染者399人のうち6割以上が40代以上です。それは、この間病院や介護事業所などでクラスターが発生していることも大きな要因です。


 表は、12月以降に生じた5人以上のクラスターに関する政府資料です。飲食よりも医療・福祉施設が件数・人数ともダントツで多いことが分かります。重症化やクラスターの起きやすい医療・福祉施設での一斉検査が必要なのは一目瞭然ではないでしょうか。
 大津市は、11月議会で高齢者施設等への入所予定者のうち、行政検査を受けられなかった方への検査費用助成を「クラスターを防ぐ有効な手段」として150人分300万円の施策を決めました。これはよい施策ですが、一方で一斉検査は「行政検査がひっぱくする、実効性がない」(11月議会答弁)と否定しています。論理矛盾したこの態度は理解に苦しみます。これでは私たちは安心して暮らせません。


② 医師の判断によらない、発熱したら即PCR検査の実施

 昨年11月には、金沢大准教授の男性(42歳)が発熱したが、PCR検査を医療機関に拒否され、その翌日に死亡。その後コロナ感染が判明。妻は取材に対し、「検査するかどうかの判断が、医師に限られていることは良くない。ちょっとでも具合が悪いと思ったら、すぐ検査を受けられるようにしてほしい」と訴えています。
 12月末には、発熱し参議院診療所に相談したが、診療所は「無症状では民間検査しか受けられない」と検査拒否。「検査難民」となった羽田参議院議員は、2日後にようやく予約の取れた民間検査に向かう途中に容体が急変し死亡。まだまだPCR検査のハードルが高くまさに「検査難民」が生まれ、死亡している。この事態だけは避けねばなりません。
 なのに、大津市は6月に開設したばかりの大津市PCR検査センターも9月末で閉鎖してしまいました。死亡と無自覚の感染を防ぐためには、異変を感じたらただちにPCR検査できる体制が必要です。保健所所在市で公衆衛生に滋賀県と同等の権限を持つ大津市が率先して実現させなければなりません。

③ 自宅やホテルでなく、
 医者による医療管理のもとでの治療体制の実現

 神奈川県、名古屋市、埼玉県、広島市・・・全国各地で「軽症」「無症状」で自宅やホテル療養中の方が、午前中は元気だったのに午後に容体が急変しコロナで死亡した例などが報道されています。午前午後各1回のメール報告での容体確認では急変に対応できないのは当然のことです。急増する感染者を保護する臨時医療施設を整備し、無症状や軽症でも、本来は医師による医療管理が必要なことは明らかです。


〔4面〕
コロナなんでも相談を利用してみませんか

 大手マスコミでも報道されているとおり、新型コロナ感染症流行のため約8万人の人が職を失っています。
 みなさんは関西最大手の電力会社が2か月料金を滞納すると電気をストップさせること、政府系大手住宅供給会社が2か月家賃を滞納すると退去命令を出すことを知っていますか?その二つより基準はゆるいですが、水道やガスも滞納がかさむと供給停止となってしまいます。
 仕事を失い、収入が無くなればライフラインが止まるどころか住む家を失う方も出てくるのです。
 最後には生活保護を受けることを私たちはお勧めしますが、その保護も働く力があればまず働いてくださいと担当から言われすぐに受けられない場合があります。
 公式には市民の生命と財産を守ることが使命であるいう大津市も私たちの経験ではあまり頼りになりません。
 そこで私たちは毎週水曜日午後5時から7時と毎週土曜日午後2時から午後4時、それぞれ2時間「コロナなんでも相談」を実施しています。
 もちろん秘密は厳守します。外出を自粛させられ自宅で一人で悩んでおられる方、市政相談、生活相談、解雇撤回などの労働相談等遠慮なくご相談ください。




平和と市民自治 号外19  2021年1月11日

国と大津市長あての署名にご協力を

生活と人権破壊の緊急事態宣言でなく
検査医療拡大・生活補償を!

検査難民、自宅・ホテル療養で急死増大!検査拡大を
菅政権は、1月7日緊急事態宣言を決定し1都3県に対し発令しました。さらに休業要請に罰則を付与するコロナ対策特別措置法改悪を予定。PCR検査拡大、医療体制の整備拡充及び休業補償もない緊急事態宣言や罰則強化は、明らかに生存権をはじめとした基本的人権と民主主義の破壊であり、感染拡大防止には役立ちません。
 外出制限や、休業に伴う補償は具体的にはなく「営業自粛要請に従わない」と罰則付与が狙われ、1日最大でも6万円の協力金では固定経費も出ないのが現実。罰則ではなく政府による徹底した補償こそ必要です。

菅政権は、PCR検査拡大や介護・医療体制整備、医師や看護師、保健師、介護職などの待遇改善や増員育成の抜本的対策になんら手を打つことなく、「雇用調整助成金」の特例措置は3月以降段階的に縮減し、「持続化給付金」と「家賃支援給付金」は1月末で打ち切り。コロナ対策は徹底して国民の「自助」まかせなのです。
 昨年4月の緊急事態宣言では、市民の請願権は事実上否定され、緊急事態宣言を悪用した労働者の大量解雇に政府は何ら手を打たず、その後コロナによる解雇者は8万人にふくれあがりました。

病床が足りないと言いながら、コロナ患者治療の最前線である53施設を含む440の公的病院の統廃合を進め、そのための病床削減支援金を2021年度予算で195億円も計上。こうした政策の下での緊急事態宣言は労働者・市民の生活と命をあやうくするばかりです。今必要なのは、PCR検査を徹底して行い感染を早期発見・追跡し、陽性者を適切な医療保護の下に置き、医療と公衆衛生の抜本的拡充です。そして休業や仕事喪失に伴う補償・直接給付など徹底した生活補償です。そうしてこそ感染防止ができるのです。



中高年の感染、「軽症」「無症状」の方の急死が増大 今こそ検査拡大を

 今回の感染では、40代以上の感染者と重症者・死亡者が増えています。大津市でも12月からの感染者は259人を数えますが、その内65%が40代以上。
 また、「軽症」「無症状」の自宅やホテル療養者や発熱ではPCR検査をしてもらえない「検査難民」の容体急変による死亡が際立っています。
 発熱したが「検査難民」となった羽田参議院議員や、全国各地で「軽症」「無症状」でホテル療養中の男性が容体が急変しコロナで死亡した例が報道されています。
 検査の拡大と軽症でも医療管理が必要なことは明らかです。




平和と市民自治 号外18  2020年12月12日

コロナ感染 中高年の感染・重症化・死亡拡大

発熱即検査・高齢者施設等への定期的検査など 検査医療拡大ただちに

検査センターは閉鎖 検査拡大も否定する大津市
新型コロナ感染再拡大は、12月11日に2日連続で過去最多を更新し2976名代へ。重症者も555名(12/8)と事態は危機的です。今回の第3波では、40代以上の感染者が非常に多くなり、重症者が増えているのです。
 厚労省によると、30代に比しての重症化率は50代では10倍、60代では25倍、70代ではなんと47倍にもなります。
 大津市でも11月からの感染者92人(12/10)の内46%が40代以上です。

11月には、単身赴任の金沢大薬学系准教授の42歳の男性が発熱し受診しPCR検査を希望したが、医療機関に拒否され、その翌日に死亡し、コロナ感染していたと判明したという(12/6東京新聞)。妻は取材に対し、「検査が間に合い入院できたら夫は助かった」「検査するかどうかの判断が、医師に限られていることは良くない。ちょっとでも具合が悪いと思ったら、すぐ検査を受けられるようにしてほしい」と訴えています。

菅政権は、「会食時もマスク」としか言わず何の対策もしません。大津市も動きません。6月に開設したばかりの大津市PCR検査センターも9月末で閉鎖してしまいました。これからと言うときにです。
 また、12月議会答弁では、重症化やクラスターの起きやすい高齢者施設等への一斉検査は「行政検査ひっぱくする、実効性がない」と否定しています。なにを考えているのでしょうか。

すでに、東京都世田谷区、千代田区、墨田区、寝屋川市、枚方市、神戸市、広島市、福岡市、北九州市などでは一斉検査などの対策を講じています。
 大津市は市民の命と健康を守るため、発熱したら検査、介護・高齢者施設等職員や入所者への一斉検査などへ検査拡大と医療の整備、介護利用者をまもるための従事者配置などの措置をただちに実施すべきです。




平和と市民自治 NO.19  2020年11月12日

〔1面〕
いつでも 誰でも 何度でも
無料の検査拡大と医療整備を

非正規雇用者などに生活支援を
医療・介護・保育など抜本的待遇改善を

11.4 厚労省と交渉
▶▶▶政府・自治体の対策 まったなし

 11月5日(木)にコロナウイルス感染は全国で1048人と2ヶ月半ぶりに千人を超えました。滋賀県でも3ヶ月ぶりに20人を超えました。すでに10月末には厚生労働省の専門家会議は「横ばいから微増傾向となっている」と感染拡大に警鐘を鳴らしていました。これから寒い冬を迎えます。感染拡大を抑えるために国や自治体の対策は大変重要となっています。


スカスカの菅首相方針

 10月26日、菅首相の所信表明。コロナ対策が一番大事だと「1日平均20万件の検査能力確保」を言いますが、具体的な体制強化の内容は全くなく、主に大手企業がもうかる「GoToキャンペーン」への言及ばかり。
まさに菅首相の方針はスカスカでした。これでは、私たちの命と健康は守れません。


高いコロナの致死率 医療の整備拡大を

 政府は、「多くの人は軽症・無症状」と強調し、医療を重症者に重点化する方針ですが、新型コロナは軽症から急変し一気に病状が悪化するケースも多く、医療削減を前提にして医療の拡大整備を行わないままでは対応できません。
10万人あたりの死亡者数(11/5現在)は、日本は1.42人で中国、韓国、台湾など東アジアで一番多い。さらに、日本のコロナでの致死率は1.72%でインフルエンザの致死率0.02~0.08パーセント(厚労省資料による)とは比較にならないくらい高く、このままでは事態の悪化が懸念されます。


9/18大津市、11/4に厚労省と交渉

 当会では、9月18日に大津市(保健所)と、11月4日にZENKO中央省庁要請行動で厚生労働省と、交渉しました。主に、発熱したら直ちに検査をするよう基準改正をすること、医療・介護・保育をはじめ市民生活に不可欠な仕事に従事する方々への検査や待遇改善等を要請。厚労省へは、加えて保健所増設や保健師等の人員拡大を求め、地域医療構想での公立・公的病院の削減をやめよと追及しました。
▶大津市(9/18)
9月15日に厚生労働省から出された「新型コロナウイルス感染症に関する検査体制の拡充に向けた指針」をもってすれば、大津市として判断し、感染者が出ていなくても行政検査として幅広く検査することが可能だと迫り、担当課長から「実施の可否は判断できないが、この指針の解釈では広範な検査は可能」との答えも。
▶厚生労働省(11/4)
 関西・関東の介護事業所の方も交渉に参加しました。厚労省は、9月事務連絡と指針で、検査体制を整備したとして、これで十分であり、あとは自治体の責任という対応でした。しかし指針は、クラスター発生と感染拡大を前提にした対策の域を出ず、これ以上の検査拡大も考えていない不十分なものです。
これに対し、最低でも発熱だけで市民個人へのコロナ検査を可能とする基準に変えることを強く要求し、介護事業者と利用者が安心して利用できるよう「クラスターが起きていなくても定期的な検査を」という現場の声を突き付けました。


大津市ならできる 生存権に基づく検査拡大を

 保健所を設置している大津市の権限は、地域の保健衛生について都道府県なみです。検査拡大をはじめとする施策は、大津市(市長)の決断ひとつで実現できます。憲法の生存権を保障する施策を市民の声を集め実現させましょう。


〔2面〕
   子育ては公的責任において
                        民間保育園理事長 下村 勉

危機的な人口減少の進行― 急速な少子化に歯止めをかけることは、喫緊の課題である。昨年の出生数は90万人を割ったが、このまま進むと日本社会はごく近い将来、働き手不足で経済活動が維持できなくなる。AIやロボットの活用が進むだろうが、これらは税金も掛金も払わないから、年金・医療制度や自治体の財政は破綻するほかない。

安上がりな子育てねらう ― であるのに、子育て施策を安上がりで進めようとする動きが根強い。その典型が前大津市政である。前市長は、公立保育園を徐々に縮小・民営化し、これに代えて株式会社立の保育園を大量導入した。確かにこの方法は保育の安上がりに寄与するが、保育現場は悲惨な状況だ。公立保育園は、保育士の減員で子どもの定員割れが年々拡大してきた。公立の14保育園などには正規保育士が220余名と臨時保育士が100余名が配置されているが、市は今年度、なんと1名しか新採用者を採用しなかった。保育士不足になるのは当然である。一方で、園庭もない保育園を次々と認可し量産した。

許せない営利事業への丸投げ ― 新市長は、公立園を復権するとして、民営化を白紙撤回した。また、来年度の保育士採用を一挙に17名に拡大した。公立園には広い園庭や保育室があり、全市均質の保育水準がある。これを生かさないのはもったいない。
 大津市の34学区には一つずつの公立小学校と幼稚園がある。株式会社への委託などない。ところが保育園についてはここ数年、営利目的の事業体への丸投げが目立つ。
 本来、子育てはすべて公的責任で進めるべきだ。この原点をしっかり踏まえて、豊かな子育て施策を進めることが市政の基本でなければならない。



〔3面〕とことん憲法生かす市政を その18

菅政権の民営化・デジタル化は
地方自治破壊と市民サービス削減

自治体職員を配置し人権まもる行政サービスを


菅政権の民営化とデジタル化で壊される地方自治と暮らし

 「役所に行かずともあらゆる手続きができる。・・・行政のデジタル化を進めます。今後5年で自治体のシステムの統一・標準化を行い、どの自治体にお住まいでも、行政サービスをいち早くお届けします。」(菅首相所信表明演説) 菅政権の看板政策のデジタル化の柱はマイナンバーカードの全国民への強制と自治体のシステムの統一・標準化です。これって、私たち市民の生活と何か関係あるのでしょうか?実は大ありなんです!  ※マイナンバーは次号詳報

地方自治破壊、市民サービス削減と一体

 政府・総務省は、今後の自治体のあり方として「自治体戦略2040構想」で①AI(人口知能)とロボットで半分の公務員で業務を遂行させる②市民サービスは民間企業と地域にまかせる③自治体を「圏域」(中心自治体を軸にしたいくつかの自治体のあつまり)に再編し、小規模自治体を国の指定する中心自治体に従わせる制度、を提案しています。ここでは、「役所に行かずとも手続」などができる例としてスマートシティ、スーパーシティが例示されています。その実現のためには、データの共有と相互利用を基本に、あらゆるものをネットでつなげる行政のデジタル化が必要ですし、行政システムの統一・標準化と行政や民間の持つ様々な個人情報を一ヶ所に集積させることが不可欠です。行き着く先は、地方自治破壊と窓口無人化の市民サービス削減です。

国会答弁もびっくりのAI自動応答

 一番身近な窓口対応で見てみましょう。2019年に豊橋市はAI自動応答サービスを導入しており、私もやってみましたが、はっきり言って時間のムダです。

豊橋市AI「しつぎおとうふくん」の回答例
(問)コロナ感染症の検査はどこで受けられますか
(答)お答えできず申し訳ありません。
   各課連絡先(電話番号)一覧ページはこちらです。
(問)マイナンバーカードは取得が義務ですか?
(答)交付申請に関するページをご案内します。


業務民営化でもサービス低下

 今の大津市役所の代表電話は民間に委託され、電話すれば市役所でなく大阪のコールセンターにつながります。一人10万円の定額給付金のときは、神戸でした。休日夜間の市営住宅の緊急電話は東京につながり、大津市の地理も知らない方が対応しています。市職員だとすぐ通じる話も理解してもらえません。結局、市職員を時間をかけて呼び出し、また一から説明するという二度手間が起こっています。

人権を守る最善の行政サービスは人間でこそ

 AIや民間委託では、質問の趣旨やその背景を理解し、最善の行政サービスを守るため必要な支援につなげることはできないでしょう。AIなどでの窓口業務の無人化は、窓口への相談を待ち、それのみにしか応答しません。悪用も可能でしょう。
一方、様々な業務を経験している自治体職員は、市民の相談を通して必要な支援につなげることが可能です。窓口における手続の業務は、自動販売機のような業務ではなく人間(職員)が介在しなければならない業務です。自治体も市民の生活実態を把握できなくなり、市民サービスの拡充もできなくなります。
 窓口での不正や児童虐待などで何か事件が起これば、「見抜けなかったのか」などと対応した自治体職員への批判が起こります。しかし、デジタル化ではそもそも「手続き」や「問い合せ」対応に人(職員)が介在しないのですから、それ以前の問題です。

デジタル化は市役所業務の質を高めるために

 「自治体戦略2040構想」の「自治体職員半減」の主役はAIなどのデジタル化で、人減らしの手段として利用されます。職員の負担軽減や効率化に使うのは必要ですが、職員に置き換えることはできません。また、自治体システムの標準化は、法律に明記された最低限の住民サービスのみとなり、地域の実情に応じた施策は切り捨てられます。
 「住民の福祉の増進」(地方自治法)という自治体の役割を放棄させてはなりません。




平和と市民自治 号外NO.17  2020年10月6日

「発熱したらすぐ検査を」と市に要請(9/18)

“いつでも 誰でも 何度でも 無料”
のコロナ検査拡大と医療体制整備を

「厚労省指針で広範な検査可能」の答えも
9月18日 大津保健所へ要請

 9月18日、当会は大津保健所へ要請を行いました。8月に予定していた要請直前に職員のコロナ感染が判明して延期されていた要請でした。
 要請内容は、市民のコロナへの不安に応え、必要な検査拡大をしてほしいというもの。具体的には、発熱したら直ちに検査、医療、介護、保育をはじめ市民生活に不可欠な仕事に従事されている方への検査等。
 また、現在の2類相当から季節性インフルエンザ並みの5類に引き下げる感染症法の弾力運用への反対も求めました。


厚労省「指針」により広範な検査は可能

 9月15日に厚生労働省から出された「新型コロナウイルス感染症に関する検査体制の拡充に向けた指針」をもってすれば、大津市として判断し、感染者が出ていなくても行政検査として幅広く検査することが可能と迫り、担当課長から「実施の可否は判断できないが、この指針の解釈では広範な検査は可能」との答えを引き出すことができました。
 全国の市民の取り組みが厚労省を動かし「指針」を出させたのですから、次は各自治体で運用させるよう働きかけることが大事です。


保健所設置の中核市として主体的取り組みを

 9月の大津市議会では、検査拡大について「幅広く検査対象にしていくことは重要な対策」としながら「県の検査体制に連携する」と意味不明な答弁を行なっています。広島県で介護を受ける高齢者がヘルパーから感染してコロナで死亡するという事例も起きています。介護事業者や介護を受ける方々をまもるためにも検査拡大は必要です。
 国や県の動向に関わりなく、市民生活をまもるために、保健所を設置している中核市としての主体的な決断と取組みが今こそ必要です。




平和と市民自治 NO.18  2020年9月2日
〈1面〉
感染止めて命と生活を守る道は
「いつでも誰でも何度でも無料で」
 PCR検査と医療体制の整備拡大
東京都世田谷区、長崎県などに続け
⇒大津市へ緊急要請
 コロナ感染の拡大がとまりません。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は8月21日に「7月末にピーク」と報告し、緩やかな減少傾向にあるとして「第2波」であるということは頑として認めません。しかし、1日の感染者数は1000人近くで推移し、4月の緊急事態宣言時の最大数(720人、4月11日)より多く、とても「減少」とは思えません。
 厚労省専門家組織「アドバイザリーボード」は24日、「(波の収束につながる)ピークアウトではない」と重症者の増加傾向と感染拡大再発のリスクを強調、インフルエンザが流行し発熱患者が増える冬に備える必要があると警鐘を鳴らしています。滋賀県でも6月末の101名から約2ヶ月(8/26)で423名と4倍に増えています。これから秋冬に向かう中で、さらなる感染拡大が心配されます。

医師会会長 検査拡大と新たな病院設立を訴え

 新型コロナは、無症状の方からも感染が広がります。無症状の感染者を早期に見つけ出し、適切に保護・隔離することが感染抑制のために有効です。
東京都医師会の尾崎治夫会長は7月30日の記者会見で、「このままでは、日本全体が感染の火だるまに陥っていくと考えている」と警鐘を鳴らしました。そして、「拡大を収束に向かわせるにはPCR検査拡大が必要」とし、「東京都内全域に1400カ所、人口1万人当たり1カ所の割合で無料のPCR検査を可能にすることと、新型コロナ専門病院計2千床を『都立』でつくること。これは東京だけではなく、日本中に求められる。秋からインフルエンザとコロナが同時に流行すれば、今度こそ医療は崩壊する。今動かないとだめ」と訴えています。これは滋賀県・大津市でも絶対必要です。

厚労省が検査拡大容認の通知
滋賀県・大津市は検査拡大を

 8月18日、厚労省は自治体向けに事務連絡を発し、「感染者が多数発生またはクラスターが発生している地域では、医療施設、高齢者施設等に勤務する者や新規入院・新規入所者等については、当該施設で感染者がいない場合でも全員検査できる」旨の通知をしました。
 これは、市民の要求の成果としての「拡大解釈通知」です。政府が主導せず、判断も財政も自治体丸投げのものですが、この通知をもとに自治体に検査を拡大させていかねばなりません。
 すでに自治体レベルでは、東京都千代田区が区内の介護施設で働く職員全員を対象に3か月ごとにPCR検査を実施することを決め、一部検査が始まっています。世田谷区も「社会的検査」を掲げ介護や保育、医療従事者などを定期的に検査する方針を打ち出しています。(3面詳報)大津市もこれらに続かねばなりません。


※大津市に緊急要請した内容

8月26日の交渉は市職員感染の事態を受け延期となりました。結果等は号外やHPでお知らせします。

市民の新型コロナウイルス感染症への不安にこたえ、必要な社会経済活動を市民に保障するため、PCR検査をはじめとしたコロナ検査拡大のために緊急に次の措置を講じること。

1.設置した検査スポットは、公費による完全無料の検査とし、検査基準を少なくとも発熱したら直ちに検査を受けられようにするなど、必要な人すべてに検査を行なうこと。

2.上記に対応する検査検体数の大幅な増加を図ること。

3.社会的要請により接触を避けることが困難な職種(医療、介護施設、保育施設等福祉施設、学校等)の従事者についてはただちに全員検査を行なうこと。

4.危険な業務に従事する医療検査スタッフへの特別手当を支給すること。


〈2面〉会員の声
 戦後75年 夏におもう


〈3面〉シリーズ とことん憲法生かす市政を
 保健所設置の大津市ならできる!
 生存権を政策の基本に
「いつでも だれでも 何度でも 無料で」
 ただちに検査実現を

3密回避の自己責任では感染は防げない
検査拡大で早期発見と適切な保護・治療が鍵

 全国的に新型コロナの市中感染が広がっている状況にあっても、政府は、「3密回避」と感染防止を個人の自己責任にするだけで、まったくの無策です。コロナ感染者の一定割合は、無症状の感染者です。「感染力がある無症状者」を見つけだし、適切に保護・隔離し、治療していくことが、感染拡大を抑止できるかどうかのカギとなっています。単なる3密回避の呼びかけだけでは、仕事をして社会活動をし、家庭生活をおくる中では感染を防ぐことは不可能です。
「感染防止と経済活動の両立」を言うのなら、無症状者を含めた「いつでも誰でも何度でも無料で」の徹底したPCR検査拡大と、それを保障する仮設・新設含めた適切な保護・隔離施設と医療体制の拡大がどうしても必要です。症状の有無や、感染者に接触したかどうかなどにかかわらず、本来は全員を検査することが必要です。この声は、全国各地で自治体を動かしています。


米ニューヨーク市
1日6万2千件の検査で陽性率0.9%に抑え込む

 米国のニューヨーク市では、3~4月の感染拡大で「医療崩壊」が起こり、多くの死者が出たことを受け、州政府が検査数を大幅に増やす方針を決定。州・市当局の努力により、4月15日時点では1日当たり1万件程度だった検査能力が、1日当たり6月には5万件、7月には6万件に引き上げられました。各所にPCR検査所やドライブスルー検査所が700ヶ所設置され、検査は症状問わず、希望者全員が無料で受けることができ、ニューヨーク市保健局は、「すべてのニューヨーカーは検査を受けるべき」と呼びかけています。


東京都世田谷区 「誰でも いつでも 何度でも」検査できる
「世田谷モデル」めざす

 現在、世田谷区では1日当たり約300件の検査能力を、近日中に約500件に増やし、その後、2000~3000件まで強化する。区内で医療や介護、保育関係者ら社会機能の維持に必要な分野で働く人たちも、定期的に検査することを発表。保坂区長は「最大の経済対策は誰でも、いつでも、何度でもPCR検査をできる体制づくりだ。問題提起しながら走り出していく」と話し、8月24日には区内すべての介護施設職員や保育士など2万人以上を対象にして、症状の有無に関わらず4億円を投じて一斉にPCR検査を行うため、9月議会に補正予算を提出することを決めています。


東京都千代田区
区内の介護施設職員 全員に定期的な検査

区内の介護施設で働く職員全員を対象に、3カ月ごとに定期的なPCR検査を実施すること決定し、8月6日から実施しています。約430人が対象で唾液によるPCR検査を、年度内3000万円かけて実施します。


長崎県 かかりつけ医で無症状でも「PCR検査」可能に
県全体で1日1000件めざす

 8月3日、長崎県医師会と長崎大、長崎大学病院は、PCR検査について無症状でも希望すれば地域のかかりつけ医などで受けられる体制を整備した。現在の1日平均120件から年内に1000件をめざします。


滋賀県196件の検査能力では防げない
「防疫」目的のPCR検査拡大を

 いまPCR検査を広く行う目的は、無症状の感染者を見つけ出し保護・隔離するためです。つまり「診断」が目的ではなく「防疫」が目的です。米国のニューヨーク市では、医療崩壊の局面から1日6万件以上のPCR検査をやって感染者を見つけ出し抑え込みに成功し、経済活動との両立をはかっています。これをお手本にしなければなりません。
 厚労省が推計している最大検査件数は滋賀県では720件です。それに比して滋賀県の現在のPCR検査能力は1日196件です。PCR検査を抑制する厚労省要件での推計720件にさえ遠く及ばない能力なのです。これでは私たちは安心して暮らせません。


大津市ならできる
市長は生存権にもとづく検査拡大施策を

 保健所を設置している大津市の権限は、地域の保健衛生について都道府県なみです。世田谷区をはじめとした施策は、大津市(市長)の決断ひとつで実現できます。憲法の生存権を保障する取り組みを市民の声を集め実現させましょう。
〈4面〉
コロナ問題アンケート
コロナ検査求める声多数
 当会ではホームページでコロナ問題アンケートを行ってきました。ご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。
 設問のうち「コロナ問題で困っていること」では「感染の不安」が最多で58.8%、「健康の不安」41.2%、「収入の減少」「閉じこもりぎみ」がともに35.3%となっています。
 「国や大津市に取り組んでほしいこと」では「コロナ検査の実施」が58.8%で最も多く「感染情報の公開」41.2%が続く結果となりました。(右表参照)
 多くの方が感染や健康上の不安と収入減少などに悩んでおられること、コロナ対策としては検査の実施をもとめている方が多いことが明らかになりました。今後の取組に生かしていきます。



平和と市民自治 号外NO.16  2020年8月18日

新型コロナ感染拡大防止対策 重要局面

“いつでも 誰でも 何度でも”基準での
完全無料検査拡大をただちに
大津市長あて緊急要請書提出(7/27)
広がる市中感染 感染防止は自己責任とおしつける政府
 コロナ感染者は、全国各地で拡大の一途で、市中感染が大きく広がっています。滋賀県でも、連日感染者が続出。コロナ感染は重大局面です。
 しかし、政府はここにいたっても検査を拡大せず、感染防止は3密回避と、個人に責任を押しつけたままです。
 GoToキャンペーン事業には1兆7千億円使うのに、PCR検査等の拡充対策には717億円だけです。全国の検査拡大へ5000億円の財政出動を要請した日本医師会の意見書も無視したままです。
 まさに医療・公衆衛生の行政責任であり、棄民政策です。

いまだ肺炎にならないと検査不可
大津市検査センターを機能させ徹底した検査拡大こそが安心できる社会づくりへの一歩
 政府省庁でも、デパートでも遊園地でも入場の際、発熱チェックを受け、発熱していたら入場できません。これは、発熱がコロナの疑いという「社会常識」になっているからです。なのに、政府・厚労省の検査基準は、あいも変わらず発熱しても肺炎にならなければ検査しないのです。これでは、滋賀県内、大津市で保健所を通さない検査センターを設置しても機能しません。家族に発熱者かぜ出れば、その家庭は最低でも8日間身動きが取れなくなります。少なくとも「発熱即検査」ができ陰性なら、数日で社会復帰が可能です。これこそが、安心して社会活動や経済活動を営める基盤となります。
 「最大の経済対策は誰でも、いつでも、何度でもPCR検査をできる体制づくり」だと、取り組みを始めた東京都世田谷区の取り組みを大津市でも実施させましょう。大津市に、主体性をもって検査体制の飛躍的強化と生活補償をさせましょう。




平和と市民自治 号外NO.15  2020年7月10日

新型コロナ感染拡大防止対策 重要局面

“発熱したら検査”基準で
徹底した検査拡大と生活支援対策ただちに
大津市は検査センターを機能させよ
市民の不安に向き合う施策をとれ
広がる市中感染

 コロナ感染者は、7月に入り東京は8日まで連日100人を超え、全国各地でも増え、市中感染が大きく広がっています。しかし、小池都知事は数値目標をなくして「東京アラート」を廃止、「自粛から自衛へ」を打ち出しました。政府も同様の立場です。基準がなくてどう判断するのでしょうか。


コロナ感染拡大防止も自己責任!?これは棄民政策だ

 その状態で、「自粛から自衛へ」と打ち出すことは、国や都の行政として積極的対策もお金も出さない、「自己責任で自衛しろ」という路線に転換したということ。PCRなどのコロナ検査も、実態として拡大する気はない。
 まさに医療・公衆衛生の行政責任であり、棄民政策です。


いまだ肺炎にならないと検査不可
 大津市検査センターを機能させ徹底した検査拡大こそが
 安心できる社会づくりへの一歩

 政府省庁でも、デパートでも遊園地でも入場の際、発熱チェックを受け、発熱していたら入場できません。これは、発熱がコロナの疑いという「社会常識」になっているからです。なのに、政府・厚労省の検査基準は、あいも変わらず発熱しても肺炎にならなければ検査しないのです。これでは、滋賀県内、大津市で保健所を通さない検査センターを設置しても機能しません。家族に発熱者が出れば、その家庭は最低でも8日間身動きが取れなくなります。少なくとも「発熱即検査」ができ陰性なら、数日で社会復帰が可能です。これこそが、安心して社会活動や経済活動を営める基盤となります。
 大津市に、主体性をもって検査体制の飛躍的強化と生活補償をさせましょう。




平和と市民自治 NO.17  2020年5月29日
〈1面〉
5月20日 大津市5部署にコロナ対策で要請
「PCR検査センター設置」表明も、
個人生活支援、保健師増員などゼロ回答

命・生活・人権まもる施策を
検査と治療拡大 個人生活支援を行え
3月12日に第一次要望、4月には署名提出

 コロナ感染症が猛威をふるう3月12日、当会はいち早く大津市長と市議会議長あてに、「一斉休校の見直し、学童保育の整備、子どもの食の確保、事業者・個人への生活補償、大津市民病院の整備拡充、保健師の緊急増員、PCR検査の拡大」などを求め要望しました。さらに、3月末から当会の独自署名を開始し、市民の声を集め4月22日には署名一次分135筆と要請書を市長公室に提出しました。

大津市PCR検査センター開設を表明

 5月20日の要請の中では、無料かつ保健所を経由せず、かかりつけ医師の判断でできるPCR検査スポットの開設が表明されました。(5/25現在、時期や規模未定)
 検査センターは全国的にも開設はまた少ないことから、市民の力で開設させたと言って良い。しかし、県内で先に開設された草津総合病院の検査センターは、1日20人上限で週4日のみで、大幅な検査増とは言えません。早期発見、早期治療が命をまもります。この検査センターを大きく拡充して、肺炎にならなくても「発熱したらすぐ検査」できるようにさせていくことが必要です。

必要な保健師の増員、個人への
生活支援策などはゼロ回答

 保健師の増員や医療従事者への特別手当、社会的要請により接触を避けることが困難な職種への検査、食に欠ける子どもへの支援、そして市民個人への生活支援はゼロ回答でした。
 会からは、同じ中核都市の兵庫県明石市では、3月末に6名の保健師含めて9名の職員を増員している、ただちに取り組むべきと要請。また、1学期の学校給食中止で、お昼ごはんが食べられない家庭の子どもに対して、縦割りの「対応は福祉」ではなく、市の総合施策として他自治体が実施している配食サービスなど子ども個人にとどく施策をすべきなど、強く要望しました。(後の5月22日、市は、保護者や市民の抗議の前に変更を余儀なくさせられ6月22日から給食を実施すると発表。)
 また、5月18日市議会で可決された市コロナ対策緊急パッケージは、個人施策が今の時点で全くないという県内でも「特異」な、市民に寄り添わない市政(姿勢)は問題であり、ただちに現場から市長に提言し施策化すべきと要請しました。(※3面に詳報)
〈2面〉会員の声
コロナでバイト収入ゼロ!学生に支援措置を


〈3面〉シリーズ とことん憲法生かす市政を
個人への生活支援施策なき「大津市コロナ緊急対策パッケージ」
◆360億円というが市単独予算はたったの4億円
市民生活まもる個人への施策実施を

 5月18日、360億円規模の「大津市コロナ緊急対策パッケージ」が成立しました。小規模事業者、個人事業主などへの支援や医療資材や衛生用品の確保が事業化されました。事業者の皆さんへの給付金は、柔軟な運用で売り上げの減少した事業者に、簡単な手続で直ちに給付することが必要です。

個人支援なき対策は県内13市で大津だけ!

 この緊急対策には、残念ながら市政の大きな問題が現れています。
第一に、子育て世帯やひとり親世帯など市民個人への直接の生活支援が一円も計上されない、極めて「特異」な対策となっています。
これは、他自治体と比しても明らかです。米原市や近江八幡市などは、ひとり親世帯や収入が減少した子育て世帯、障がい児や在宅介護世帯への支援金、医療従事者への手当など、きめ細かい対策を行なっています。中核市レベルでも、ひとり親支援、妊婦への給付金、給食費無料化など(枚方市、吹田市、寝屋川市等)が実施されています。県内13市で市民個人への施策がないのは大津市だけです。
第二に、総額360億円と言っても、大半は国の特別給付金(10万円)の予算ですし、事業者支援の10億円も国からの交付金をのぞけば、2.7億円、緊急対策全体でも大津市独自の予算は4億円です。34万人の中核市で、これでは寂しすぎます。先に例示した同規模の大阪府枚方市は、国からの交付金(10億円)除いても市独自予算として13億円をコロナ対策に使っています。

ただちに個人施策を 支援策第2弾を

 なぜ、大津市は市民個人への生活支援を実施しないのか理解に苦しみます。大津市民だけ豊かなのでしょうか。そんなことはありません。これでは、困窮する市民個人への視点がない市政と言わざるを得ません。「何も発信しない、遅い、出しても他自治体を参考にせず市民へ寄り添う視点がない」市政となっています。
 2008年リーマン・ショックを越える倒産・失業が予想され、すでにコロナ解雇は1万800人、5月だけで7千人以上と報じられています。20万円~30万円たけでは持ちません。事業者支援も第二弾が必ず必要となります。市民個人と事業者を支援する事が自治体の第一の使命です。大津市は、市民個人への支援策をただちに打ち出すべきです。

公的責任拡充し市民生活に寄り添う市政を

 5月25日にやっと不要な緊急事態宣言が解除されましたが、コロナウイルスはなくなったわけではありません。今後私たちはコロナ感染症と向き合い、自覚的な感染予防を行ないながら生きていかねばなりません。
 私たちの命・生活・人権を脅かす「コロナ危機」を克服するためには、国や自治体の憲法の生存権に基づく施策が必要です。また、将来的には市民病院の整備拡充のため民間にした市民病院を市直営に戻し、給食中止の危機は自校調理方式に変えることが必要です。
 越市政が進めてきた「効率・民営化推進の行政」から、「公的責任を強め子どもや市民の立場に立つ行政」へ舵を切らせていかねばなりません。

県内・大阪府中核市の主な市のコロナ独自施策(事業者支援除く)
〈4面〉
5月24日 新型コロナ緊急学習会から
緊急事態宣言と感染者減少は
 直接関係しない事実が明らかに
 会では、「平和と民主主義をめざす全国交歓会・滋賀」と共催で、会事務所の「みんなの家」と各地をZOOM(テレビ会議システム)で結んで、新型コロナ緊急学習会を開催しました。報告した医療問題研究会の医師より、厚労省「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」の5月14日の報告資料から、緊急事態宣言が新型コロナ患者減少とは直接関係しないことが明らかになったという興味深い報告がありました。
 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の資料には、PCR検査陽性者が「感染」した日別の人数がグラフで発表されています。それを見ると、感染のピークが3月27日になっており、以後急速に減少しています。感染ピークの日(3/27)は7都道府県の同宣言日の11日前であり、同全国の20日前に当たります。
 7都道府県の同宣言時には新たな感染者はすでにピーク日の2分の1程度に、同全国宣言日にはピーク時の4分の1程度に低下していたのです。専門会議や政府は発症人数の2週間ほど前までの「感染」者の推移を知っていたのですから、全国に緊急事態宣言を出した時や、遅くても5月に宣言を延期した時は、緊急事態宣言と関係なく感染は減少していたことが分かっていたはずであり、同宣言をすぐ解除すべきだったのです。
 特措法緊急事態宣言及び緊急措置は、検査拡大・治療拡大をないがしろにし、感染拡大防止につながっていないことが証明されたのではないでしょうか。緊急事態宣言は、補償なき休業の強要により、経済的損失、所得減収、雇用不安など耐え難い権利侵害を生み出しています。感染防止の情報公開を民主的におこない、外出自粛や「社会的距離」を市民が自覚的に行っていく施策に転換し、検査を拡大し、適切な隔離をすすめれば、休業要請・外出抑制、緊急事態宣言は必要ではなく緩和できるのではないでしょうか。

(厚労省専門家会議の資料から作成 上の表は検査数、下表の棒グラフは感染者数、折れ線は実効再生産数)

平和と市民自治 号外NO.14  2020年5月15日

5月24日 新型コロナ緊急学習会

正しく理解し
命・生活と人権をまもるつどい
日時 5月24日(日) 午後2時~4時
会場 みんなの家&ネット視聴
講演 医療問題研究会 医師
新型コロナ感染症対策を科学的知見からわかりやすく解説していただきます。行政が行っている新型コロナ対策への疑問や不安、要望など。意見交換も。




5月11日 大津市あて要望書を提出
1.PCR検査拡大のために緊急に次の措置を講じること。
① 滋賀県や医師会等と協力して検査スポットを設置し、公費による無料の検査を行なうこと。
② 検査待機や遅れにより重症化し、命を落とすことのないよう必要な人すべてに検査を行なうこと。
③ 社会的要請により接触を避けることが困難な職種(医療、介護施設、保育施設等福祉施設、学校等)の従事者についてはただちに全員検査を行なうこと。
④ 危険な業務に従事する医療検査スタッフへの特別手当を支給すること。

2.新型コロナウイルス感染症問題での解雇、休業などを余儀なくさせられた者に対し、正規雇用や非正規雇用、自営などを問わず、休業などに対する補てんの独自措置を講ずること。また、大津市内の業者に対し、必要な融資や助成を無担保無利子で行なうなどの支援策を講じ、ただちにかつ簡易な手続で受給できるようにすること。

3.学童保育所について、感染リスクを低減するため学校の教室の学童保育への開放などより広い空間の確保や学童指導員の緊急増員などで必要とする子どもたちが安心して利用できるための緊急の整備を行うこと。

4.小中学校の給食一学期間中止となったことによる食に欠ける子ども達のための措置(貧困世帯や学童保育所への給食の提供など)を無償で講じること。

5.市内の全ての保育所、学童保育所介護施設及び介護施設などへ感染リスク低減のためのマスク、消毒液など感染予防用品を確保し配布すること。

6.感染症対策上、病床確保や感染症病棟の充実は大きな課題であることから、大津市民病院の整備拡充を図ること。また、地域の感染症対策のため、公衆衛生の担い手である保健師の増員を緊急にはかること。

7.新型感染症などによる市民生活の危機に際しては、市民の要望・意見を調査・把握し、ただちに生活支援などの措置を行なうこと。

8.「緊急事態宣言」撤回を国及び滋賀県に要請すること。



平和と市民自治 号外NO.13  2020年4月12日

新型コロナウイルス感染症問題

緊急事態宣言よりも検査と医療の拡大、
生活保障に予算の集中を!

命・生活・人権を守るため
国の指示待ちでなく独自措置を

政府と大津市あての署名にご協力ください
 4月7日、政府はコロナ特措法に基づき、緊急事態宣言を発令しました。しかし、緊急事態宣言で私たちの命と暮らしは守れません。
 感染をまん延させないために、他人との距離をあける「社会的距離」が大切です。これは、市民自らの自覚と行動が必要です。
 しかし、安倍首相は、休業補償はしないと明言しています。PCR検査も1週間も熱が続いても、肺炎にならなければしないという、市民見殺しとも言うべき厳しい基準は変わっていません。
 つまり、安倍政権の緊急事態宣言の実態は、「市民の行動を監視して規制するのに、市民が不利益や混乱に陥っても一切の補償をしない」という無責任宣言なのです。
 「自粛を要請されても、生活のため店を開けざるを得ない。補償があれば、店を閉める」中小の事業主の方の声です。また、検査をしないことで、有効な対策がとれません。さらに無症状の感染者がさらに無意識に市中感染を広げてしまうことになります。

 緊急事態宣言を出さなくても、適切な補償をしたうえでの自粛要請をすれば高い効果が現れます。また、歴代の政権が解体縮小してきた地域医療と保健の立て直しが図られれば市民の生命と健康を守ることができます。いわんや、この期に乗じて内閣独裁に道をひらく改憲=緊急事態条項の議論を進めようとする安倍首相のもくろみは言語道断。
 今こそ、自治体の主体性で市民の命、生活と人権を守らせましょう。安倍首相と大津市長宛ての2種類の署名にご協力ください。


◆新型コロナ問題◆
市長あて署名提出と要請をします4月22日

 会では、4月22日、大津市に対して、新型コロナウイルス問題について、署名を提出(第1次)し、要請します。
 要請の概要は以下です。

①解雇、休業などすべての者に補てんの独自措置
②学童保育所に広い空間の確保、学童指導員の緊急増員などの緊急整備
③保育所、介護施設などへ感染予防用品の配布
④大津市民病院の病床確保、感染症病棟など整備拡充、保健師の緊急増員など


平和と市民自治 号外NO.12  2020年3月13日
3月12日(木) 市長/教育長と市議会議長あて
新型コロナ感染症問題 10項目を要望

今こそ市民の生命と生活、人権を守るため
市はただちに直接の生活対策を
 会では、3月12日午前、大津市に対して、新型コロナウイルス対策の要望書を提出し要望しました。
 特に学童保育所関係、ひとり親・自営業の方への生活支援、子どもの食の提供、保健師の増員などは市の判断ででき ます。また、情報についてもネットだけでなく、自治会を通じて未加入のお宅へも市の対策と感染予防策などをお知らせすることも要望しました。
 パンデミック宣言が出され、トム・ハンクスさんが感染し、米NBAは今シーズンの開催 を中止。国内では4月からの内定取り消しなど市民生活は脅かされています。
 今こそ、国と自治体による大胆で早急な生活者支援が問われるときです。
 大津市に対して要望を実現するよう市民の声を届けましょう。


大津市長/教育長 及び市議会議長あての要請項目

1.科学的根拠のない一斉休校について、必要性を再検討し見直すこと。

2.特別支援学級の子どもについては、学校での受け入れを行うこと。

3.保育士の緊急増員および感染リスク低減のためのマスク、消毒液など感染予防用品の確保を行うこと。また、保護者への家庭保育強要はおこなわないこと。

4.学童保育所については、感染リスクを低減するため、より広い学校の教室の学童保育への開放を行い臨時教員・各種支援員、指導員の任用・配置などを含めた学童指導員の緊急増員などで、必要とする子どもたちが安心して利用できる学童保育所の緊急の整備を行うこと。
 さらに、新型コロナウイルス感染症対策により、やむをえず民間学童保育所を利用した世帯に対して利用料の補助を行うこと。

5.休校中の子どもへの必要な食の提供の確保へ、子ども食堂などへ感染リスクを低減した場所や食材の提供などをはじめとした必要な運営支援を行うこと。

6.大津市内の業者への新型コロナウイルス感染症問題の影響を調査し、必要な融資や助成、利子、保証料補助などの支援策を講じること。
 また、ひとり親や国の休業補てんの対象外である自営業をはじめとするすべての市民の休業に対する補てんの独自措置を講ずること。

7.一斉休校にともない、講師、支援員、給食調理員等非正規雇用者に、無給者が出ないようにされたい。

8.今後の感染症対策上、病床確保や感染症病棟の充実は大きな課題であることから、大津市民病院の整備拡充を図ること。
 また、地域の感染症対策のため、公衆衛生の担い手である保健師の増員を緊急にはかること。

9.公的情報を迅速に市民へ伝えるとともに、市として独自の情報把握に努め、インターネットを利用できない高齢者・市民にも確実に届くよう徹底すること。

10.国に対して健康で文化的な市民生活維持のために、PCR検査の適切な実施体制や強力な財政支援を柱とした対策をただちに講ずるよう要望を行うこと。



平和と市民自治 NO.16  2020年3月1日
〈1~2面〉
2.13大津市ワンデイアクションで署名提出/要請行動

「公立保育園民営化は白紙」「支所は存続」「水道民営化は考えていない」は市民の運動の成果!
市政は変えられる
さらに公的責任を取り戻し拡充させよう

 2月13日(木)、当会は大津市に対して「市民の命と生活をまもる署名」777筆を提出しました。同時に、市役所支所存続拡充、保育園・水道民営化反対、赤ちゃんを産める市民病院に地域医療の充実を求め、関係各課に要請しました。
 佐藤・新市長となって、20日。選挙時の公約がどう市政に反映しているか確認するとともに、市民の関心の高い上記の4項目について要請する大変タイムリーな行動となりました。(詳細は3面をご覧下さい。)

支所削減、保育・水道民営化は当面ストップ

 まず、越・前市長の市民生活を切り縮め、公共を投げ捨てなんでも民営化する市政に当面ストップがかかったことです。「公立保育園の民営化は白紙撤回」「支所は存続」「「水道事業は公共がやるべきとの指示を受けた」と、各担当課(室)所属長が明言しました。これは大変大きな市政の転換です。

市民の声が市政を変えた

 「保育園民営化白紙撤回」「支所存続」は新市長の選挙時の公約等であり、当然のことだとも言えます。しかし、この公約をもたらしたのは、それぞれの課題で民営化反対・保育をはじめ市民の生活を切り縮める政策にはもうがまんならないという市民の運動が粘り強く取り組まれ、前市長の人権無視の市政が市民に受け入れられない状況をつくりだし、新市長の選挙戦からの政策を規定したからです。市民の声が市政を変えたのです。
 市民が声を上げ、粘り強く運動すれば市政を転換できるし、その実例をつくったのだと思います。

現段階は前市長の悪政を止めただけ

 しかし、現段階は「悪政を当面止めた」だけで、公共の責任を取り戻すというところには至っていません。
 今の地点は、前市長の進めてきた市民の人権無視の市政を単にその地点でストップさせただけです。支所人員の削減や機能縮小、公立保育園の空洞化(正規保育士雇用を怠り定員割れを意図的につくり出し、民営化を進める)、水道の浄水場管理運営委託の増大、市民病院の民営化(地方独立行政法人化による経営分離)と分娩中止など前市長の負の遺産はそのままなのです。少なくとも、前市長の就任前の行政サービスと現在の行政サービスとでは、相当の乖離(かいり)が生じており、さらに拡充させねば元に戻らないのです。
 ここから、将来にわたって一歩も公共の責任を後戻りさせず、さらに行政サービスを充実させていくこと抜きに、大津市民の生活と人権は守れません。これからが勝負なのです。

新市長は市民との直接対話を

 2月21日開会の大津市議会で、佐藤市長は「市民が主役の大津市政を実現するため、市民の皆様の様々な意見をしっかりと受け止め、時にはと議論を重ねながら、地域に暮らしによりそった市政の運営に努める。」と宣言しました。佐藤市長には、この宣言を片時も忘れず、市民のみならず職員の意見も聞かない前市長の市政運営を転換し、市民からの要請に応え市民との直接対話を必ず実行されるよう求めます。


「市民の命と生活をまもる署名」777筆を提出 ↓

〔おしらせ〕
保育・水道など公共を売るな!
市民集会

3月22日(日) 14時~
大津市勤労福祉センター 第1第2研修室

報告1 : 水が危ない 命の水をまもろう
報告2 : 保育園民営化を今後もせず、
      公的責任で保育の質も量も確保する市政を
DVD上映
 「どうする日本の水道 ~自治・人権・公共財としての水を~」
             41分 アジア太平洋資料センター制作

 2.13ワンデイアクション及び新市長の市政方針、一般質問等を踏まえて、最新の大津市情勢を皆さんと共有し、水道・保育をはじめとした大津市の民営化路線を許さない集会とします。
 上映するDVDは、水は人権であり、自治の基本であることを教えてくれます。皆さん、「蛇口の向こう側」を知り、考えるまたとないチャンスです。
 皆さんのご意見や疑問をもちよって、みんなで考えるつどいとしたいと考えています。ぜひ、ご参加下さい。



〈2面〉
~新型コロナウィルスの流行、大津市は大丈夫か?~
保健師の大幅増員が必要!

 結論から言うと大丈夫ではありません!越前市長は大津市民病院の民営化で良くわかりますが、医療とか市民の健康は民間でやれば良いという考えでした。
 新型ウィルスの流行の予防など地域の「公衆衛生」の保持は本来自治体の保健所で勤務する保健師の業務に位置付けられています。したがって、自治体はその責務を果たすために多くの保健師を雇用する必要があるのです。近畿圏の芦屋市では保健師業務の特性に着目して地域福祉全般の担い手として保健師を位置づけて多くの保健師を雇っています。
 では大津市でどうでしょうか?越前大津市長は保健師不要との立場で医療職の保健師制度を廃止し、給料を大幅削減した上で新規募集を止めて、いまや大津市の保健師は笑い話のようですが「絶滅危惧種」となっています。大津市に勤務している保健師は乳幼児健診や予防接種の仕事をするだけで精一杯の状態でとても新型ウィルス対策まで手が回りません。なので、もし新型コロナウィルスの感染者が出ても十分な地域のケアができないのです。
 今後、どのような疾病が世界で流行するかわからない今だからこそ、医療職としての保健師をただちに大幅に増員しなければ、大津市民が市民憲章にあるように「健康で明るい生活に努める」ことができないのです。私たちは大津市に対してただちに保健師を増員するように要望していきます。(元大津市職員 松本 國利)

〈3面〉

2.13大津市ワンデイアクション詳報
民営化止めたが・・・
たくさんの課題が明らかに
〔公立保育園の空洞化、水道事業の広域化・官民連携は民営化の呼び水、支所機能の充実、運営の立て直しは地域医療水準の確保〕

水道 民営化につながる広域化・官民連携
 要請(企業局経営戦略室)では、市長から「水道事業は公共がやるべき」(市長ヒアリング)との指示を受けた。(官民連携手法については)水道事業民営化ありきで検討していることはない。民営化は考えていない。」との回答でした。これは歓迎すべきことです。
 一方、大津市は様々な課題解決のためとして水道の広域化の検討を進めています。当会からは、広域化で政府が狙っているのは、水道の大きな市場をつくりだめで、その先は民営化がある。そして日本の水メジャーを育成する方針があると指摘し、安易な検討をしないよう要請しました。
現に、先進地として大津市が視察した「群馬県東部地域水道企業団」は、施設の運営権こそ譲渡していないが、明電舎やクボタなどの国内4企業の会社に運営させており、技術の後退は否めず民営化が形態を変えて進行していると指摘されています。全国的に民営化の流れが進んでおり、今後も市民監視が必要です。

保育 公立園の空洞化は実質民営化
   正規保育士大量雇用で質も量も確保を
 要請(幼児政策課、保育幼稚園課)では、「民営化は白紙に戻す」(新市長の指示)とあり、幼児政策課長は「民営化は検討はもうないのかなと思いました。」との回答を得た。また、「保育士不足の原因は正規職員をしっかり新たに雇用できなかったこと。それを改めていく。」とも回答。
 しかし、正規保育士の年度途中からの採用での公立園の空洞化(正規保育士雇用を怠り定員割れを意図的につくり出し、民営化を進める)の解消による待機児童解消と保育の質を向上させること、また非正規雇用保育士の待遇改善についても強く要請したが、明言はありませんでした。
 当会からは、「公立園の現状での民営化中止といっても、すでに公立園の民営化は進んでいる。今年度4月には(公立園では保育士を雇用していないことが原因で)239名の定員割れがあった。民間園では3つ分で、大きな空洞が公立園にできている。その一方で、民間園を多くつくることは民営化だ。」と指摘。子どもの育ちを支える質のともなった保育を保障するうえで、保育内容にも直接自治体が責任をもつ公立園の存在はとても重要だと、正規保育士雇用を要請しました。
 また、「保育士さえいれば、(保育園の定員割れを解消し)あと200名くらい取れる。」との当局発言は重要です。空洞化を解消すれば、市としても株式会社保育園は必要ありません。市当局の現場の背中を押していく、市民運動が極めて重要です。
 さらに、佐藤市長は、「保育の量から保育の質の向上へ」と「(保育園の)総量規制」を打ち出しています。これが公立保育園の統廃合につながり、誰でも望む者が公的保育を受けられる保育を規制してしまうことのないよう、実質民営化の流れを押し止めることとともに注視し運動を強めていくことが必要です。

市役所 支所 支所の人員回復と機能充実を
 要請(市民センター改革推進室)では、「支所は存続していく」「業務縮小については1年見送りという方針でありましたので、それにそった状態」との回答でした。
 一方、2割削減した支所の人員回復は「業務量調査に応じて対応する」と対応策は示さず、公民館のコミセン化は「市長から進めてはいけないという指示はない。」ので推進する旨発言。
 当面、支所削減は中止されましたが、支所の人員回復や機能充実などは課題山積。支所の将来像は、周辺部切り捨てのコンパクトシティ推進や公共施設等管理計画での施設統廃合の流れの中ではなく、少子高齢化社会の中でも、どの地域でもずっと住める環境をつくるまちづくりに果すべき拠点として機能を充実さる方向で考えいかねばなりません。

市民病院 早期に赤ちゃんの産める病院に
 新市長の選挙公報では、「卸売市場の公設維持」と明記してあります。新市長は、前市長の民営化路線をやめて、公設地方卸売市場を存続させるべきです。



〈4面〉
「桜」不正の徹底究明
腐敗と改憲の安倍退陣へ
3つの署名にご協力をお願いします

 「桜を見る会」の前日に高級ホテルで開かれた前夜祭について、国会で大問題となっているのはみなさんもご承知のとおりです。
 過去に前夜祭会場となったANAインターコンチネンタルホテルに辻元清美議員が問い合わせた回答内容と安倍首相の国会答弁と食い違いがあることについて、首相は「ホテルは一般論で答えたもので個別案件については営業の秘密にかかわるから回答に含まれない」と強弁しました。これに対してホテルは「個別の案件については営業の秘密にかかわるから回答に含まれないと言っていない」「一般論として答えたという説明はしたが例外はあったとは答えていない」と回答しています。
 安倍首相はうそつきだ、ということは、国民にはバレています。
 安倍首相の答弁はもはや言っていることが無茶苦茶。「参加者は募ったが募集していない」。これにはお笑い芸人たちが「太っているが肥えていない」などさっそく応用してネタ作りに励んでいる始末です。
 こんなうそつきがずっと首相の座に居座り続け、権力を、税金を私物化していることに強い憤りを感じます。隠ぺいされた疑惑を明らかにし、責任追及していきましょう。
 安倍晋三総理主催「桜を見る会」の徹底的捜査による刑事責任追及を求める署名、「桜を見る会」など税金の私物化をゆるさず、腐敗した安倍政権の退陣を求める署名、安倍9条改憲NO!改憲発議に反対する全国緊急署名、の3つの署名を会として集めています。
 みなさんの署名へのご協力をよろしくおねがいします。(事務局)

署名用紙はホームページの右側にあるボタンからダウンロードできます。


平和と市民自治 NO.15  2020年1月27日
〈1~2面〉
新市長の公約
『支所は存続、保育園民営化白紙撤回』は市民運動の力!
支所削減・公民館廃止、水道・公立保育園民営化をやめ、市民病院の医療危機を解決する
新市長は、市民の生活と
 人権をまもる市政を

 1月19日の大津市長選挙で佐藤健司(元自民党県議)氏が当選し、新市長に就任しました。当会では、どなたが市長になろうとも市民サービスを低下させず、保育園・水道などの民営化をしない市政を市民の力で押しつけていくことが必要と訴えてきました。新市長の方針は、2月市議会での市政方針や質疑を待たないと詳細は不明ですが、選挙公報やアンケート結果をもとに、当会として新市長に望むことをまとめました。
 なお、来たる2月13日(木)には、当会で署名の提出と関係各課へ要請行動を行ないます。

【支所削減・公民館廃止問題】
支所は存続 機能拡充させるか否かがカギ

 新市長は、公約で「地域コミュニティの拠点、市民センターを守ります」と、支所は36ヶ所すべて存続させ、防災機能について、「市職員が常駐せず自主防災会とまちづくり協議会にゆだねることは、市が主体的に取り組むべきものとして反対」と越市政の防災の地域丸投げに反対しています。この点は評価できますが、一方で防災以外の支所の機能拡充については、「将来的には地域における行政サービスのあり方を検討する必要がある」として否定的です。現状の支所は、昨年度から人員が2割削減され相談業務など支所機能に支障が出ています。今後の超高齢化社会に対応するため、人員の回復を含めた機能の拡充はただちに必要です。

【保育園民営化】現行の民営化案は白紙撤回

 新市長は、アンケートに「保育園民営化の計画は白紙撤回」「保育士の待遇改善は、公立民間に関わらず、非正規の職員が多く占めていることは、保育の質を確保する観点から改善を図っていく」と回答。この点は大歓迎で、今後具体的な方針として実施させていくことが必要です。一方で待機児童について「保育所は一定充足してきたことから、量のみを追求してきた方針を転換し、保育の質の向上に主眼を置いた取り組みを進める」としており、質も量もと願う市民の立場から、具体的な内容を突きつけていかねばなりません。

【市民病院の医療危機解決】【水道民営化】

 新市長は、分べん休止から赤ちゃんの産めない病院となった大津市民病院は、「運営の立て直し」を公約としています。水道の民営化については、言及がありません。今後の具体的な方向性を注視する必要があります。

【市民が動けば変えられる】

 いずれにしても、支所削減や保育園民営化、市民病院の医療危機問題は、ここ数年市民が署名運動や請願、議会傍聴や市当局への要請などの運動を積み重ねてきたからこそ、新市長の公約に反映したといえます。市民が声を上げ動けば、市政は変えられるのです。
 当会は、今後も大津市政の上で重要と考えてきた、4つの課題(支所削減・公民館廃止、保育園・水道の民営化、市民病院の医療危機)について、市民無視の政治手法と施設削減と民営化の市政とキッパリと決別するという市民の立場から要請を強めていきます。

お知らせ
対大津市ワンデイアクション
新市長への要求をもって集まろう!
2月13日(木) 9時15分
大津市役所新館ロビー集合
昼食をはさんで15時30分頃まで
署名提出と各課への要請行動
企業局(水道民営化)、幼児政策課(保育園民営化)、市民センター改革推進室(支所削減・公民館廃止)、保健総務課(市民病院医療危機)




〈2面〉
地方自治破壊を足元から止めたい
~12月20日、大岡衆院議員を公選法違反で告発~  会員 高田惠子

 昨年、大岡衆院議員、公選法違反の供応か?の報道に接した時、私は、初夏に起こった「事件」を想起した。学区人推協の年間スケジュールにも載っていなかった「滋賀学区、いじめ問題など人権学習会」が開かれたという問題だった。当時自治会長をしていた友人が「こんなことしてもいいんですかねえ」と見せてくれたものが、この「人権学習会」と称する案内であり、講師は法務大臣。参加申し込みは大岡事務所までファクス送信してほしいという申込み用紙。会長宅へ持参したのは、大岡議員秘書でありその名刺もあった。法務大臣の来県にあわせて、にわかに浮上した行事であり、自治連からの回覧文書もないままの開催であった。私は主催者である大津市教育委員会に抗議し担当課長と長い話し合いをした。
 年末、中川哲也さんから、「大岡議員を告発する」とのメールを受信し、私も告発人に加えていただいた。私がもっとも問題にしたいのは、自民党による「自治会組織の私物化」だ。大岡氏自身がそのことにまったく頓着していないという場面に、私は再三出くわしている。これは、地方自治の基本、民主主義の基本を理解していない、または、理解する気がないという表れだ。
 私は、この大岡議員パーティーに無料で招待され、参加した自治連会長が17学区もあったことも問題にしたい。地方選挙のたびに、自民党の候補者を当然のように推薦決定してしまう自治連が、まだ多く存在する大津市。このなれ合いを止める機会だ。長く続く安倍自公政権によって、地方自治が壊されようとしている。私は、それを、足元からも止めたい。
 今回の大岡敏孝議員の公選法違法行為は、こうした自民党による「地域支配」が当然だとする体質について、厳しい批判を突きつける大きな一歩だと思う。


↑ 大津地検へ告発後の記者会見(2019年12月20日)



〈3面〉

〈シリーズ〉とことん憲法生かす市政を その15

大津市公設地方卸売市場が民営化?
12月18日 選定委員会が大和ハウスを答申
新市長の公約は公設維持
食の安全の危機
市民の財産投げ売りの
民営化はSTOPを!

 昨年12月18日、大津市は選定委員会で、大津市公設地方卸売市場(瀬田大江町)の民営化の事業者として大和ハウスを代表とするグループを答申した。
 新聞報道(12/25)によると、市は、公設市場がここ数年3千万円の赤字を出し経営改善の見込みがないと判断し、民営化へ向けて昨年3月に公募したという。条件は事業期間50年で、期間中の固定資産税は免除、土地の賃料年12円、建物や備品などの譲渡価格1円という破格のもの。市場の施設は建て替え、余剰用地に市場事業と関連した物流センターを整備。市民向けの関連店舗を新設し、開かれた市場を目指すという。


市民の財産の投げ売りと脅かされる食の安全

 大津市の市場は、1988年に公設卸売市場が開設されるまでは、打出浜に民間の小規模市場があるだけで大津の物価高の一因にもなっていました。以来、税金を投入し育てられてきた公設卸売市場は、市民の食生活に欠かすことのできない生鮮食料品の安定供給と食品の安全を図り、物価の安定に寄与するという役割を担ってきました。
 こうしたことを踏まえると、越前市長によるなんでも民営化路線の下での、公設卸売市場の民営化(本年6月予定)は、問題があります。
 第一に、現在の市場の業者の処遇や市民の食の安全が保てない危険性があります。「民間はコストを削ることを重視するはず。今までのように食材の安全が十分に確保できるのか心配」と業者は言い、公設地方卸売市場協会理事長は「赤字では民間経営は難しい。市場は病院と同じで公的な存在。行政が責任を放棄している」と憤っています。また、仲卸や卸売業者は「市場の使用料が高くなる」「公設だからこそ生産者は安心して商品を預ける」などと訴えています。(いずれも新聞報道)
 第二に、1988年開設以来、税金を投入して育ててきた市民の財産を「破格の条件」でただ同然売り渡すことです。とりわけ、固定資産税の50年にわたる免除は問題です。新規に民間が営利のために建設する施設に、政策誘導目的の開業時の支援という短期ならともかく、建て替えたり新規に建設される関連店舗などにずっと固定資産税をかけないなどありえない措置です。政策誘導の免除は、短期の一定期間に限られるべきとする地方税法の趣旨にも反する取扱です。


背景に国の規制緩和と法改悪

 2018年に、安倍政権は、国等の卸売市場への関与を必要最小限に止めるという内容の「卸売市場法」の改悪を行ないました。中央卸売市場開設者は国、地方市場開設者は県の許可が、卸売業者も許可が必要であったが、中央卸売市場は都道府県または20万以上の自治体に限っていた開設者を民間企業参入可とし、中央・地方とも開設者は施設規模条件を満たせば自動的に認可され、卸売業者は許可を受ける必要がなくなり、国・県の関与はなくなったのです。
 一方、EU主要国では、食料品の安定供給という公共的な役割の維持のために卸売市場を公共財と位置付け、その運営や整備に国等が主導的に関わっています。日本と正反対です。公的な存在として食品の安全と安定供給を優先することが問われているのです。


新市長の公約は卸売市場の公設維持

 新市長の選挙公報では、「卸売市場の公設維持」と明記してあります。新市長は、前市長の民営化路線をやめて、公設地方卸売市場を存続させるべきです。




おしらせ
保育・水道など公共を売るな!市民集会
 3月22日(日) 14時~
 大津市勤労福祉センター 第1第2研修室

報告1 : 水が危ない 命の水をまもろう
報告2 : 保育園民営化を今後もせず、
       公的責任で保育の質も量も確保する市政を
DVD上映「どうする日本の水道 ~自治・人権・公共財としての水を~」
             41分 アジア太平洋資料センター制作

 2.13ワンデイアクション及び新市長の市政方針、一般質問等を踏まえて、最新の大津市情勢を皆さんと共有し、水道・保育をはじめとした大津市の民営化路線を許さない集会とします。
 上映するDVDは、水は人権であり、自治の基本であることを教えてくれます。皆さん、「蛇口の向こう側」を知り、考えるまたとないチャンスです。
 皆さんのご意見や疑問をもちよって、みんなで考えるつどいとしたいと考えています。ぜひ、ご参加下さい。



〈4面〉
世界はイラン戦争NO!

武力行使のための派兵
 1月10日、河野防衛相は、海上自衛隊の護衛艦1隻とP3C哨戒機2機を中東に派遣する命令を発しました。翌11日、沖縄の那覇航空基地からP3C哨戒機部隊が出発。2月2日には護衛艦「たかなみ」が横須賀海上自衛隊基地から出港します。
中東に派遣された自衛隊は「日本関係船舶の航行の安全」を確保するため情報収集を行うとされていますが、情報は米国などと共有され、またバーレーンの米海軍第5艦隊司令部に連絡要員が派遣されます。事実上の共同作戦行動です。今回の自衛隊派遣の名目は防衛省設置法に基づく「調査・研究」です。しかし、現地で日本関係の船舶が攻撃を受けるなどした場合、武力行使が可能な海上警備行動へと切り替わります。現在の緊迫した状況の下、戦闘部隊の派遣自体が挑発的な軍事行動であり、一層緊張を高めるものです。

戦争挑発するな!
 1月3日、イラン司令官が米軍の空爆により殺害されました。米軍の行動は侵略行為であり国際法違反は明白です。攻撃されたイランは8日、イラク国内の米軍基地にミサイル数十発を撃ち込み、戦争の危機は一気に高まりました。
 トランプは即時の報復攻撃はしませんでしたが10日、経済制裁強化を発表しています。中東への3千人の米軍増派も決定済みです。

世界の反戦平和勢力とともに
 米反戦団体のANSWER連合や平和と正義のための連合、米国反戦労働者の会など、世界の反戦平和勢力は、戦争・武力行使ノーと声を上げ、1月25日の全世界反戦行動デーを呼びかけました。
 自衛隊中東派兵は即刻中止すべきです。あらゆる戦争挑発を許さず、米国にイラン核合意復帰、経済制裁解除を求め、各国に外交努力をさせなければなりません。





平和と市民自治 NO.14  2019年12月8日
〈1~2面〉
11/12、13臨時市議会
市民説明なく市の責任放棄/地域丸投げのコミセン条例可決
支所削減・公民館廃止/水道・公立保育園民営化をやめ、市民病院の医療危機を解決する
新しい年
市民の力で生活と人権まもる市政を

 早いもので、もう師走。そして新しい年を迎えます。2020年こそ、市長選挙の結果にかかわらず市民の手で、生活と人権まもる市政に転換させていくことが必要です。

 2019年の大津市政を振り返ると、市役所支所の削減(2024年度に36から11の支所へ)と連動する公民館を廃止しコミニュティセンターにする条例案を、全く市民説明せずに臨時市議会まで開いて可決、大津市立保育園の民営化(14の公立保育園中、半分近くの6園)方針案を発表、実質民営化された大津市民病院の分べん休止で赤ちゃんの産めない病院になり、救急医療も一時危機、“命の水”水道民営化を市長が再度表明する・・・。
越大津市長の市政運営は、市民の意見を聞かない民主主義の否定の連続でしたし、その市政方針は施設削減と民営化という、なりふりかまない「公共サービス」の削減に終始したものでした。11月に発表された市役所の窓口時間の短縮(2020年4月から、現行8時40分から17時25分を9時から17時に短縮)も、その一環です。大津市民にとっては何一つ良いことはなかったのではないでしょうか。

 1月19日は、大津市長選挙です。引退する越市長の市民無視の政治手法と施設削減と民営化という市政方針とキッパリと決別する、市民のための新しい市長の誕生が望まれます。。

【支所削減・公民館廃止】

 越大津市長は、市民や市議会から批判を受け、10月16日閉会の9月議会で提出を見送った公民館を廃止しコミニュティセンターにする条例案を、まったく市民説明もせず、自治連会長の同意が得られたとして11月12日、13日の両日に招集した臨時議会で提出。臨時市議会では賛成24名、反対13名で条例案が可決。
 しかし、賛成した自民党会派の賛成討論でも、「(市の説明が)地域に浸透したとは言いにくい現状であり丁寧な説明を求める。また4月1日からの移行が現実に可能か疑問が残る。」と疑問を呈し、「地域に寄り添い柔軟な対応を行うこと」と異例の注文をつけるほど不備な内容でした。
 この条例は市役所支所削減と連動するもので、市の責任放棄・地域丸投げの条例。しかし、5年後にコミセンを選択しなければ公民館として残せるので、市の公的責任をはたさせるようにしていきながら、支所削減をさせず、本当にどこに住んでも自分らしく生きられる社会をめざすまちづくりをしていきましょう。今後、新市長のもとでの2月議会が次の焦点となりそうです。

【保育園民営化】3園の民営化、当面断念!

 大津市立保育園の民営化(14の公立保育園中、半分近くの6園を民営化)方針案へのパブリックコメントは、延べ提出者数808人で、意見数1,604件のうち、民営化に賛成する意見はたったの2件(7/17大津市発表)。5月24日に締め切ったが、市の意見は未だ公表していません。
 伝え聞くところによると、6園のうち比良、唐崎、和邇の3園は耐震診断の結果、当面民営化を断念したとのこと。これは、耐震診断の結果というより、障がい児保育などの保育内容に関わる市民の不安と反対の声が作用したのではないでしょうか。また、天神山保育園については、10月16日の市議会本会議で、「在園している子どもが少なくとも卒園するまでの間市立保育園として存続させる」請願が全会一致で可決されています。
今後、保育の質の低下で子どもの人権が守れない民営化(≒株式会社化)反対の声を大きくしていきましょう。
(12月1日記)
↑ 11月10日、大津西武前で臨時市議会での条例否決を訴える中川代表



〈2面〉
11月11日 中央省庁要請行動に参加しました
                            事務局 峯本 敦子
 11月11日、改憲、生活破壊、社会保障切り捨てを許さないと「平和と民主主義をめざす全国交歓会」が呼びかけた中央省庁要請(ワンデーアクション)に参加しました。月曜日でしたが約50人が全国から集まり、「安倍政権の即時退陣を求める署名」3509筆を提出するとともに、内閣府、文部科学省、復興庁など10の府省庁と電力会社などに15件の請願・要請を行いました。
 会代表の中川てつやさんも、内閣府・地方創生推進局に対する「国家戦略特区法改正案(スーパーシティ法案)」の交渉に参加しました。
 同じ時間帯、私は、辺野古新基地、沖縄・宮古島ミサイル基地、イージスアショア、Xバンドレーダー、自衛隊の中東派兵などについて防衛省への要請・交渉に参加させてもらいました。こちらの要請団は16名、防衛省の職員は担当者13人で対応されました。
 要請団からの、辺野古新基地建設では軟弱地盤などで工事が13年以上長期化するのになぜ普天間の一日も早い危険性の除去のため、と言えるのか?との質問に「辺野古移設は変わらない。普天間の一日も早い危険性の除去に努めます」と、かみ合わない答えにもどかしさを感じました。また、「京丹後に米軍のXバンドレーダー基地というのができているが、地元住民は反対している。昨日、地元で大きな反対集会があったので行ってきたが、そこでは特殊作戦訓練をしていて住民の方角に銃を向けていた。こんな違法行為を防衛省は黙っているのか?」など京都の参加者からの訴えを聞いて、私は驚きましたが、この職員たちはちゃんと受け止めているのだろうか、とそれも不安になりました。
 要請団の皆さんの熱い訴えと、決まった返答を繰り返す国の職員の冷たい言葉をたくさん聞かせてもらい、防衛費や「桜を見る会」に莫大なお金を使うのではなく福祉や教育に税金を使ってほしいという気持ちがますます大きくなりました。

↑ 内閣府へ署名提出する中川代表(右から2人目)



〈3~4面〉

〈シリーズ〉とことん憲法生かす市政を その14

市の窓口時間短縮(4月から窓口時間が9時から17時)
県内&中核市58市中 最低の市民サービス
「働き方改革」でなく単なる経費削減


「働き方改革」はお題目 経費削減ありきの市政運営

 11月19日、大津市は2020年4月から市役所本庁や支所窓口の開庁時間の短縮(現行8時40分から17時25分を9時から17時に)発表しました。報道では、「働き方改革の一環で、開庁前準備や閉庁後の後片付けなどで仕事が続き、慢性的に時間外勤務が生じている。」とし、「推計で年間2千時間の時間外勤務と、それに見合った人件費も削減できる。」とのこと。

 しかし、これは、支所削減の方針と連動した単なる経費削減だけで実施されるもので、市民サービスの低下であり、時間外勤務は実際には削減されないと思います。
 私は長らく市役所に勤務し窓口も経験しましたが、窓口を開くための準備やその後の後片付けの時間で時間外勤務手当を申請している職員はいません。どの職場でもそうだと思いますが、開庁(窓口開始)時間には直ちに市民に対応できるようにするのは当然の勤務態度として職員が対応しているからです。後片付けでもそうです。お昼休みに相談対応でほとんど休みが取れないということも、よくあります。
 「慢性的に時間外勤務が生じている。」のは、職員を必要以上に削減しているからです。自治体職員は、、政府とそれに応じた自治体当局が推し進めた自治体リストラ・民間委託により人員削減されてきました。1996年から2015年の約20年間で実に54万4千人も減っています。これは沖縄県を除く中国・四国・九州16の全県市町村職員数(55万7千人、15年)に匹敵するすさまじい削減数です。
 大津市も志賀町合併や中核市移行など業務の増大を考えれば例外ではなく、窓口の開庁時間を短縮しても時間外勤務が2千時間も削減されるとは考えられません。過去行なわれた越市長の号令の下の「仕事ダイエット運動」での時間外削減の「成果」が、サービス残業で成り立っていましたが、「成果」が出るなら、同じようなことが起きるでしょう。


経費削減のしわ寄せは
県内&中核市58市中、最低の市民サービス低下へ

 主な狙いは、経費削減です。今、大津市の窓口対応は税、福祉、支所、料金収納、図書館など大半が非正規雇用職員です。市役所全体では47%、2人に1人の方が非正規雇用職員なのです。そして、この非正規雇用職員さんを、会計年度任用職員制度開始の来年4月からフルタイムでなく、開庁時間に合わせて9時から17時の勤務時間にしてしまえば大幅な人件費の削減につながるのです。「働き方改革」や「時間外勤務縮減」はお題目に過ぎません。

 そのあおりを受けるのは市民です。支所削減に反対し署名や宣伝活動を継続して行なっていますが、「17時に仕事を終わって25分までに支所に駆け込んで、証明や手続をしていたがそれができなくなる。困った」という声をあちこちで聞きます。市当局は、その時間帯に来る方は少ないと言いますが、少なければ切り捨てていいのでしょうか。職員はまだ勤務時間内で、職場にいるのに対応しないとなると、「冷たい市役所」と言われるでしょう。また、市当局はコンビニで証明が取れると言いますが、とれるのは3種類(所得証明、住民票、印鑑証明)だけです。証明は各種手続の説明とともに市民に対応して初めてどの証明を取れば良いのかがわかる場合もあり、特に地域の高齢者からはそうした要望をよく聞きます。コンビニは、そんな対応をしてくれません。
 さらに、県内の自治体はいずれも8時30分から17時1 5分で、草津市や高島市などは仕事をしている方のために月に数度窓口時間を延長しています。全国の大津市と同規模の中核市58市でも9時~17時はありません。これでは、県内&中核市で一番サー ビスの悪い自治体となってしまいます。市当局の言う「まちづくり」とは、市民に負担を強いる丸投げと言わざるを得ません。

 このような経費削減だけの目的での窓口開庁時間短縮は、支所削減や公民館廃止の政策手法と同様で、確実に市民サービスを低下させます。


〈4面〉
12月4日(水)
「桜を見る会」私物化許すな 安倍内閣は退陣デモ

 ウソ、隠ぺい、廃棄・・・どこまで腐っているのか安倍政権。「桜を見る会」に見られる政治の私物化と腐敗には、堪忍袋の緒が切れました。安倍後援会の接待に税金を使う私物化。
 その象徴が2015年には反社会勢力の悪徳マルチ商法の「ジャパンライフ」会長を安倍首相が招待した疑惑です。招待者名簿には、他にも説明のつかない方がたくさんいたのではないでしょうか。だから共産党議員から資料請求された日に名簿を直ちに廃棄した・・・全てがつながってきます。国家を私物化し税金を食いものにする、腐敗の極致というべきこんな政権はイラン!の声を上げましょう!

↑  JR膳所駅からパレードしました



平和と市民自治 号外NO.11  2019年11月15日
11/12(火)・13(水)市長招集の臨時市議会
市役所支所削減と連動する
市の責任放棄/地域丸投げのコミセン条例可決

市民に説明しない市政運営は民主主義の否定
市民のための市政に転換させよう
 越大津市長は、市民や市議会から批判を受け、10月16日閉会の9月議会で提出を見送った公民館を廃止しコミニュティセンターにする条例案を、まったく市民説明もせず、自治連会長の同意が得られたとして11月12日、13日の両日に招集した臨時議会で提出しました。臨時市議会では、賛成24名、反対13名で条例案が可決されました。

 しかし、市民無視の市政運営は改まっていません。議会では、条例案が修正されているのに、市長は「公民館をコミセンにする方針は変わっていない」と“ご飯論法”を繰り返し、市民説明をしていないのに「市民に真摯に向き合ってきた」と開き直り、満席の傍聴者からどよめきが起こったほどです。
 条例案に賛成した最大会派のひとつ湖誠会ですら「(市の説明が)地域に浸透したとは言いにくい現状であり丁寧な説明を求める。また関連規定が出来ていない中、4月の運用開始について現実に可能か懸念がある。」と疑問を呈し、「地域に寄り添い柔軟な対応を行うこと」を求めました。賛成でもこうした異例の「注文」を付けざるを得ないほどの、不備のある、そして市民への説明が不十分な条例案であったことを表しています。

 この条例は市役所支所削減と連動するもので、市の責任放棄・地域丸投げの条例です。市民の声を無視し民主主義を否定しておいて「まちづくりのため」と言うのはブラックジョークにしてもひどすぎます。市民無視の越市政を変えましょう。


公民館廃止・コミセン設置条例の採決画面(11月13日市議会本会議) ↓
※白抜き氏名が賛成議員、白地に黒地氏名が反対議員



「市民の命と生活をまもる署名」にご協力を!

 当会では、越大津市長の進める市民無視の市政を変えるため、大津市に対して「市民の命と生活をまもる署名」を始めました。保育園・水道の民営化を止め、支所をずっと存続させ、市民病院の医療の充実で大津市を良くするためです。ぜひご協力ください。
 家族、友人、ご近所から集めて会にご返送ください。

※署名用紙は会HPからダウンロードできます。ネット署名も行なっています。




平和と市民自治 号外NO.10  2019年11月10日

ここまでやるか!?市民無視の越市政
市民説明せず公民館廃止・コミセン条例提出
11/12(火)・13(木)臨時市議会

市役所支所削減と連動する
公的責任放棄・地域丸投げの条例は否決を
 越大津市長は、10月16日閉会の9月議会で提出を見送った、公民館を廃止しコミニュティセンターにする条例案を、市民説明もせず11月12日、13日の両日に招集した臨時議会で提出し採決・成立をはかろうとしています。
 この条例は市役所支所削減と連動するもので、公的責任放棄・地域丸投げの条例であり否決しかありません。ひどすぎる市民無視の越市政を変えましょう。

2転3転・・・「市民へのより丁寧な説明」もせず

 この条例案の経過は以下です。
 9月2日 9月議会へ提出
 9月25日 当初案を撤回し、新案の再提出を表明。
 9月30日 本会議で当初案撤回が可決される
 10月1日 新案(5年で可能な学区から移行)の内容を市議会各会派に説明 同日自治連から見送り要望。
 10月2日 新案も提出を見送り表明。(10/16閉会)
 ※市議会議長「市民へのより丁寧な説明を求める」
 11月5日 市長 自治連会長から承認があったとして12,13日でコミセン条例採決表明
 9月議会閉会後、半月。地域の市民はまったく市の提案を知りません。議長の異例の「勧告」もどこ吹く風。条例成立を自己目的化した市民無視の独断専行は安倍政権の強行採決と重なり、度を超えています。

市長・議会へ要請、傍聴を 条例案は否決を

 9月議会では、一般質問でコミセンについて、市がこれまで市民に説明してきた内容と違うことが指摘され、市もそれを認めました。にもかかわらず、市長は説明責任を果たそうとしていません。
 今すべきことは、臨時議会で強行採決をすることではなく、しっかりと市民に説明することです。市民を無視し民主主義を否定しておいて「まちづくりのため」と言うのはブラックジョークです。条例案は否決しかありません。 

「市民の命と生活をまもる署名」にご協力を!

 当会では、越大津市長の進める市民無視の市政を変えるため、大津市に対して「市民の命と生活をまもる署名」を始めました。保育園・水道の民営化を止め、支所をずっと存続させ、市民病院の医療の充実で大津市を良くするためです。ぜひご協力ください。
 家族、友人、近所から集めて会にご返送ください。

※署名用紙は会HPからダウンロードできます。ネット署名も行なっています。




平和と市民自治 NO.13  2019年10月8日
〈主な記事〉
支所削減・公民館廃止 水道・公立保育園民営化 市民病院の医療危機
民営化と経費削減ありきの越市政では
市民の人権は守れない
市民のための市政に転換させよう


公民館廃止のコミセン条例当初案撤回・修正再提出
→提出見送り 市民無視の迷走越市政

 越市長は9月25 日、9月市議会に提案していた公民館を廃止しコミュニティセンター(コミセン)を全学区に設置する条例の議案を撤回し、公民館のコミセン化は一律でなく可能な学区から設置できるように修正して10月3日に再提案し、10月16日に市議会で採決を求めると表明。9月30日の市議会で再提出すると明言して撤回が可決されました。しかし、10月3日には「円滑にすすめていくためにいったん見送る」と今議会で条例案を見送ると表明しました。
 市議会一般質問の中でも「何のために公民館を廃止しコミセンを設置するのか」と問われ、市当局は具体的内容のない「まちづくりの拠点」との答弁のみでした。また「営利活動もできるコミセンとは。公共施設とは思えない」「学区で受け皿ができていない」など批判が相次ぎました。そのため否決されないように撤回・修正するというつもりだったが、条例案への議会の賛同を得るためだけに修正を施すやり方に批判が集まり、立ち往生して今議会では見送りということなのでしょう。
 今議会の条例案をめぐる取りあつかいは、市民への説明は何もなく、ある意味「議会」という密室で処理しようとして、それもうまくいかずコロコロと方針変更を重ねるという市民を無視し愚弄する市政運営です。

 この支所削減と公民館廃止は、「市の限られた財政の中で何に使うかが出発。支所利用は多くなく限られていることから必要最小限度のものを残していく。」(7/31市答弁)という市民生活を考えない経費削減のための理念無きコミセン化は、大津のまちづくりに寄与するとはとても思えません。このコミセン条例を可決させてはなりません。

保育園民営化 市民の賛成わずか0・1%

 大津市立保育園の民営化(14の公立保育園中、半分近くの6園を実質株式会社化)方針案へのパブリックコメントは、延べ提出者数808人で、意見数1,604件のうち、民営化に賛成する意見はたったの2件(7/17大津市発表)でした。結果詳細はまだ未公表ですが、9月議会で市は障がい児保育やスケジュールの見直しの意見が多かったと答弁。

市長「民営化は撤回しない」

 現在でも障がい児の受け入れは、受け入れ体制の面で重度は市立園で民間は軽度が大半となっている現状から、民営化されると障がい児保育の危機を招くという保育の質を問う意見が多かったことを示しています。これに対して、市は「民営化実施のスケジュールは見直す。障がい児保育は、協定を結んだ公私連携保育法人へ移行する」等答弁しましたが、市長は「保育園の民営化で生まれる財政的効果を、保育の量と質に活用することで待機児童を解消する。民営化を白紙にもどす考えはない。」と、99.9%の市民が反対し危惧を抱く民営化を進めると表明しました。
 民営化で、保育の質が保てなくなるのは明らかです。(3~4面参照)わざわざ協定を結んだ公私連携保育法人をつくるより、市立園を拡充して要支援児の受け入れを増やすことが保育の質も量も増やすことになるのに、なぜしないのでしょうか。経費削減=コスト論から出発した保育園民営化方針、そして公共サービスのなんでも民営化では、子どもはもちろん私たち市民の命と人権は守れません。
(10月3日記) 



〈シリーズ〉とことん憲法生かす市政を その13

株式会社化すすむ大津市の保育園
保育水準が保てない
公立保育園の民営化には絶対反対

市長は保育園の株式会社化を推進

 市長は、4月に「逢坂、天神山の2園を民営化、伊香立は民間こども園への移行を検討。比良、唐崎、和邇の3園は耐震診断の結果を踏まえ民営化を検討」と14の公立保育園中、実質半分近くの6園を民営化する方針を発表しました。市長は、コスト論と数字上の「待機児童ゼロ」達成のため、株式会社保育園の参入を促進させています。2019年4月と来年4月に開設(来年度分は予定)した保育園は13園ですが、そのうち実に7割の9園が株式会社保育園です。民営化となれば、株式会社の参入はもっと増えるでしょう。
 公立であろうと、株式会社であろうと保育に国の基準に従っているなら変わりはないのでは?と言われますが、はたしてそうでしょうか。

怒鳴りつけ、呼吸チェックもしない

 ある東京都内の株式会社保育園のパート保育士社員が打ち明ける。4年働いてやっと時給1400円。担任を持つがボーナスはなく手取り月20万円に満たない。
「担任を持つ2歳児クラスでは子どもを12人預かっていた。うち2人に発達支援の必要な子どもがいた。・・・本来なら保育士を増やす「加配」が必要だが、保育士は配置基準通りの2人体制。一人ひとりを見る余裕はまったくない。保育士数はギリギリで用務員は雇われていない。(お昼寝する時、国によるガイドラインにより保育者はうつ伏せ寝による窒息死防止のため、睡眠中の呼吸チェックを行なわねばならない)この保育園では呼吸チェックは行なわれず、保育士は園児らが眠る部屋を離れてトイレ掃除を行なっているような状態だった。皆が余裕無く働き、同僚は怒鳴りつけて子どもを従わせる。そうした保育が職場で浸透してしまっている・・・」

何の保育もしないのは、虐待では?

 神奈川県の株式会社保育園。「2歳児クラスの担当だが、0~1歳児も一緒の合同保育。乗用車1台分ほどのスペースに20数人がすし詰めにされ、朝7時から「アンパンマン」などのDVDを延々とながし、置かれている玩具はマクドのハッピーセットのおまけ。保育士が一人ついて見守るだけ。おやつ、昼食、お昼寝、おやつをはさみ、19時まで延々と続く。お昼寝はなんの活動もないため寝付けない。何の保育もしないのは「虐待ではないか」と思った・・・夏の暑い日に汗をかいても着替をしない。もとからいる保育士は『ずっと室内だから着替えなくていいよ!』ここでは保育はできないと2週間で辞めた。」 

3年で2・6倍!増える重大な保育事故

 内閣府の調査によると、認可保育所の死亡を除く骨折等の重大事故は、2015年と比して2.6倍と3年間で急増しています。
 これは、国の保育士の配置基準が守られているにもかかわらず、子どもを見きれていないことを示します。認可保育園でも安全とは言えなくなっています。

保育士待遇改善せず、保育規制緩和が原因

 政府は、1997年の児童福祉法改悪を皮切りに、保育市場への株式会社の参入を認め保育士の設置基準をつぎづきと切り下げてきました。園庭がなく暗く狭い保育室に押し込める「すし詰め保育」・・・。
 ついには、安倍政権は、今年4月から国家戦略特区で保育士が配置基準の6割でも認可保育所なみにあつかう制度などを創設しました。政府は、保育士の待遇改善をしないばかりか、保育士の配置基準を引き下げ、保育士資格をもたない「保育人材」の拡大を図っているのです。安上がりの保育人材は、保育市場に参入する株式会社に利益をもたらします。保育の質の低下は、すでに現実のものとなりつつあり子どもの安全や健やかな育ちが脅かされているのです。認可保育園での重大事故の増加は、株式会社保育園に参入を促す政府の規制緩和が原因です。

もうける事業としての保育園でいいのか

 保育が株式会社にゆだねられれば、当然のことながら産業化し、もうけが優先されます。
 保育園は一体誰のためにあるのでしょうか。もちろん子ども達のためです。決して企業がもうけるためにあるのではないのです。
 子どもの権利条約と厚労省の定める保育所保育指針の主旨は「子どもの最善の利益を主として考慮する」とあります。子どもの人権と命はコストでははかれません。そのため児童福祉法では、自治体に保育園の設置義務があるのです。これを無視し、営利企業である株式会社に保育所整備をゆだね続けていいのでしょうか。
 株式会社では、保育士の待遇も劣悪になっています。社会福祉法人の保育事業での人件費比率は全国平均で72.5%(2017年度経営分析指標 (独)福祉医療機構)となっており、また民間保育園へ国や自治体から支出される運営委託費も国はその委託費の7~8割を人件費としているが、大津市にも開設し全国展開しているある株式会社保育園は人件費比率32.5%(2015年度 東京23区)と極端に少ない事例があります。本来使うべき人件費に委託費を回していないのです。これでは、保育士は定着せず良い保育もできないのではないでしょうか。

障がい児保育が危機になると認めた市長(9月議会)
株式会社でなく公立保育園の存続拡充こそ必要

 市長の民営化方針に対してのパブリックコメントは、反対が圧倒的多数です。特に障がい児保育への不安が大きく、9月議会では市長「民営化スケジュールの見直し」と「障がい児保育については、要支援児を受け入れてもらえる協定を結ぶ保育園へ移行する」と答弁。民営化では障がい児保育に危機を招くことを暗に認めました。
 しかし、「保育園の民営化で生まれる財政的効果を、保育の量と質に活用することで待機児童を解消する。民営化を白紙にもどす考えはない」と答弁。
 民営化で待機児童の数の上での解消に近づいたとしても、死なせなければ良いと言う程度の保育の質であってはなりません。待機児童解消に向け、公立保育所の民営化をやめ、公立含む認可保育所の増設と、保育士が安定的に働けるよう抜本的な処遇改善を行い、保育の質も量も確保することを方針化すべきです。株式会社の利益でなく、子どもの人権と保育士の働く権利を保障することが必要です。それが国と自治体の責務です。
(注)株式会社保育園の実態の記述は、雑誌「世界」9月号「ルポ株式会社保育園」、岩波新書「ルポ保育格差」より抜粋。




平和と市民自治 号外NO.9  2019年9月10日

市民の声あつめ、越市政を変え、生活と命をまもろう!

支所を減らさず、くらしを守る
公立保育園と水道の民営化許さない
公的責任で市民病院の医療危機解決

  大津市議会が9月2日から開会されました。今議会では、大津市役所36の支所の11への削減とあわせて計画されている公民館を廃止する大津市コミュニティセンター条例が提案されました。この条例は可決させず、越市長の市民に冷たい市政を変えましょう。

◆36支所は減らさず ずっと存続・拡充

 市長は市内36支所の人員を削減し、窓口時間短縮、公共料金取扱い廃止など市民サービスを削り、来年から公民館を廃止し、5年後には11支所に削減しようとしています。高齢者や障がい者を切り捨て、公的責任を放棄するもので、決して許せません。

◆公立保育園・水道の民営化を許さない声を大きく

 大津市立保育園の民営化(14の公立保育園中、実質半分近くの6園を実質株式会社化)方針案へのパブリックコメントは、延べ提出者数808人で、意見数1,604件のうち、民営化に賛成する意見はたったの2件(7/17大津市発表)。越市長の「命の水」水道の民営化も含めて、市民はその危険性を見抜いています。

◆分娩の再開と十分な救急医療体制の確保を

 大津市民病院では、本年6月から産婦人科の6人の医師の内3人が退職したため分娩の取り扱いが休止されました。さらに救急を受け入れる「救急診療科・集中治療部」の7人医師の内6人が同月末で集団退職する事態が起こりました。
 この医療危機は、2年前に越市長が強引に進めて、財政支援を極端に縮減した独立行政法人化(=民営化)が原因です。経営効率優先のコスト論では、市民の命と健康は守れません。地域医療の充実へ公的責任を明確にして、市直営にもどすなどの抜本的解決策が必要です。

「市民の命と生活をまもる署名」にご協力を!

 当会では、越大津市長の進める市民に冷たい市政を変えるため、新たに大津市に対して「市民の命と生活をまもる署名」を始めました。保育園・水道の民営化を止め、支所をずっと存続させ、市民病院の医療の充実で大津市を良くするためです。ぜひご協力ください。
家族、友人、近所から集めて会にご返送ください。

※署名用紙は下のボタンからダウンロードできます。ネット署名も行なっています。
 (9月5日記)





平和と市民自治 NO.12  2019年8月1日
〈主な記事〉
参院選滋賀選挙区
野党統一候補 嘉田さん当選!
改憲勢力3分の2割れ実現!

安倍改憲政治の変化を大津市政にも
市民に冷たい市政を変えよう
「市民の命と生活を守る署名」にご協力を

 日本の未来を決める選挙-参議院選挙は、参議院で自公維新などの改憲勢力が9条改憲発議に必要な参院の3分の2(164)を維持する85議席を獲得できませんでした。国民は、9条をはじめとする改憲発議を直ちにできない状況を選択したのです。
 滋賀県では、野党統一候補の嘉田由紀子さんが勝利しました。安倍首相や菅官房長官、小泉進次郞氏など首相官邸の総力を挙げて選挙中に何度も滋賀県入りした強大な権力に、市民と野党の共闘が勝利したのです。「市民と野党の共闘勝利!総がかり行動・しが」の一員としてこの参議院選挙に深く関わった一員として、本当に大変うれしく思います。
 この結果で「息をするようにウソをつく」安倍政治は、必ず変化が起きると思います。同時に、国政と密接に関連する越直美大津市長の進める市民に冷たい大津市政にも変化を起こすことが必要です。
 前号で、市役所支所の36から11への削減反対、保育園・水道などの民営化反対、市民病院の医療危機の解決を訴えました。どれも私たちの市民生活を直撃する問題ばかりですし、今後も大変重要な局面を迎えます。 

支所は削減でなく、
日常生活圏にある支所の拡充こそ

 支所削減問題は、7月17日まで市内全36学区で市の実施案の説明会が行なわれました。詳細は7月末にまとめられるようですが、どの説明会でも、市民の反対の声が大半を占めています。大津市は、人口減少・少子高齢化社会に対応するものと言いますが、支所削減は削減地域での日常生活が不便になるという問題だけでなく、「少子高齢化社会」に対応しないばかりか、長期的には人口減少対策にも逆行します。
 市の案は、市街地中心部に公共施設をあつめ、周辺地域を切り捨てることで市内中心部への転居等コンパクト化と経費削減を推進するものです。しかし、人の流れはそうはなりません。逆により便利な他都市等への人口流出を招くでしょう。
 人口減少に歯止めをかけるのは、生活の利便性と住みやすい町がカギです。小学校区という徒歩圏の日常生活圏の整備をしっかりとすすめ、公立保育園の拡充などでの子育て少子化対策、充実した高齢者対策を行なうことで人口減少に歯止めがかかると考えます。
 これに大津市の誇るべき36小学校区への市役所支所の存在を活用しない手はありません。日常徒歩圏の支所に高齢者や子育て支援や社会教育、まちづくり、防災機能が配置されたより充実した支所を整備することで、住みやすい、子どもを産んでも安心な地域をつくることができます。その安心感こそ大切です。行政の公的責任を後退させるような支所の業務削減と5年後の支所そのものの削減はもってのほかです。(次号詳報)

保育園民営化に市民の支持なし

 大津市立保育園の民営化(14の公立保育園中、実質半分近くの6園を民営化)方針案へのパブリックコメントは、延べ提出者数808人で、意見数1,604件のうち、民営化に賛成する意見はたったの2件でした(7/17大津市発表)。越市長のコスト論と数字上の「待機児童ゼロ」達成のため、株式会社保育園の参入を促進し、保育水準が切り下げられる公立保育園の民営化の危険性を市民は見抜いています。民営化を止めましょう。

「市民の命と生活をまもる署名」にご協力を

 当会では、越大津市長の進める市民に冷たい市政を変えるため、新たに大津市に対して「市民の命と生活をまもる署名」を始めました。ぜひご協力ください。家族、友人、近所から集めて会にご返送ください。 (7月23日)

署名用紙はこちらからダウンロードできます 


〈シリーズ〉とことん憲法生かす市政を その12

市民病院の医療危機は独立行政法人化(民営化)が原因

コスト論でなく、命と健康を守る地域医療の充実へ
公的責任を明確にした財政出動を!

市民病院の医療危機

 大津市民病院では、本年6月から産婦人科の6人の医師の内3人が退職したため分娩の取り扱いが休止されました。さらに救急を受け入れる「救急診療科・集中治療部」の7人医師の内6人が同月末で集団退職する事態が起こりました。現在は、大津市民病院のホームページでは、「24時間365日万全の体制のもと、救急患者の受け入れ・治療を行ってまいります。」(7/17付)と告知され、救急医療体制の崩壊は当面回避されたようです。
 しかし、危機が去ったわけではありません。分娩取り扱い中止のため、 66人の妊婦の方が転院を余儀なくさせられ、遠い実家に帰った方もおられるなど精神的・経済的に大きな負担を負ったのです。また大津市民病院は、経済的困難を抱える妊産婦が出産費用の助成を受ける「助産制度」の市内唯一の指定施設。他にないため他市町で出産することになれば、交通費など身体的・経済的負担はさらに重くなります。

政府の医療費削減・民営化が背景

 なぜ、こんなことが起こるのでしょうか。安倍政権の社会保障費・医療費抑制の方針の下、「公立病院ガイドライン」(2007年)で経営の黒字化を優先させ、自治体病院の統廃合、独立行政法人化、民間委譲が進められてきました。この流れに追随して越大津市長は、2017年4月に大津市民病院を市直営から独立行政法人(実質民営化)とし、大津市から経営を切りはなしたのです。政府のガイドラインでは、「経営の効率化」を優先させ、「経営指標の数値目標」の設定と実行を求め、目先のコスト削減が優先されます。
 当時の院長は医療雑誌のインタビュー(2018年1月)で「病院の収益を職員全員で上げていく」「生産性のある残業なのか調査し、残業は減った」と述べています。救急や産婦人科などの業務の厳しい職場で給与や待遇改善のないまま、「意識改革」と称した実態を見ない「締め付け」が行なわれたとしたら、多くの職員が去ったのもうなずけます。

不採算医療の産科・救急等こそ
コスト論でなく公共の責任を

 自治体病院は、病気を治すだけでなく「助産制度」など保健行政や福祉行政と連携して「健康で安心して住み続けられる地域」づくりの柱としての役割があります。そのなかで、「救急医療」「小児医療」「周産期医療」「災害時医療」等の採算が取りにくい、言わば「公共性の高い医療」はしっかりと確保していく役割があります。もともと不採算医療を積極的に行なう自治体病院に、単独で黒字化を求めることは困難を伴うのです。
 大津市が市民病院を独立行政法人化した際にも、向こう4年間市民病院に対して年間24億円を上限に運営負担金の拠出を約束しました。しかし、本年度は病院側の21億9千万円の要請に大津市は当初予算で9億5200万円しかつけていません。これでは、もともと赤字の市民病院がさらに経営困難になり病院の存続=地域医療の存続すら危ぶまれる事態です。ところが市は、(独立行政法人であるため)「病院が努力すべきこと」と、医師確保をはじめ地域医療に責任をもつ姿勢を示していません。6月市議会では、市民病院の深刻な現状からみて市の運営負担金が少なすぎるとして、予算案の組み替えを求める動議が提出されました。結局、大津市は9月に補正予算を措置するとしましたが、根本的な解決にはほど遠い対応です。
 これでは、早晩「医師不足」は再燃するのではないでしょうか。市内救急搬送の1/4を受け入れる救急医療の危機、そして分娩再開は先の先と心配されます。大津の「子育て支援」の看板に偽りありと言わざるを得ません。

安倍政権に追随せず自治体の責務果たせ

 不採算医療をはじめ地域に必要な医療を確保・充実するためには、病院運営等への財政措置の拡充こそ求められています。越大津市長は、安倍政権の進める自治体病院の実態を無視した国の締め付け・介入に追随せず、自治体病院が果たす役割を明確にし、市民の命と地域医療を守るため、コスト論ではない設置者としての大津市の公的責任を果たしたうえ、市民病院を再度市直営に戻すべきです。



平和と市民自治 NO.11 2019年6月7日
〈1~2面〉
◆支所削減  ◆保育園民営化  ◆市民病院でお産休止
市民の人権置き去りの越大津市政を変えよう
学区支所削減説明会に出席し反対意見を

〈3~4面〉
子どもの命と人権をコストではかる民営化は反対!
公立保育園民営化案は白紙撤回しかない



平和と市民自治 号外NO.8 2019年4月7日 
市民運動と38年間の
大津市行政経験をもとに
大津市を改革します

とことん憲法を生かす大津市政に!
市民サービスの切りすてをゆるさず公的責任の拡充を!
自治体の役割は憲法の3大原則(基本的人権の尊重、国民主権、平和主義)を地域で実現することです。
国の言いなりでなく、とことん憲法を生かし公的責任で市民の命と暮らしを守る大津市をめざします。

36支所は減らさず、ずっと存続・拡充
市長は市内36支所の人員を削減し、窓口時間短縮、公共料金取扱い廃止など市民サービスを削り、5年後には11支所に削減しようとしています。高齢者や障がい者を切り捨て公的責任を放棄するもので決してゆるせません。支所削減をやめさせ、支所機能を充実させます。

水道・保育園などの民営化をゆるしません
命の水」の民営化は料金値上げや水質、供給の問題により市民の生存権をおびやかします。保育園民営化は、保育水準を切り下げ「詰め込み保育」を加速します。
水道・保育園などは市の責任で市民ニーズに応えるべきです。

公的責任で福祉・医療を拡充し、市民サービス向上をはかります
国の言いなりでなく、大津市は一人も取り残すことのないよう公的責任を果たすべきです。
尊厳あるくらしを守り、「自立支援」の名による介護きりすてに反対します。
地域丸投げ、民間まかせでなく、公的責任の下で高齢者施策を充実させます。
目標も計画もない大津市の子ども貧困対策を抜本的に改革します。はく奪指標を用いた実態調査に基づく数値目標及び貧困対策計画をつくり実行します。

議員特権の政務活動費は廃止、議員報酬は削減します
議員報酬との二重取りである「政務活動費」は廃止します。また、大津市の議員報酬を全国の市の平均と同等になるよう3割削減します。4年間で浮く5億3千万円を市民生活にまわします。
市民目線の市議会に改革します。市民に陳情での発言を保障し「フリースピーチ制度」などの市民参加制度をつくります。

徹底した情報公開で説明責任をはたす市政に改革します

越市長にものが言えない職員管理をやめさせ、職員が市民の立場に立って働く意欲を高め、市民サービスの向上をはかります。

コスト論だけの人員削減に反対し、必要なところに職員を増やします。

生活と地方自治をこわす憲法改悪に反対 原発は廃止へ

平和と市民自治 号外NO.7 2019年3月15日 
とことん憲法を生かす市政に
支所を減らさず、くらしを守る
水道・保育園の民営化をゆるさない
政務活動費廃止、議員報酬削減

自治体の役割は憲法の3大原則(基本的人権の尊重、国民主権、平和主義)を地域で実現することです。国の言いなりでなく、とことん憲法を生かし公的責任で市民の命と暮らしを守る大津市をめざし、市民が主人公の大津市をともにつくりましょう。

36支所は減らさず ずっと存続・拡充を
市長は市内36支所の人員を削減し、窓口時間短縮、公共料金取扱い廃止など市民サービスを削り、5年後には11支所に削減しようとしています。高齢者や障がい者を切り捨て、公的責任を放棄するもので、決してゆるせません。

水道・保育園などの民営化をゆるしません
市長はガスに続き水道事業も民営化しようとしています。「命の水」の民営化は料金値上げや水質、供給の問題により市民の生存権をおびやかします。水道・保育園などは市の責任で市民ニーズに応えるべきです。

公的責任で福祉・医療を拡充し、市民サービス向上をはかります
国の言いなりでなく、大津市は一人も取り残すことのないよう公的責任を果たすべきです。
尊厳あるくらしを守り、介護きりすてに反対します。
子どもの貧困対策に関する計画をつくり実行します。
越市長にものの言えない市の職員管理をやめさせ、職員の市民の立場に立って働く意欲をたかめて市民サービスの向上をはかります。
コスト論だけの人員削減に反対し、必要なところに職員を増やします。

政務活動費は廃止、議員報酬は削減します
議員報酬との二重取りである「政務活動費」は廃止します。また、大津市の議員報酬を全国の市の平均と同等になるよう3割削減します。浮いた5億3千万円(4年間)を市民生活にまわします。

徹底した情報公開で説明責任をはたす市政に改革します

生活と地方自治をこわす憲法改悪に反対 原発は廃止へ
憲法は私たちの生活と権利の基盤。9条をはじめとした改憲に反対です。
命とびわ湖をおびやかす原子力発電の稼働・新増設に反対します。

平和と市民自治 NO.10  2019年3月1日

36支所を充実しずっと存続を
“命の水”水道民営化は絶対ダメ

コスト論だけの
市民に冷たい越市政を変えよう

仰天の支所削減計画
サービス低下と5年後の削減に反対

 2月1日発表「大津市市民センター機能等のあり方実施案」(市役所の支所削減計画)の実態が明らかになってきました。2020年度から支所36を10に減らす案から、36の支所全てを5年間存続させるかわりに、下記の表のように25支所については公共料金が払えない、午後3時に閉まる、などサービスを大幅に削減する案となっています。
 越市長は「支所を減らすことが目的ではなかった」(2/1記者会見)と言いますが、それならなぜ5年限りの存続なのでしょう。もともと市長は一貫して支所削減案は撤回しないと議会でも明言していました。新提案により削減を撤回したわけではありません。このまま2025年度から再見直しがされれば25の支所は廃止という結論になります。
 当初の大津市素案よりひどい、仰天の支所削減計画はとうてい納得できるものではありません。

“命の水”水道の民営化にNO!
公的責任の堅持を

 昨年10月、越直美大津市長は水道事業の民営化を進めたいと発言しました。採算性や収益性を求める企業が運営すれば、採算の取りにくい地域では料金を上げるしかありません。
 フィリピンの水道民営化では料金が4~5倍になり、貧困地区には水道管さえ敷設されませんでした。シドニーでは寄生虫が混入したため2ヶ月もの間、市民は水道水を煮沸して使わざるを得なくなりました。
 2月2日、日本で初めて上水道事業の民営化を計画していた浜松市は延期を発表しました。水道法の理念である「清浄にして豊富低廉な水の供給」は、水を商品とする民営化とはそもそも相容れないのです。



〈シリーズ〉とことん憲法生かす市政を その10

人員削減、支所機能削減ありきの実施案反対

支所を充実・存続させ高齢化社会に対応を!

地域によってサービスが違う!
➡憲法の平等の原則に反する

 実施案では、1面の表のように、11の基幹支所とその他の25の支所では、窓口時間もサービスも違います。その他の支所では、税金も水道料金や保険料などの公共料金を払えません。納税証明や戸籍・固定資産関係の各種証明は取れず、税金や戸籍関係の届出もできません。「納付書を紛失しても支所で払えたのにできなくなる」、そもそも「同じ税金を払っているのに、おなじサービスが受けられないのはおかしい」と声があがっています。特に旧志賀町区域の北部や瀬田4学区、青山、田上、上田上の広大な地域でそれぞれ1又は2の支所でしか、これまでのような業務をしないというのは、周辺部切り捨てに他なりません。憲法14条の平等原則に違反するのではないでしょうか。

職員半減! 現場からは悲痛な声

 基幹支所含めた36支所で半数の115人の職員削減(231人⇒116人)、公民館専門員は全廃。4割の支所が2人体制となります。これでは病欠者が出るとたちまち支所業務はマヒします。しかも、素案は1年後の2020年からだったのが、この4月から支所の窓口臨時職員20人を早くも削減するというのです。現場からは、「この4月から1年間は、これまでと業務量は変わらないのになぜ減らすのか」「しっかりと対応ができなくなる」と悲痛な声が上がっています。
 市は削減の根拠に業務量調査を上げていますが、これは昨年の11月に大慌てでおこなったもの。そして、その業務量調査議員にも開示されておらず根拠すら不明。(2/14段階)人員削減、コスト削減ありきで、そのための根拠付けの調査をして、その人数に合わせた業務内容と業務量をあてはめたとしか考えられません。事実、市議会議員からも「人数を決めてから業務量を減らしていると思えてならない。この時点で人数を出すのはおかしい」と疑問の声が出ているほどです。(2/14市議会公共施設対策特別委員会)

都合の良い意見のつまみ食い
削減ありきの実施案

 市は、「説明会で市民の皆さんにいただいた意見をもとにつくった」と、「支所の職員が半分になって待ち時間が増えても良いので減らさず継続して欲しい」「支所をこのまま残して、曜日や時間を工夫しては」という意見を例示しています。しかし、この真意は5年限りでなく支所のずっと存続のためのやむにやまれぬ声なのです。
 一方「公民館のコミセン化で職員がいなくなることでデメリット心配。地域への丸投げでいいのか」の声に応えず公民館生涯学習専門員を廃止しコミセン化し職員ゼロへ。また「支所存続・充実」の声は各地域ともありましたし、防災に至っては「地域丸投げ」批判がたくさんあったが、それも紹介すらされていない。職員削減の結論に沿った極めて恣意的な選択をしているとしか考えられません。

実施案は「その他支所」削減への誘導策

 支所に用事のある場合、その他支所では、窓口時間も短く、行ってもできない業務が多いので、自然と遠い基幹支所へ市民は集まるでしょう。これを5年間続けて、その他支所の利用者は年々減って必要ないと結論づけて削減することが目に見えています。窓口時間と取扱業務の縮小、人員削減は、基幹支所と5年後のその他支所の削減への誘導策にほかなりません。
 この実施案は、「住民自治の確立」に名を借りた周辺地域・高齢者・障がいのある方等へのサービスの切り捨てであり、高齢化等の地域の特性やまちづくり、住民のニーズは考えられていません。結局、支所削減のためのつゆ払い計画であり、このまま実施させてはなりません。




平和と市民自治を考えるつどい part2

3月21日(木 春分の日)   14時 開会

     報告 「憲法生かす大津市政へ」会代表 中川てつや
     講演 「市民自治力が、まちを幸せにする」
            元東京都国立市長 上原公子
     16時15分 終了

場所 滋賀県民交流センター ピアザ淡海(おうみ)302号室
   ※大津市におの浜(JR膳所駅徒歩12分 京阪石場駅徒歩5分)

チラシ クリックすると大きくみられます ↓
平和と市民自治 NO9 2019年2月4日

市役所支所削減問題で修正案
市民の批判で存続期間延長も、業務と窓口時間は縮小
5年後には11支所に削減(25支所減)

困ったときのライフライン 支所はずっと存続・充実を

 昨年の秋から、平和と市民自治の会では、市役所支所を36から10に減らす案(来年4月より予定)に反対し、地域で宣伝や署名に取り組んできました。

大津市が5年間のみ支所存続の修正案
来年削減は回避も、従来よりサービス低下

 そんな中、大津市が支所問題で、2024年まで5年間36の支所を残す修正案をまとめたとの新聞報道(2/1朝日新聞)がされました。
 市が公表した実施案(概要版)では、従来の残す支所に「瀬田北」を新たに加えて11の基幹支所等と残りの25支所に分類。2020年度から基幹支所等は9時から17時(葛川、大石は15時まで)とし、25支所は、公共料金収納業務を廃止、証明・届出受付は一部のみに縮小し窓口時間を9時から15時に限定。これに伴い、職員数を削減し人件費を圧縮したうえ、2023年度から2年かけて見直し検討をしたうえ、2025年度から新たな再見直し後の制度に移行するというもの。

5年後にはやっぱり支所削減 なにこれ?

 これは、市内中心部優先、高齢者や障害をもつ方を切り捨て、公的責任放棄との市民の批判の声に、越市長が修正を余儀なくされたもので、1年後の支所削減を回避したという点では、ひとつの成果と言えるでしょう。
 しかし、この案では、支所存続をあと1年から5年に延長したことと引き替えに、25支所については公共料金が支払えないことをはじめ、午後3時に閉まるなど、当初の素案よりサービスが低下しており、「より良い案」どころが存続期間延長を除き「よりひどい案」と言えます。
 もともと、支所を削減する大津市素案は、一貫して撤回しないと議会でも明言した上の修正案なので、支所削減を撤回したわけではありません。実施案では、2025年度から、再見直しの上新制度に移行するとしています。ということは、11の基幹支所等の「和邇、堅田、坂本、逢坂、平野、膳所、晴嵐、瀬田、瀬田北、葛川、大石」以外は、5年後には支所廃止とならざるをえません。業務と窓口時間の縮小は、サービス低下に市民を慣れさせる「支所削減の準備期間」となります。しかも、住民への防災丸投げは変わっていません。こんな案に、賛成できるはずはありません。

削減せず高齢化社会対応や防災機能の充実を

 5年後は、高齢化社会がもっと進行しています。まず支所削減ありきの素案を撤回した上で、支所を存続し、高齢化社会やしっかりした地域防災にふさわしい機能を充実させることが必要です。
 最後に、昨年の7月~8月の市内3ヶ所の「意見交換会」での意見を紹介します。
●支所があることで安心して暮らせる。巡回相談では代替できない。高齢者を粗末にしたこんな冷たい市政はない。
●障害者は、手続きも他の人よりも多い。今は支所が近くにあり、障害者用の駐車場もある。1 か所に集中すると、遠くなり駐車場も狭く停められない。40年後には10 万人減ると言われたが、それまでのことが心配。
(2月1日記)




〈シリーズ〉とことん憲法生かす市政を その9

都合の良い資料で説明~これって“印象操作”じゃないの?
1支所あたりのコストは「廉価」(市報告書)なのに、
       説明は「費用高くて過剰サービス」!?
支所削減は白紙撤回しかない

 大津市役所支所の削減計画では、越市長は「維持費が高い」「他都市に比して支所の数が多く過剰なサービス」との削減理由を強調しています。
 当会では、仮にその理由がある程度妥当性があった場合でも、「支所は、ミニ市役所の機能をもっており、普段利用しなくても困ったときに頼りになる存在として認識されています。これは、移動の困難なお年寄りや障害を持つ方、家庭事情で遠出できない方などにやさしいもので、他市にはあまりみられない誇るべきもので、超高齢化社会を迎える今日、さらに必要性が増す。」(前号3面)と、自治体の公的責任の面から存続を主張しています。
 では、越市長の言う理由は「妥当」なのでしょうか。

人件費は総額で平均以下、1支所当たりの維持費は下位
2016年市は「比較的安く抑えている」と報告!

 大津市は、県庁所在地を含む全国30の中核都市との比較した2016年の報告書で、維持費は安いと報告しています。
 「大津市は施設数は多いものの、1市民センターあたりコストは比較的廉価に抑えられている。これは、後述するが、人員配置において、正規職員を減らし、臨時、嘱託、再任用職員を活用し、人件費負担を抑えていることが影響していると考えられる」、(「2016年度大津市市民センター機能等の在り方検討業務報告書」市議会公共施設対策特別委員会配付資料)
 平均は回答した27中核市の平均人件費は、約10億2400万円で、大津市の支所36の人件費は、約9億5500万円と平均を下回る13位で中位となっています。また、1支所あたりの維持費は、大津市は約3190万円で、27中核市中、下から7番目で下位に位置しているのです。
 これからすると、「高い」とする説明はなりたちません。また、11月の意見交換会では、夏の意見交換会の時にはあった「近隣中核市の支所設置状況」と「近隣中核市の支所運営コスト」の項目が削除されていました。都合の良い資料だけで説明していると言われても仕方がない対応は批判されるべきです。

地理的、歴史的要因や支所の性格を無視した削減は許されない

 先述した大津市の報告書によれば、27中核市中、大津市の支所数36は富山市79、和歌山市48に次ぐ3番目に位置し、以下、高松市33、松山市と長野市29、下関市27と続きます。
 大津市は、南北直線距離で約46㎞、面積465.51平方キロという細長く面積も大きい地形です。一方、48の支所を持つ和歌山市は、地形的には細長くなく面積は208.84平方キロと大津市の半分以下です。大津市と大差ない支所数の高松市も375.41平方キロと大津市より一回り面積は少ない自治体です。これらの自治体も「過剰なサービス」なのでしょうか。
 これは、地理的な条件や、歴史的経過や市民センターの性格など、数値データだけでなく個別の事情を考慮しなければ、支所数の適正さは説明できない証しなのです。
 県内他都市や大阪近郊の支所数の少ない都市を比較対象にして、「過剰なサービス」と決めつけるのは、削減という結論ありきの乱暴な論法と言えます。




辺野古米軍基地のための埋立ての賛否を問う
沖縄県民投票に連帯する滋賀市民投票
にご協力下さい!

 沖縄県名護市辺野古の新基地建設に必要な埋め立ての賛否を問う県民投票が2月24日に予定されています。
 沖縄の基地問題は沖縄県民だけの問題ではなく、ほんとうは日本に住む人全員が考えるべきことで、次の世代に大きく影響を及ぼすことです。滋賀県内でも実行委員会を発足し、賛否を問う滋賀・市民投票を行うことになりました。当会も取り組みます。
 大津市内のどこかで街頭投票所を設け、道行く人に辺野古の問題を自分ごととして考えてもらい1票を投じることによって意思を示していただきたいです。この市民投票では居住地、国籍、年齢制限は設けていませんのでどなたでも投票していただけます。
 実行委員会では滋賀県内で3000票を集めようと目標を定めました。工夫しながら多くの人に参加を呼び掛けて投票する人を増やしたいと思います。
 これを読んでいるあなたも、ご自分の意思を示してください。ご家族、ご近所、お知り合い、サークルや集まりで、投票をしてもらってください。郵送投票もできます。
 チラシや投票用紙はご連絡いただきましたらお届けします。ご連絡、お待ちしています!

投票期間 2月14日(木)~2月24日(日)
 期間中各地で街頭投票します。お問い合せ下さい。

【スタートの街頭投票所と開票&まとめの集会のお知らせ】
2月14日(木)草津駅東口、Oh!Me大津テラス前 いずれも14時~17時
2月24日(日)18時 開票&まとめの集会 フェリエ南草津5階中会議室




平和と市民自治 特別号  2019/1/10

平和と市民自治 NO8 2019年1月1日
〈1面〉
2018「災」→2019「」へ
支所削減 させず、
水道などの民営化をやめ、
市民に冷たい越市政からの転換を

 あけましておめでとうございます。
 昨年の漢字は「災」(わざわい)。今年は、なんとしても「福」の年にしたいですね。
1月、2月と寒さが厳しい日が続きます。どうぞお身体に気をつけてお過ごしください。
* * *
 昨年の越大津市政は、市役所支所の削減方針をはじめとして、なりふりかまわず「公共サービス」を削ることに突き進み、大津市民にとってはまさに「災」の年でした。
 2019年は以下の3点に力を注ぎ、大津市政に「福」を呼び込みたいと思っています。

1 支所を減らさず、市民の暮しをまもる

 市長は、現在36ヶ所ある大津市役所の支所(公民館と併設した市民センター)を「過剰なサービス」と決めつけ、2020年度から一挙に10へ減らす方針です。市民サービス削減ありきで、周辺部に生活する方は切り捨ての対象となります。圧倒的多数の市民が反対する支所削減は白紙撤回すべきです。
(3面に詳報 ぜひご覧下さい)
【36から10へ 残す支所の案】
広域支所7⇒ 和邇、堅田、坂本、平野、膳所、晴嵐、瀬田
地域支所3⇒ 葛川、大石、逢坂    (大津市の削減案です)

2“命の水”水道の民営化NO! 公的責任の堅持を

 12月6日に、国会で水道法が改悪され、今まで水道法の規定によって市町村等の公共団体しか水道事業ができなかったものが、民間事業者が経営できるようになりました。これに先立ち、10月24日、越直美大津市長は早くも水道事業の民営化を進めたいと発言しています。
 政府の言う採算性や収益性を求める企業が運営すれば、採算の取りにくい山間部では料金を上げるしかありません。フィリピンの水道民営化では、水道料金が4~5倍に値上げされ、貧困地区には水道管さえ敷設されませんでした。シドニーでは、寄生虫が混入したため、2ヶ月もの間、市民は水道水を煮沸して利用せざるを得なくなりました。
 水道法の理念である「清浄にして豊富低廉な水の供給」は、水を商品とする民営化とはそもそも相容れないのです。

3 議員特権の政務活動費廃止し、市民生活にまわす

 大津市民の生活のルールと税金の使い道を決める市議会を、市民の生活目線で市民のための議会に変える必要があります。全国で問題になっている議員の第二給与である政務活動費(一人年間84万円)を廃止し、約900万円の大津市会議員報酬を全国の市議会議員平均に削減(約3割)すれば、4年間で5億3千万円を捻出できます。これを待機児童や介護などの市民生活に回すべきです。
 また、市民生活に関係のある事項について市民が発言できる市民参加制度を議会につくるべきです。

〈2面〉会員の声

勇気がわいた「ガマ人間あらわる」大津公演

 12月2日に伝統芸能会館能楽ホールで『ガマ人間あらわる』のミュージカルを見ました。公開リハーサルを含め3回鑑賞することになりました。
 月桃の花歌舞団の迫力のあるエイサーで始まり、いよいよミュージカル。非正規労働問題、原発問題、基地問題を笑いあり、涙ありで描かれていました。政治、経済、金融を支配するガマ人間が『命より金』という基準で日本の社会、人間の気持ちまでも変えていきます。
 私は保育士をしていますが、このミュージカルを見て自分の周りの状況と重ね合わせることができました。保育現場では様々なことが問題になっています。財政を口実にした公立保育園の民営化、保育士の正規労働者の削減、保育士不足など多数の問題があり心も身体もぼろぼろになっています。
 ミュージカルの最後に『ダイレクト』を歌います。その歌詞の中に「直接言わなきゃ届かない、わたしが言わなきゃ伝わらない…」この歌声を聞いて本当に勇気が湧いてきました。 「保育園の民営化反対!子どもの人権と命を守れ。公的責任を果たせ」と声を上げていきたいと思いました。

〈3~4面〉シリーズ とことん憲法生かす市政を その8

市民サービス切り捨て 中心部優先 高齢化社会に逆行
支所削減は白紙撤回を

 みなさん。越大津市長は、2020(H32)年に市内36ヶ所ある市役所の支所を10ヶ所に減らし(1面の表参照)、公民館を廃止してコミュニティセンター化する方針を出しています。
 市は、削減について「少子高齢化の進行で支所・公民館利用者も減少、社会保障費は増加して財政は苦しい中で、支所維持に年間12億円かかる」(大津市市民センター再編素案 H29.11)ことを理由にしています。
 また、防災機能については、2023(H35)年以降は、地域の防災機能は地域で行うこととし、避難所の開設は行政がするが、避難所運営は自主防災会で行うという方針です。

他市に比して誇るべき36の市役所支所

 みなさん。支所って何をしているかご存知でしょうか。大津市は、南北直線距離で約46㎞という細長い地形のため、36の小学校区に支所を置き、その機能も証明発行だけでなく、本庁の担当課と連絡を取っての行政全般の相談や届け出手続きも可能と、ミニ市役所の機能をもっており、普段利用しなくても困ったときに頼りになる存在として認識されています。これは、移動の困難なお年寄りや障害を持つ方、家庭事情で遠出できない方などにやさしいもので、他市にはあまりみられない誇るべきものなのです。

「支所は過剰なサービス」(!?)
人減らしありきの市長の認識

 この支所の役割について、越市長の認識には首をかしげざるを得ません。 
 「他の中核市と比べ過剰なサービスを減らしていく」「(残す)基幹支所でも正規職員を0にするくらい検討を」「(機能について)高齢者支援については、もう基本的には民間でやっていく」「(コンビニあっても届け出や受付できない)でも、それは(本庁や残った支所に)来てもらうしかない。」(2014年10月26日市民センターあり方市長協議録から)
 市長方針は、まさに市民サービス削減ありき。高齢者、障害を持つ方、移動手段の無い方など弱者への視点が全くなく、周辺部に生活する方は切り捨ての対象となり、公共の役割を理解していないと言わざるを得ません。

公共機能と市民生活の切り捨て、防災機能の丸投げ~4つの問題点

①市民サービスの削減と中心部優先…
 市にとっては“安上がり” …
 周辺部に生活する方は切り捨てる…

 越市長は、市民生活に必要な36の支所サービスを「過剰なサービス」と攻撃しています。しかし、人口が減れば窓口取扱件数が減るのは当たり前。現実には、戸籍、保険年金、介護保険関連の届け出や証明書の発行数をみると、市民の7割が支所を利用しており、利用率はダントツなのです。だいいち、健康で転居等がなければ、支所のみならず市役所自体を利用しません。しかし、高齢化社会を迎え、今後窓口での相談や届け出での支所利用率は、確実に増えます。また、普段利用しなくても困ったときに相談ができる施設や防災機能は、何物にも代えがたいものです。
 本来、一人でも対象者がいると人権保障の観点から手をさしのべるのが公共の役割。だから費用がかかり、税金でまかなう。こうした観点のない「市民に役に立つ所」の役割を放棄したのが支所削減なのです。
 また、財政効果についても、再編すれば12億円が浮くかのように錯覚させているが、実際は市として浮く費用は4.5億円だけ。中核都市たる大津が、周辺部住民も等しく公共サービスが受けられるようにする公共機能の維持を考えれば安いものです。

②災害発生時の防災機能を住民に丸投げ

 「避難所の運営は自主防災会」といいますが、大規模災害が発災すれば、地域の自主防災会だけでは避難所運営はままなりません。また、自主組織の防災会を法的根拠もなく強制動員することになります。
さらに、支所の削減は、被害情報収集の遅れから、救助、救援物資の遅延や生活再建に欠かせない被害調査・罹災証明発行の遅れを招きます。
 これは公的責任の放棄です。そもそも、「避難者が運営」という発想は、自治体リストラがもたらした防災の機能不全を補う発想です。自治体職員を増員し、防災力の空洞化に歯止めをかけると同時に地域住民との連携を十分図り、地域住民と一体となった対応を行うことを、地域への丸投げでなく公的責任の下に行うことが必要です。

③移動行政相談やコンビニ証明発行
 ~まやかしの代替手段

 市は「移動行政相談」や「証明はコンビニで」と言いますが、例えば実際とれる証明は住民票と印鑑証明、そして所得証明の3種類だけ。このことを明示せずまるで全ての証明が取れるかのように説明する。また、「移動行政相談」はその内容を全く示せない。これでは代替手段とは言えません。

④公民館の廃止

 社会教育法に位置付けられた公民館が廃止されます。いままでどおり使えますというが、コミセンでは貸し館だけで生涯教育機能はありません。

平和と市民自治 NO7 11月25日
〈1面〉
12月議会開会
“ご飯論法”やめて議員特権も廃止を

政務活動費廃止、議員報酬3割削減で、
4年間5億3千万円を市民生活へ
会ニュース第7号をお届けします。日がどんどん短くなり、朝起きづらくなるほど寒さが身にしみてくる季節になりました。また年末に向けて、何かと多忙になってきます。何卒、お身体を大切になさってください。

12月市議会開会
 “ご飯論法”やめて常識の通用する議会に

 さて、12月大津市議会が始まりました。前号でも訴えましたが、私は、憲法を市政に生かす立場から、大津市議会も市民目線で市民の常識が通用する議会にすべきと考えています。
 一つは、議会での市の答弁です。国会では安倍首相の「ご飯論法」という論理のすり替え、ウソとごまかしが“有名”ですが、わが大津市議会でも似たような答弁になっていると感じます。市民の方から「傍聴していても、答えになっていない!と感じてストレスがたまる」と聞きます。例えば、「○○についてより良い案とは具体的に何か」という質問に「先ほど申し上げたように皆様の意見を聞き、より良い案にしていくということでございます」と答弁。これって、何も答えていませんよね。これでは議論になりませんし、市民の知る権利にすら答えていないのです。また、議会側も市に対して議論が成り立つように“論戦のルール”を求めるべきです。

※「ご飯論法」:言い逃れ答弁の論法で、「朝ごはんを食べましたか?」という質問に「(朝、パンは食べたけど、ごはん=米飯は)食べていない」と答えるようなやり方。

議員特権の政務活動費廃止・議員報酬の削減を

 二つめは、議員特権の廃止・議員報酬の削減で、浮いた税金4年5億3千万円を市民生活にまわすことです。5年前の「号泣」兵庫県議で、ずさんさが明らかになった「議員の調査研究その他の活動」のための政務活動費は議員報酬とは別に支給され、ほぼ全ての費目において使えます。しかも、税法上非課税。
 しかし、考えてみてください。議員の職務は、自治体の政策形成にかかわる調査・企画・立案、議会での審議決定です。調査活動等は議員本来の職務であるにもかかわらず、その対価である議員報酬のほかに別に政務活動費を支給することは全く不要な二重支出となります。支給のない市町の自治体議員でも、政務活動費を返上している議員でも、精力的に調査活動を行っている市民派議員は少なくありません。これが本来の姿だと思います。また、約900万円の大津市会議員報酬を全国の市議会議員平均に削減(約3割)すべきです。
 私は、これで浮いた4年5億3千万円の税金を、待機児童対策や介護政策など市民生活にまわすべきだと主張します。

県内市町議会の一人当たり年間政務活動費

 大津市 84万円
 草津市 36万円
 守山市 25万円
 彦根市等6市 24万円
 湖南市 20万円
 栗東市 18万円
 野洲市、米原市 12万円
 県内の町 0円


〈2面〉
会員の声
戦争への道 労働運動への国家的弾圧を許すな
                               会員 馬場 慶治

 連帯ユニオン関西生コン支部は、大多数が中小である生コン業者と協力して協同組合を作り、大手ゼネコンやセメントメーカーと対等な立場でセメント価格や運賃などの交渉をすることで、業界で働く人たちの生活を向上させてきました。労働者の生活と権利を守るため、画期的な運動を広げてきたのです。
 しかし、今年7月から9月にかけて3度にわたる組合事務所の強制捜査、家宅捜査が行われ、委員長他組合幹部を中心に20名が逮捕されました。しかも、その逮捕の場にはなぜかビデオカメラを持ったヘイト集団(右翼)が来ていて、関西生コン支部をまるで恐喝団体であるかのように宣伝しました。滋賀県警も上部の指示によるのか組織犯罪対策課が動くという異例の事態となりました。
 協同組合によるゼネコンとの交渉を警察は恐喝未遂と決めつけ、労働組合のストライキを威力業務妨害だと言うのです。憲法28条で保障された労働三権の否定です。ましてや警察がヘイト集団と連携をとるとは・・・。共謀罪などを使って戦争のできる国に仕上げるために安倍政権がいよいよ民主勢力をつぶしに来たか! 一日も早く拘留を解き、謝罪させなければなりません。
 マスコミや裁判所を抱き込むのは安倍政権の得意技です。しかし、真実は負けません。広がります。労働組合は逮捕者が出て以降、委員長が拘留されている大津警察署前で毎週土曜日に「組合員を返せ、謝罪しろ」と抗議行動を始めました。「この問題はすべての労働組合の問題だ。すべての市民の問題だ。」と、回を追うごとに原発反対、辺野古基地建設・Xバンドレーダー反対、改憲反対などに取り組む全国の組合や団体、個人へと参加が拡大しています。
 これは、私たち働く者の生活と権利を守り戦争への道を許さず安倍政権を倒す取り組みです。支援者の数を増やすことが連帯勝利につながると思います。

  ↑ 11月17日 大津署前での抗議行動

現在、抗議行動は毎週土曜日1時半から 大阪府警本部前で行われています。憲法で保障された権利を破壊する安倍政権にNO!の声をみんなであげていくことが必要ですね。(事務局)



〈3~4面〉 とことん憲法生かす市政を その7
STOP!
貧乏人は水飲むな!“命の水”の民営化

民間なら安価で効率的?は大ウソ!
~料金高騰(マニラ5倍、イギリス2.5倍)などの
  弊害で、世界37カ国・235事業が再公営化~

 皆さん。「水道の民営化」ってご存じですか?水は蛇口をひねれば出るもの、公園やお店では水はタダ。こうした当たり前の光景が見られなくなるかも知れないのです。
 今臨時国会で審議されている水道法改悪案は、今まで水道法の規定によって市町村や水道組合などの公共団体しか水道事業ができなかったものが、民間事業者が経営できるようにするものです。
 安倍政権は、世界の水メジャー(巨大水事業資本)などの大企業のもうけのために、「公共サービスの産業化」として、“命の水”を売り渡そうとしているのです。そして、越直美大津市長は、安倍政権の民営化路線に乗って西日本一安い市営ガスの来年度からの民営化に続き、水道事業の民営化に意欲(10/24)を示しています。
 水道の民営化は、料金高騰と水質確保もままならず、「貧乏人は水を飲むな」という事態を招きかねない、憲法25条(生存権)を破壊するもので、絶対反対です。


なぜ民営化がいけないのか
  導入口実の「安価で効率的」は真っ赤なウソ

 自治体がやっても企業がやっても水道事業は一緒ちがうの?ちがうんです。
なぜ、水道法はその事業を市町村等しかできないとしてきたのでしょうか。それは、水は人間の生存に不可欠であり、採算性を後回しにしても設備を整備し水質を確保した安価で豊富な水の供給を保障しなければならないからです。
 まず、「安価」について。当たり前ですが、民営化とは「営利の経済活動」であり、株主の利益が優先されます。利益を犠牲にしてより良い水の供給をすることはありません。フィリピン・マニラでは民営化後、西地区で4倍、東地区では5倍に跳ね上がりイギリスでは、水道運営コストは変わっていないのに2.5倍になっています。この点、安倍政権はあらかじめ値上げを想定して、安倍首相が議長を務める「未来投資会議」で、「上下水道事業において・・・料金への転嫁を可能とする仕組み」(料金値上げの容認)「(民間事業者に)に過度のリスクを負わせない」ことがすでに検討されています。値上げは既定路線と言っても過言ではありません。
 次に「水質」です。いくら自治体が「監視」すると言っても運営を民間に任せれば自治体にノウハウも技術経験もなくなり、コントロールは無理です。またイギリスでは、上下水道会社が全体で約20億ポンド(3500億円)の純利益をあげているが、この利益は水道サービスの投資にまわされず、ロンドンの下水は一部不適切処理のままテムズ川に放流されているのは有名な事実です。
 さらに「供給」そのものです。マニラでは、水道インフラの工事は投資効率の良い地区=一定の人口密度があって中流以上の人々が住んでいる地区が優先され、貧困層では、いくら人口が密集していても、投資が回収できないと踏んだ民間水道事業者は水道管の敷設工事さえ行なわず、さらに以前は公園などの「無料で」水を供給していた公共水栓も民営化されてから使用を禁止された。文字通り、「貧乏人は水を飲むな」という世界ができ上がったのです。


世界の流れは再公営化
 でも麻生財務相は「すべて民営化」と米に約束

 麻生財務大臣は、2013年4月に米ワシントンでの講演で「日本の水道は全て民営化する」と約束をしました。そして、このようなとんでもない水道の民営化が、市民の命を維持する水道の安全より大企業のもうけのため着々と進められてきたのです。
 いま日本国内では、公共サービスを民営化することが正義かのごとく、売却や委託を声高に主張する風潮がまん延しています。しかし、一度民間の手に渡ってしまえば、そのサービスが公共であるべきと気が付いたとしても、市民が取り戻すことは至難の業です。
 料金の高騰と水質の悪化に対して、パリ市は2010年に、ベルリン市は2014年に公営に再公営化しました。このほかに米国アトランタやアルゼンチン・ブエノスアイレスなど世界37カ国、235水道事業で再公営化されています。もはや水道民営化は世界の流れに逆行する動きなのです。水道民営化に意欲を示す越大津市政に監視の目を強め、水道民営化を許さない声を広げましょう。

  11月12日
 改憲許すな!戦争やめろ!
 中央要請行動に参加しました

 この日は皆様にたくさんご協力いただきました「東アジアの平和を求める署名」5071筆を内閣府に届け、防衛省には「辺野古新基地建設計画の撤回」「行政不服審査法による沖縄県への埋め立て承認撤回の停止申し立ての取り下げ」「沖縄県宮古島市の陸上自衛隊ミサイル配備計画の撤回」を要請しました。
 防衛省の担当者は、辺野古の埋め立て撤回への行政不服審査申し立ては国は私人と同様にできる、軟弱地盤はボーリング調査中で総合的に判断します、活断層は確認していない、宮古島の自衛隊配備は地元の理解を得るために丁寧(=ゴリ押し)に説明する、と繰り返すばかり。「丁寧に説明します」と言っているその言い方が、すでに他者に対する思いやりに欠ける冷酷な言いっぷりで、怒りさえ覚えました。
 沖縄県では今、県内各地で、辺野古埋め立て工事は違法でおかしいという学習会を毎週開いているそうです。平和を願う人々と一緒に声を上げ続けることの大切さを今一度思う一日でした。          (事務局長 峯本敦子)

平和と市民自治 NO6 11月1日
〈1面〉
地方自治と市民の暮らしと命の危機!
公共サービスを取り戻そう

市民生活きりすての支所削減、水道民営化は ゆるさない
 会ニュース第6号をお届けします。秋本番を迎え、秋晴れの本当に気持ちのよい日々が続きます。とは言え、これからどんどん冷え込んできますので、体調に気をつけてお過ごしください。

あきれ果てる安倍首相所信表明

 10月24日臨時国会が開会し、安倍首相が所信表明演説をしました。私は、それを聞いてあきれ果てました。
 曰く「沖縄の皆さんの心に寄り添い…」原敬を引用し「常に民意の存するところを考察すべし」
 沖縄県知事選、豊見城・那覇の市長選で民意は基地建設反対でした。しかし、安倍政権は、行政不服審査法を悪用して辺野古埋め立て承認撤回への対抗措置を取り、民意を無視。「今後も丁寧に説明する」と発言していた森友・加計問題も一言の言及もなく、言うこととなすことが180度違うのです。

安倍政権追随し、公共を投げ捨てる越市政 

 民意を無視し続ける安倍政権の自治体政策の下で、市民の生活と命、地方自治は危機にあると言っても過言ではありません。安倍政権は、骨太方針で「公共施設等総合管理計画」を自治体に義務づけ、市民生活に必要な公共サービスを削減し公費担を削減しようとしています。さらに「公的サービスの産業化」をかかげ、保育園、病院をはじめあらゆる分野で「公的責任」をなくそうとしています。
 大津市においても、越直美市長の市政のもとで安倍内閣の方針に追随し実行されつつあります。

〈36支所は過剰サービス?〉
 一つは、市役所の36ある支所を2年後に10に削減する方針です。市民生活に必要なサービスを「過剰なサービス」と攻撃し、(支所がなくなると、届け出も受付もできないことについて)「それは(本庁に)来てもらうしかない」(以上2014/
10/24庁議での越市長発言)として、市民サービス削減ありきなのです。お年寄りや障害を持つ方、周辺部に生活する方は切り捨ての対象です。
 本来、一人でも対象者がいると人権保障の観点から手をさしのべるのが公共の役割です。だから費用がかかり、だから共同体の費用としての税金でまかなうのです。この点をないがしろにしてはなりません。

〈命の水も民営化〉
 二つ目は、民営化の推進です。本来、営利企業になじまないところを公共が責任を持つことによって、市民の生活と命が守られます。しかし、越市長は、保育園や病院、市役所窓口や市営ガス等の民営化に続いて、命の水である水道の民営化に意欲(10/25)を燃やしています。
 この臨時国会で成立が狙われる、水道法の改正案=水道事業へ株式会社の参入を促す民営化推進法案にもとづいて、大津市の水道も民営化しようというのです。
海外では多くの失敗例があり、マニラでは水道料金が 4-5 倍に跳ね上がり、低所得者は水道の使用を禁じられました。加えて衛生管理も不十分なため、パリやベルリンなど水道が民営化された世界各国では、再公営化がされています。命の水を売り渡してはなりません。
 地方自治を守り、公的責任を明確にした市政の確立こそ、市民の暮しと命を守る道です。


〈2面〉
会員の声
沖縄に思う  会員 内田 典子
 ある日、沖縄辺野古の埋め立て反対の署名をお願いしていた時のこと。
 声をかけた女性に「あなた沖縄の人?」と言われた。私は「いいえ、違います」と言っただけで、返事も聞かずに去っていく女性にすぐ「でも同じ日本人です」と言えなかったことに少し落ち込んだ。

 沖縄の感じる痛みを自分の痛みのように沖縄とつながり、伝えてくれる人たちがいる。そのお蔭で一度観光で行っただけの私にも別の沖縄が見える。

 きのう10月17日、日本の政府は(私たちが選んだ)沖縄の基地反対を継承する新しい知事と対話するのではなく、「同じ内閣への審査請求」を決めた。民意よりアメリカとの合意を優先、「これが認められたら自作自演の不当な判決(玉城知事)」という。

 沖縄の民意とそれを潰そうとする、私たちの投じた一票でできた政府。
 一票を投じるということの重さを沖縄とのつながりをみながら考えてしまいます。

↑ 玉城デニーさんの当選を伝える沖縄タイムス、琉球新報

 翁長知事の突然の死去に伴って行われた9月30日の沖縄県知事選挙。相手候補におよそ8万票の差をつけ、史上最多得票で玉城デニーさんが見事当選されました。大変喜ばしく、ここ大津の地からも、沖縄県民のみなさんに敬意とお祝いの気持ちを表したいと思います。
 玉城さんは翁長氏の後継として、辺野古への新基地建設阻止を一貫して訴えられました。出口調査に示されたのは、有権者が最も重視したのは「普天間基地の移設問題」だったことです。
 この問題は、沖縄だけの問題でなく地方自治と地域の自己決定権の問題でもあり、私たちの問題なのです。辺野古新基地建設反対、政府は県民の意志を尊重せよと大津からも訴えていくことが重要です。
(代表 中川)




〈3~4面〉 とことん憲法生かす市政を その6

議員特権の政務活動費廃止、議員報酬削減で
4年間 5億3千万円を市民生活にまわせ

市民目線の開かれた議会へ
市民参加制度の創設を

 皆さん。市議会ってどんなところかご存じですか?
 市議会は、地方政府である大津市のいわば「国会」です。ここて、すべての大津市の予算や市の法律である条例が議会で決められます。ひと言でいえば、「大津市の生活のルールを決め、すべての税金の使い道を決める」ところです。その意味では、大変重要なところです。しかし、市議会は議員が構成する独立機関であり、ふつう市民がよほど注目していなければ何をやっているのかわかりません。
 そこでは、議会議員の多数をしめる「会派」の論理が横行しており、市民の「常識」とはちがうこともすくなくありません。私は、憲法を市政に生かす立場から、大津市議会も市民目線で市民の常識が通用する議会にすべきと以下のように考えています。

その1
議員の第二給与の政務活動費廃止、議員報酬3割削減で浮いた4年間約5億3千万円を市民生活に使う

 5年前の「号泣」兵庫県議で、ずさんさが明らかになった政務活動費とは?地方自治法によれば「その議会の議員の調査研究その他の活動に資するため必要な経費」として議員報酬とは別に支給できる費用で、「政党活動、選挙活動、後援会活動及び私人の活動以外」(衆議院総務委員会2012.8.7答弁)とあり、ほぼ全ての費目において支出可能です。しかも、この政務活動費は税法上非課税扱い!
 議員一人当たりの政務活動費は702万円の大阪府がトップで、2017年度の民間平均給与432万円(国税庁「民間給与実態統計調査」)の1.6倍で常識を超える額です。47都道府県と全ての政令市および中核市は政務活動費を支出しており、その合計は176億4千万円にのぼります。その実態は、夫婦の思い出旅行を「視察」と称して支出したり、妻の車の費用に充てたり、とんでもない市民を馬鹿にした私用も多く暴露されています。
 そもそも、議員の職務からして報酬とは別の政務活動費は必要ないと考えます。議員報酬は、議員の職務に対する対価で、その職務は住民の直接選挙によって選出される住民の代表者として議会の権能を遂行することで、具体的には自治体の政策形成にかかわる調査・企画・立案、議会での審議決定と言えます。ならば、調査活動等は議員本来の職務であって、その対価である議員報酬のほかに支給する政務活動費は議員に対する不要な二重支出なのです。
 議員報酬のように政務活動費が本来必要なら、すべての自治体で支給されねばならないが、全国市議会議長会と全国町村議会議長会によると、市では2割、町村では8割が支給していません。支給のない自治体議員でも、政務活動費を返上している議員でも、精力的に調査活動を行っている市民派議員は少なくありません。
 大津市は、月額7万円で年額84万円。大阪に比べると少ないというものの、1年の費用は議員38人分で3192万円にも上ります。これは税金の無駄遣いです。
 さらに、議員報酬も大津市は年間約900万円ですが、私は全国市議会の平均(月額418000円)に合わせ、3割削減すべきと考えます。こうして浮いた4年間約5億3千万円を市民生活に回すべきです。

その2
議会では請願や陳情すべてに市民の発言を保障する

 大津市議会で市民が議会に「請願」した際、原則必ずその趣旨について発言できるようになったのは今年からで、「陳情」(議員の紹介がないもの)については、いまだ発言できません。兵庫県下の各自治体議会では、古くから請願であれ陳情であれ市民の発言を認めています。
 議会は、主権者たる市民の投票によって選ばれ、その公約に対して信託(無条件ではない)を受けた議員が構成するものです。なのに、主権者の要望の発言を保障する制度がないのはおかしなことです。

その3
議会で市民が市民生活に関係のある事項について自由に発言し、議案採決等の参考にするなど議会への市民参加制度を創設する

 議会では、政策決定に当たって、主権者たる市民の発言が保障されていません。議会は議員だけで構成されますが、選挙では有権者は投票した議員にすべてを「白紙委任」しているわけではありません。議員の公約にないことや議員の考えが変わる場合もあります。そうした場合、市民生活に重大な影響を与える恐れのある議案等については、主権者たる市民の意見が常に参考にされなければならないと考えます。


 

フクシマ・オキナワとつながる希望のミュージカル
ガマ人間あらわる 大津公演12月2日(日)
ガマ人間とはマネーゲームを勝ち抜いて進化した最強の人類(?)。金を飲み込むガマグチのガマ…「命より金」が大切な彼らは日本征服を企んでいる。基地と戦争、原発、労働破壊…そんな中でガマ人間にどう立ち向かうのか。シリアスだけれど楽しく、希望と勇気を与えてくれるミユージカルです。

↑ 73年前の沖縄戦 ガマの中でおこった ことは… (10/8公開リハーサルより) 

くわしくは→「ガマ人間あらわる」大津公演

 

定例会のおしらせ (平和と市民自治の会)◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
11月10日(土)14時 大津市勤労福祉センター3階集会室
11月25日(日)14時 大津市勤労福祉センター3階集会室
12月 9日(日)14時 大津市勤労福祉センター3階集会室

 

平和と市民自治 NO5 10月1日
〈1面〉
「市は国の政策にものを言えない」
「国政と市政は関係ない」のか?

「国の法律どおりにやっている」ではなく、
 市民の生活をまもる 憲法生かす市政をー

 会ニュース第5号をお届けします。酷暑の夏から、一気に秋本番となりました。また、今後も台風や秋の長雨も予想されます。災害に備えつつ、お身体に気をつけてお過ごしください。
               *  *  *
 私は、大津市役所に在職していましたが、ここ10年ほどの間に本当に自治体行政が「市民に冷たくなってきている」と感じていました。そして、それは大津市だけではありません。全国の自治体の職員が意図的に市民に冷たく対応しているからでもありません。
 考えてみると、政府がすすめる政策がそうなっているのです。国民健康保険や介護保険の制度改悪で保険料は上がり続け、保育園、病院、公営企業をはじめとした民営化、支所や公民館の統廃合と指定管理制度での実質民営化の推進・・・。本来、一人でも対象者がいると、人権保障の観点から手をさしのべるのが公共の役割だと思いますが、それが今では「対費用効果」の名の下に、採算の取れない事業はしない、対象がいても少なければ廃止、という流れになっています。これはまさに公的責任の放棄だと考えます。
 こうした事態に、自治体として、あるいは市町村長がものを言わなくなり、ついにその政策を積極的に進める市町村長が残念ながら多くなりました。越大津市政もそうです。
 現行憲法は、9条で戦争を放棄したうえで、第8章で地方自治原則を取り入れています。この趣旨は戦前の戦争遂行が中央集権国家体制の下で行われた反省から、戦争をさせないための憲法保障として徹底した地方自治を保障したものです。自治体は、住民の「平和のうちに生存する権利」を保障する義務を負っています。

 私は、この権利保障のために必要かつ可能なすべての活動はすべて「自治事務」であり、自治体としては、市民生活に重大な影響(支障・障害)が出る事態はすべて最優先に取り組むべき政策課題であると考えます。
 たとえ形式的には合法な手続きに則って国の立法機関や行政機関が決定を行ったとしても、国民の権利を侵害することは許されません。市民は自治体住民であり国民です。それゆえ政府の政策の失敗の最終負担者でもあります。だからこそ、政府の政策も、市民の命と権利を守るべき自治体の政策課題となりえるのです。

 私は、あるべき自治体像は、憲法の要請する三大原理を自治体において実現する行政をめざす自治体です。市民の権利が守られていないのに、「国の定めた法律通りにやっており、なんら問題はない」と平然と答える行政を、市民の痛みが分かる行政に変えることです。国の政策や予算方針は地方自治体にダイレクトに影響します。だから、どんどん国にもの申し、自治体ができるかぎり独自施策を行うべきと考えます。
〈2面〉
会員の声 びわこ☆1・2・3キャンプに参加して

◆子どもたちを放射能から守りたい

 2011年3月11日,東日本大震災のあと東京電力福島第一原発が事故を起こし放射性物質をまき散らした時、何とか子供たちを放射線量の少ない土地へ逃がしたい、との思いで多くの人たちの知恵と行動の結集から始まった[びわこ☆1・2・3キャンプ]。不安の中での出発でした。でもロシアのチェルノブイリ法の例もあることだし、1.2回もやれば東電と、政府が、どうにかするだろうと私は軽く思っていました。しかし2018年夏、15回目のキャンプを迎えることとなりました。子供たち70数名が参加し、34日間のキャンプが終わり、多くの方たちに支えられて、子供たちは家族のもとへ帰っていきました。

◆ボランティアと寄付に支えられ

 この夏も130数名のボランティアの方々が参加して下さいました。子どもたちに関わってくれる方、そして生活一般のボランティアさん、お台所を担当してくれる方、イベントを申し出てくれる方々など、各々自分のできそうなところへ参加されています。そんな中、15回もキャンプを続けられているのは、中心になってくれている方たちの熱意・行動のおかげに他ならないと思います。資金のこと、食材のことなど、年中考えあちこちにアタックされます。子どもたちがキャンプに来ると、子どもたちと寝食を共にし、子ども達のすべての活動がうまく運べるように、家族のように子供たちと話をしながら、希望をできるだけかなえられるように子供の声に些細なことでも耳を傾ける。家族であり教師であり、カウンセラーである。故に子供たちは大人を信頼しのびのび生活しています。
 保養キャンプは多くの人々に支えられて成立しています。その中で、大事なのは、先ずは資金のことです。カンパと、助成金、イベント収益金が主です。多くの方々のおかげで今年も実施できました。会計担当は「次会もキャンプができる」とも安心したように言っていました。震災後時間がたつと、申請できる助成金を探すのもむつかしくなってきているそうです。また、大事にしているのは「安全な食材」を子供たちに提供することです。あちらこちらの人々のご縁で農家さんからお米をはじめ、お肉、野菜、豆腐類の食材や、手つくりのおやつなど、多くの方々の善意をいただいて私たちのキャンプは成立しています。そして子どもたちに安心してもらうことができています。
 私は7年も経て「保養キャンプは皆様のボランティアと寄付で成り立っている」ことを周りの方々に知らせることが1つの仕事かなと感じています。



〈3~4面〉 とことん憲法生かす市政を その5

「詰め込み保育」を加速する越市政の保育園の民営化反対

公的責任を明確にした
子どもの命と成長を守る保育政策を

 今、公立保育園が存続の危機にあります。また、国や自治体が責任を持って保育を実施する公的保育制度も崩壊の危機にあります。
 大津市は、14園ある公立保育園のうち、天神山と逢坂の2園の民営化方針を明らかにしました。さらに、耐震診断の結果によって、比良、和邇、唐崎の3園も民営化の対象にするというのです。残る9園も建物は老朽化するので、市の方針からすれば、いずれ全ての公立園は民営化されることになります。
 政府は、保育園に株式会社の参入を認め、安倍政権は「公共サービスの産業化」を強力に推進し、全国の自治体で公立保育園が次々と民営化されています。

■「民営化でも保育園は同じ。何が問題なん?」いえいえ、問題大ありです。

 民営化とは、「非営利の公共サービス」が「営利の経済活動」になることです。株式会社は、収益を上げることが第一で、採算を度外視して市民の利益を優先することはありえません。利益を出すためには、人件費や施設整備費、給食等の需用費を削り、立ち行かなくなれば即座に撤退。全国には「(経営者の)長女にレクサス、園児に百均玩具、給食は使い回し」(16年芦屋市)「ある日突然閉園」(MK系列)など事例はたくさん。民営化はその危険性があり、その一番の犠牲になるのが、子どもたちです。

■子どもをもうけの対象にする安倍政権の「待機児童・保育政策」

 なぜ、こんなことが起こるのでしょうか。安倍政権の「成長戦略」に民営化が位置づけられ、保育事業を公的責任から切り離して子どもの人権を守るための規制を骨抜きにし、市場化して大企業のもうけの対象にしようとしているからてす。
 安倍政権の待機児童対策は、保育水準の切り下げ、具体的には保育士配置基準を緩和して子どもの「詰め込み保育」で解消するものです。政府は、昨年末に「国を上回る基準を設けている自治体に待機児童が多い」と指摘し、基準緩和を自治体に求めています。多くの自治体が国基準より手厚く保育士を加配しているのは、国基準では子どもの安全が守れないからです。安倍政権は、その保育士配置を切り下げるよう求め、さらに保育士の割合が6割以上なら認可保育所並みの補助金を交付する特例(6/14国家戦略特区諮問会議)を決定しました。
 保育士一人が保育する子どもが多くなれば、定員は自然増えます。しかし、子どものすこやかな発達が保障されるでしょうか。「人手不足で時間に追われ離乳食を無理矢理口に運ぶのが嫌で保育士を辞めた」(東京・足立区)のような事例が後を絶ちません。特に事故の少ないと言われる認可保育園でも昨年の保育施設での事故件数は、全治30日以上の重大な事故は880件で前年比1.5倍に激増(5/28内閣府)しています。
 保育所に詰め込まれるのは、ものではなく子どもです。子どもをもうけの対象にして、子どもの命を危機にさらすのが安倍政権の「待機児童・保育政策」です。

■子どもの人権と命はコストでは計れない
 大津市は憲法と子どもの権利条約の立場に立て

 憲法では、子どもは0歳児であっても人格を持った権利主体です。子どもの権利条約第18条は、「子どもの保育の権利と国の保障義務」を定めています。子どもの成長と発達をさまたげ、ましてや保育事故を誘発するような規制緩和やそれに基づいた民営化は、人権侵害であり憲法にも子どもの権利条約にも違反します。
 公的保育制度の下、公立保育園が培ってきた支援の必要な子どもたち(障害をもつ子ども、貧困、虐待等)の保育や、地域の子育ての拠点としての役割を拡充し、充実した保育を目指してきた民間園と連携して保育の質を確保することが必要です。
現在の公立14園は民営化せず、政府の保育士配置基準緩和に反対し、市の独自施策として保育水準を引き上げ、保育士の待遇を改善したうえで、公的責任で公立をはじめ認可保育園を増設して待機児童の解消をはかるべきです。



フクシマ・オキナワとつながる希望のミュージカル
ガマ人間あらわる」に期待!!

 ガマ人間とは何ぞや。それはマネーゲームを勝ち抜いて進化した人類だという。金を飲み込むガマグチのガマ…「命より金」が大切な彼らは日本征服を企んでいる。さて、それでいいのですか、私たちはどうしましょうか、と問いかける。迷っている人にも、何がしかの方向が見えている人にも希望と勇気を与えてくれるミユージカルです。
 会の定例会に「月桃の花」歌舞団の皆さんが参加されました。基地問題で揺れる沖縄、未だ原発事故が収束しない福島の人たちと交流する中でシナリオを練り上げているそうで、大津公演では新しいネタが盛り込まれるかもしれませんよ。
 12月2日の本公演に先立ち10月8日(月・休)に公開リハーサルがあります。歌舞団のみなさんもリハーサルの場で意見を聞かせてほしいとのことです。
 一度リハーサルを見に行きましょう。

公開リハーサル 10月8日(月・休) 13:30~
         場所は公演会場と同じ大津市伝統芸能会館
         入場無料です

↑ 街頭宣伝する「月桃の花」歌舞団の皆さん

12月2日(日)の公演についてはこちらをご覧ください。→ガマ人間あらわる





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